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奇妙な冒険者  連載版  作者: 大介丸
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第46話

「おや? お聞きにはなられてないのですか

 主な「冒険者ギルド支部」に募集広告を出すように指示を出して、手回し

 されたのは「サブ・ギルドマスター」殿ですよ」

 御者は笑顔で答える

 ハインツは、頭痛がしてくる思いだった

(俺の知っている「サブ・ギルドマスター」像と全然違う・・・

 独断で行動したり、指示を出したりするようなイメージが無いんだよなぁ)

 ハインツは頭の中では、今まで冒険者稼業を続けていて知った

「サブ・ギルドマスター」は、あまり評判が良くなかった

 今回の「サブ・ギルドマスター」は、そんなのとはかけ離れた人物である

 可能性を感じた



「そうなのですか・・・「サブ・ギルドマスター」アルヴィンさんは、

 そのなかなかフットワークが軽い方なんですね」

 ハインツは、目の前にいる御者に問いかけた

「辺境に赴任されるまで、中央の「冒険者ギルド」総本部で

 潜入捜査専門のギルド職員として活動していらっしゃいました」

 御者は淡々と応えた

 ハインツは理解出来なかったが、とりあえず自分の知る情報から

 想像出来る人物像よりかはマシだと思い込む事にした

「潜入捜査専門って・・・本当に底が知れない人物みたいだな」

 カーリンが少し引き気味に呟く

 ハインツは再び羊紙に目を落とすと、そこには250人分のリストと

 特徴が書かれていた

 幌付きの荷馬車からは、のそりのそりと体格の良い戦士風の

 男性達が降りてくる

 もちろん男性ばかりではなく女性もいた

 種族も人間だけではなくドワーフ、エルフ、ホビットなども

 混ざって着いたようだ

 ハインツとカーリンは緊張の面持ちで出迎えた

 全員が歴戦の強者の雰囲気を漂わせている者が多く、一癖も二癖もある

 風貌だった

 腰や背中には武器を携えてはいるが、ほとんどが傷だらけの焦げて擦り切れた

 外套や帯剣の鞘などば襤褸襤褸だが、なにか改造を施したであろう

 禍々しい武具を身に付けている者などもいる




 ハインツは自然と一癖も二癖もある風貌集団の指先に視線を向けた

 汚れて傷跡が多い指だが、総じて短く切りそろえられていた

 酒場で酔っ払っていたベテラン冒険者などが武勇談義で話していた情報を

 ハインツは思い出した

 歴戦の冒険者がどうかは、指先を見ればわかるという

(・・・集まったのは歴戦の冒険者じゃないか)

 ハインツが唖然としていると、御者の男に年齢は40代半ばの冒険者が

 声をかけてきた

 白髪交じりの灰色の髪をオールバックにしていて、顔には幾つもの

 細かい古傷があり、身体は筋肉質で背が高い。

 革製の鎧を装備しており、腰には立派な造りの

 片手半剣がぶら下がっている

 二言ほど御者の男に声をかけると、ハインツとカーリンに

 向き直り軽く頭を下げた

「応募者代表のオルト・バルマーだ よろしく頼む」

 握手を求めてきたのだ 慌ててハインツは手を出し握手を交わす



「オルト・バルマー?・・・『放浪者』殺しの?」

 隣にいたカーリンは呻くように応えた

「そう呼ばれることもあるな」

 オルトは苦笑しながら応える

 ハインツはこの場に似合わない豪快な雰囲気を持つ男に、違和感を

 覚えていた

 応募して集まってきた冒険者達は、何がしかの目的を持って集まってきた

 来たのだろう予測していたが、 どう見ても握手をしてきたこの男は、

 ただ戦いたいだけのように思えた

 それは他の者達にも言えた

 腕は悪いがお行儀のいい量産された冒険者などではなく、集まったのは

 恐れ知らずで礼儀知らず、プライドに命を賭ける

 本物の死地を潜り抜けてきた猛者連中ばかりのように見えた



「応募に集まるのは、新人冒険者と「サブ・ギルドマスター」から聞いてましたが、

 ひょっとして中堅どころの方々も多いんですか」

 ハインツは戸惑つつも、そう尋ねた

「俺を含めて100人は中堅どころだな 残りは、駆け出しや経験が浅いのがいる」

 オルトは少し笑いながら応えた

 カーリンはそのやり取りを聞いていて、違和感を感じた

(どう見ても駆け出しや経験が浅い冒険者はいないと思うぞ・・・募集文を見て集まったのなら、もっとこう防具は傷ひとつ無かったり、

 盾はなかったりの新人で駆け出しって感じの奴らがいてもおかしくは

 ないはずなんだが・・・)

 カーリンは「サブ・ギルドマスター」が事前にというか、しれっとメンバー募集広告を

 出したとされる募集文を思い出した



 募集要項には、冒険者としての最低限の知識や技術がある事 戦闘経験、種族、

 性別、年齢は不問と書いてあった

 つまりある程度の戦闘能力に自信があるならば、誰でも参加できるという

 ことだった

 しかし、集まってきたのは歴戦の冒険者ばかりにしか見えない連中だった

「なかなか頼もしい駆け出し冒険者ですね・・・」

 ハインツは引き攣った表情で応えた

「移動の都合上、少し遅れているが北部から20名、南部から6名来る

 予定になっている

 両地域も冒険者稼業にとっては不景気らしくてな」

 オルトが応えた

   ハインツは、その言葉を聞き逃さすことができなかった

(それはどう意味での不景気なんだ? そもそもその人数で北部や南部から

 よくここまで来ようと思ったな)

 カーリンも同じ事を思ったのか、不思議そうな貌をしていた

   ハインツとカーリンが疑問に思いながらも、別の御者が歴戦の

 冒険者ばかりにしか見えない連中相手に、「サブ・ギルドマスター」が手配した

 一時宿泊施設について説明をし始めていた

 ハインツとカーリンは、どうやらオルトの案内役になるようだった

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