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奇妙な冒険者  連載版  作者: 大介丸
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第37話

 ハインツは重い足取りでカーリンと待ち合わせをした酒場に向かう

(はぁ・・・ものすごい勢いで色々と提案されたなぁ どうしたものか)

 そんな事を考えているといつの間にか酒場に到着した

 中に入ると既に席についているカーリンを見つけた

 ハインツは、そのテーブルまで歩み寄る

 そして軽く手を上げて声をかける

 しかし、返事がないため 不思議に思い、よく見るとテーブルの机に置かれている

 皮紙に視線を向けて何か貌を顰めていた



「カーリン どうした?」

 ハインツが声を掛けるとカーリンはハッとした表情になり

 顔を上げる

 どうやらハインツが来た事に気がついていなかったようだ

 ハインツの姿を見て、カーリンが何処かほっとした

 表情になる

 空いている向かい側の椅子にハインツは腰掛けた

「どうしたこうしたも・・・もう「勧誘員」が来たぞ」

 苦笑いしながらカーリンが応える

 ハインツは小さく息を吐くと、皮紙の方に眼をやる

 そこには、何やらパーティーメンバーの引き抜きに関した

 提案が書かれてあった

 その文章の中には引き抜きの提案をする「勧誘員」が属する「クラン」と

 ハインツパーティーメンバーの名が記載されている


 その皮紙が三枚テーブルに重ねられ、三枚とも丁寧にそのパーティーメンバーに

 関しての移籍交渉について書かれていた

「こんなに早く接触してくるとはな・・・ 正直、もう少しかかると

 思っていたんだが」

 それを見て、ハインツは頭を掻きながら口を開く

「で、ギルドからの呼び出しの方はどうだったんだ?」

 それを眺めつつ、カーリンが尋ねる

「それがさ・・・聞いて驚け

 あるギルド支部の専属パーティーにならないかという提案をされた」

 ハインツは少し悩んだ後、苦笑気味にカーリンに話す

 その話を聞いて、カーリンは一瞬驚いた顔をした後、大きくため息をつく

 予想通り、良からぬ提案を受けたからだ

「ちなみに聞くが作り話ではないだろうな?」

 カーリンは、ハインツにジト目を向ける



 先ほどまでの真剣な表情が嘘のように今は呆れたような表情をしている

 こういったギルド支部専属パーティーの誘いを受ける冒険者パーティーは

 実績があるパーティーに限られている

 つまりハインツ達、まだ無名にも等しいパーティーに取っては、かなり良い

 条件で誘われている事になる

 普通であれば、喜ぶべき提案だ

「俺の創作だとしたら、もっと面白おかしく話すよ。

 実際の話だ 胡散臭いかもしれないが」

 カーリンの問いかけに対して、ハインツは苦笑する



「・・・ じゃあ、何処のギルド支部だ」

 カーリンが眉間にしわを寄せながら尋ねる

 おそらくこの迷宮都市の冒険者ギルド支部だろうと思ったから

 聞いたのだ

「リンガラム山脈を越えた西部辺境ロージアン地域の「冒険者ギルド」支部だそうだ」

 ハインツが応える

 すると、その言葉を聞いてカーリンは予想超える話で、一瞬

 思考が止まった

 そして表情が凍り付くき、 暫く沈黙が続いた

「その何だって?

 リンガラム山脈を越えた西部辺境って聞こえたんだが」

 やっとの事でカーリンが絞り出すように声を出す

 動揺するのも無理もない

   それはあまりにも遠すぎる場所だ

 西部辺境において未開拓地域は、魔境が広がり魔獣や怪物が跋扈している場所だ

 カーリンは、ハインツより冒険者稼業が長いため、西部辺境の

「魔境」については他の冒険者との交流で齧る程度だが

 知っていた

 だが、ロージアンという地域は聞いた事のない地名だ


「カーリン落ち着け

 そこは大陸中央部の高地地方と北部山間部の寒帯地域との境界線に位置する

 山岳地帯の麓の地域らしく、他の地域と比べて気温が低く一年中

 寒いのが特徴的の人口400人ほど弱小国らしい

 そこに『冒険者ギルド』支部があるそうだ」

 ハインツが冷静に説明する



 カーリンは、その説明を聞きながらも、この大陸の地図を思い浮かべていた

(確かにこの迷宮都市はセレネギル大陸の南に位置しているが、中央付近して

 海に面していない内陸地だったな

 ・・・しかしリンガラム山脈を越えた西部と言われる未開拓地帯は、この付近で

 活動している冒険者達には余り馴染みがない

 それに人口400人ほどの弱小国って・・・)

 カーリンも頭の中で考えを巡らせつつ、ハインツに質問した

「それで人口400人ほどの弱小国に置かれている『冒険者ギルド』支部とやらは、

 どんな感じなんだ?

 お前の話を聞く限り、ギルドの専属パーティーとして誘いを受ける

 つもりなんだろ?」

 カーリンがハインツに尋ねる

 するとハインツは顎に手を当てて 考える仕草をして、少しして話し始めた



「そのロージアンという地域を統括している「ギルドマスター」が、わざわざこの

 街まで出向いて俺に説明してくれたんだが・・・

 そこは北方の様に「冒険者ギルド」支部が乱立している様な状態でもなく、

「冒険者ギルド」支部が置かれている村も数百人程度の集落みたいなものだとか

農業には適した肥沃な土地に恵まれているらしいんだが、広大な

 魔境には強力な魔獣と怪物が棲息しているため

 生活圏を広げるための探索と開拓がままならないらしい

 事情は違う見たいたが近隣の弱小国家群や都市国家群も、それぞれで

 入り組み睨み合いを続けているため、容易に魔境の未開拓地域が開拓は出来ず、

 資源の確保が思うように行っていない状況だとか

 またこの1、2年西部辺境内の弱小国家群や都市国家群全域では、天候不良による

 暖冬と旱魃、洪水で作付けが出来ずに酷い飢饉に陥りつつあって

 餓死者や難民、疫病の発生等で、国力の疲弊が激しく、弱小国家群や

 都市国家群とも自国を守る事で精一杯の状況なんだと」

 ハインツが説明する

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