第44話
「予想を良い意味で裏切ると言ったらいいのかわからんが、
「サブ・ギルドマスター」が記載している文字を見る限りは
間違いなく、一パーティー何かに入ろうなんてあり得ん事だ
それこそ超一流「クラン」レベルしか無理だ」
カーリンはリストを見つめながら絞り出す
「・・・カーリンは、そういう情報には詳しかったな
何か問題でもある冒険者だったりするのか?」
ハインツは信じられないといった表情を浮かべつつ尋ねる
「 このアマンシオというのは、「サブ・ギルドマスター」が追記している通り
『鍛冶屋』職だ
追記にはかなり端折っている所があるが、この大陸南部地方で活動している
クラン『渡り鍛冶屋アケストラ』所属
そして『魔王の鍛冶師』という『異名』で呼ばれている。
俺も名前だけは聞いたことがあるくらいなんだが、コレには
最近クランから脱退して現在無所属と記載されてるんだが・・・」
カーリンが信じられないものでも観た様な貌で、リストに記載された
冒険者の情報を見ながら応える
「 「サブ・ギルドマスター」が何か間違って記入したかもしれないな」
ハインツは、そんなあり得ないミスを仕出かすとは思えないと言わんばかりの
表情を浮かべる
「もう1人は、このディアランという冒険者だ
追記している通り「前衛」職なんだが、これもかなり端折っている・・・
この冒険者は、大陸東部地方で半ば伝説化している冒険者ルーフリーが率いる
パーティー「異種族友好協会」に所属している。
そのパーティーの面々の殆どは、俺ら人間ではない
そして俺が知っている情報なら、ディアランという冒険者は
『白銀の狂戦士』と呼ばれている
・・・この冒険者もパーティーから脱退して現在無所属と記載されているな」
カーリンは、ハインツに説明しながらリストに記載された冒険者を指差す
ハインツは、説明を聞きながら眼を剥いていた
そのまま信じるのならば、それは途轍もない冒険者の筈である
が、なんでそんな凄い冒険者が『冒険者ギルド』の求人に応募してくるんだと
ハインツは思った
「それほど有名なのか?」
ハインツは念のために、震える声で質問した
「俺ぐらい長い冒険者稼業を続けている者で、こいつらの二つ名を知らないのは
モグリと言われる程だ
あとここに記載されているリストで俺が知ってる情報は・・・
このアリアガットという冒険者だな
大陸北方地方で半伝説化している冒険者「雷使いの聖女」ヴァルート率いる
パーティー「堕天使生協」所属の猛者だ
「前衛」職で活躍して「妖炎の双剣」という異名を持つ冒険者で、これも
俺でも名前を聞いた事があるくらいだからな。
ただ、何年か前に北方地方の迷宮で発生した「氾濫」で「堕天使生協」が
壊滅してから決まったパーティーや「クラン」には入らず、
1人で行動していると噂では聞いていたんだが・・・」
カーリンは、ハインツにそう説明する
「 「サブ・ギルドマスター」の思惑が何なのかわからないが、ここは
知らなかったという体で、採用するしかないな」
ハインツは、ため息をつきながら応える
「「サブ・ギルドマスター」が、俺達パーティーを試そうとしているのかも
しれないぞ
なにせ『冒険者ギルド』側にとっても、冒険者パーティーを専属にすることは
非常に有益なことだからな」
ハインツはその言葉を聞いて、静かに頷いた




