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奇妙な冒険者  連載版  作者: 大介丸
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第56話

 だが、同時に好奇心もあった

「もう一つのその怪物は、人間の頭蓋骨に似た頭部に半透明のフードの

 ようなものをかぶっているのが特徴だ

 貌と判るような形状の鼻や耳は存在せず、特徴は口の中にもうひとつ

 小さな口という独特な構造、背中にはパイプ状の突起物が5本、

 身長は2mほどで長い手足に尾という形状で、全身は骨だけで構成されたような

 異形の姿だ

 人里に現れる事は少ないんだが、それでも獲物が近づくと集団で攻撃するし、

 獲物を探しにいく時は積極的に集落を積極的に襲撃してくる

 もちろん巣に近づいた冒険者も同様に襲いかかってくる・・・

 だが、そいつの恐ろしいのは攻撃力だけじゃない」

「サブ・ギルドマスター」のアルヴィンの説明に、いつの間にか

 食事をしていた冒険者達が真剣に聞き入っていた

「火を吐いたり、魔吠えを上げたりするの?」

 そう声を出したのは、エルフ族の冒険者だ

 だが、先ほどの少女ではなく茶褐色の肌と色素の薄い髪を持つ女性冒険者だ

 エルフはエルフでもダークエルフ種族の女性である

「サブ・ギルドマスター」アルヴィンは頸を振った


「その怪物どもは、知能が高く学習能力があることさ

 さらに、体液は黄色く武器防具類の金属類を腐食させる

 性質をもってるからうかつに攻撃すりゃあ、防具と武器が使い物にならなくなる」

 そう言った瞬間、ほとんどの冒険者達の貌が曇り出した

 防具や武器類を買うにしても、素材を集めて鍛冶屋などに依頼するにも

 それなりに資金が要る

 特に、装備品類は定期的にメンテナンスを行う必要がある

 また、武器や防具の購入ができるはずのない現場でそんな事態になれば、

 戦力の低下は免れない

 特に前衛の近接職にとっては死活問題だ

 そんな状況になったら、真っ先に前線が崩れて壊滅するのは

 目に見えている

 それが集団で、かつ知能が高く学習能力のある敵だとしたら尚更だろう

 その光景を想像したのか、ハインツは背筋が凍るような感覚に襲われた

 それと同時に冒険者の職業についている者として、その怪物の脅威が

 どれほどのものなのかは理解できた



「そんな厄介な怪物の棲処を通る以外に、ロージアンへ続く街道はないのですか?」

 ハインツは、ふと思い至って尋ねた

「カルローラが「マッピング」で製造した周辺地図を見てくればわかる」

「サブ・ギルドマスター」アルヴィンがそう言いながら、ハインツに問題の

 地図を手渡した

 怪訝な表情を浮かべながら、受け取るとハインツは

 地図を広げた

 そこにはリンガラム山脈のあり得ないほどの精密な地図情報が

 記載されていた

 森や谷、河と丘陵、山岳など地形まで詳細に描かれており、ところどころに

 書き込みらしきものもある

 まるで、今現在の地形をそのまま複写したかのように、正確に

 書き込まれている

 地図の精度もさることながら魔物や魔獣の縄張り、怪物の棲処らしき箇所、

 危険地帯などが記入されている



 しかも、ただの落書きではない。

 その書き込みには、その場所に生息すると思われる怪物が群れている規模や

 行動範囲が示されていた

「・・・・」

 ハインツは絶句した

 カルローラの「マッピング」技術が、以前よりも格段と精密さが

 上がっていたからだ

 この地図は、もはや地図というよりも 一つの書物と言えるほどに 精巧なものだ

「こいつは忠告だけど、その扱いには気を付けた方がいい

 そんなのを知れば、国よってはあっという間にカルローラは飼い殺しにされる」

「サブ・ギルドマスター」アルヴィンが真剣な表情でそう言ってきた

 その言葉を聞いたハインツは、表情が強張ってしまった

 ハインツは、慌てて地図を折りたたんだ

 そんな事には、絶対にさせない そう強く心に決めた

 だが、ハインツは思う

 カルローラは、あまりにも高度すぎる「マッピング」技術をどうやって

 習得したというのだろうか?

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