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奇妙な冒険者  連載版  作者: 大介丸
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第48話

 一つの巨大「クラン」だけでも3万という途方もないクランメンバーが出立し、

 潤沢な物量と「クラン」に属する施設が使える強みを生かし、迷宮の

 一層一層を隅々まで調べ尽くしてやろうという意気込みが あふれていた

 さらに冒険者個人の意識としては、今までに誰も足を踏み入れたことが

 ないという

 迷宮の一層一層に、冒険者になって日が浅い若輩者たちでも参加できる

 絶好の機会を得たのだから、参加しない手はない! という考えが

 主流を占めていた



 それを動かす人間の冒険者や他種族の冒険者の数から、いわば都市が

 まるごと移動していくかのような迫力がある光景が 至る所で生まれていた。

 移動の速さでは中小規模な「クラン」や「パーティー」も劣らなかった

 特に中小「クラン」が多く犇めく南部や北部は大規模「クラン」よりも早く、

 臨戦態勢さながらに大規模「クラン」にはない機動力を持って

 早々とそれぞれが狙いを定めた各迷宮都市への大移動の途についた

 そのほか中小「クラン」に属している鍛冶施設や錬金施設、魔法研究所など

 後方支援を主にする冒険者もそれぞれの 分野で持てる技術や知識を

 結集させ、迷宮調査に役立たせようと躍起になって移動開始した

 それまで拠点としていた街や村から、各迷宮都市をめざして性急に出発をする

「クラン」や「パーティー」のあまりの慌ただしさに、住民らは

 ただただ目を白黒させ、戸惑う場面があちこちで見られた

 住民の中には苦情の声を上げる者もいたが、そのような声は冒険者達はどこ

 吹く風といった様子で全く聞く耳を持たなかった

 冒険者が移動する理由を聞かれれば、口を揃えたように

 こう答えた

『 冒険者ギルド総本部から各迷宮に大規模調査の命令が出たからだ』

 と。



 その言葉を聞いた住民は呆気にとられたが、全員が全員

 納得したわけではなかった

 冒険者ギルドを通じて冒険者達に採取や護衛依頼を出していた商人や職人、

 農家などは、その冒険者達がいなくなってしまうため、仕事が滞り、

 生活が成り立たないと不満を訴えた

 しかし、そんな訴えに各「冒険者ギルド」支部は眉一つ動かさず、冒険者達は

 迷惑そうな表情を浮かべるだけだった

 冒険者達は自らの実力や能力を試せる機会に恵まれ、ランク不問で迷宮調査に

 駆り出されるのは願ってもない幸運だとさえ考えていた

 しかし、それで皺寄せがきたのはセレネギル大陸の魔境を管轄している

「冒険者ギルド」支部だった

 セレネギル大陸の各魔境では、それぞれ治める国が開拓地域として

 管理しているのだが、その開拓地域はそれぞれの国でも魔獣や魔物、怪物が

 棲息している辺境土地だ



 冒険者を統括する「冒険者ギルド」支部がない所も多く、各魔境には

 それぞれの国に所属している騎士団が開拓と間引き派遣されている

 ただでさせあまり冒険者が寄り付かない辺境地域から、冒険者がこぞって

 迷宮都市に移動すればそれだけで開拓や間引きに支障をきたしてしまう

 また「スタンピード」の発生も高まる

 それは国にとっても「冒険者ギルド」支部にとっても

 避けたい事態だった



 迷宮調査へ挑む冒険者達の移動を止めない所は多かったが、セレネギル大陸の

 東部と南部方面の辺境地域の一部では、魔境開拓が最優先だという事で

 中央「冒険者ギルド」総本部の許可もなく、「冒険者ギルド」支部が冒険者達の

 移動を徹底的に阻止する場所もあった

 急ぎ移動する冒険者達に立ち塞がったのは、主にセレネギル大陸で

 冒険者登録をした冒険者達の犯罪や規律違反を取り締まる権限を与えられており、

 取り締まりは厳しく猛者の冒険者さえ震え上がる『冒険者ギルド」所属組織

「冒険者ギルド憲兵隊」であった

 そこでは、死に者狂いで取り締まる「冒険者ギルド憲兵隊」と昂った

 冒険者達が凄まじい揉み合いの乱闘まで発展し、死者が出るほどの騒ぎになった

 また、「冒険者ギルド憲兵隊」だけでは抑えきれなかった辺境地域では、

 領主や貴族達が混乱を収めようと領兵を出動させる騒動にまで発展した

 特に抑え込む各辺境地領兵の荒れ方は酷く、捕らえた冒険者を殴り、

 蹴倒し、踏みつけるなど容赦がなかった

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