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奇妙な冒険者  連載版  作者: 大介丸
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第35話

「この同期が統括する冒険者ギルド支部は、西部辺境地域の

 ロージアンという地なの」

 女性のギルドマスターはそう言って、エンゲルベルトに視線を向ける

 その視線を受けた彼は、ハインツ達に視線を向けると説明を始めた

「まず俺が管轄しているロージアン地域は、西部辺境内でも強力な怪物や魔獣が棲息している広大な魔境が広がっている

 その分、辺境内でも考えられないほど多くの資源や宝玉、貴重な鉱物などの

 希少鉱石が採取できるんだ」

 エンゲルベルトがそこまで話す


「それほど豊富ならギルド直営の施設も多いのでしょうね」

 ハインツがそう言う

 エンゲルベルトは苦笑した表情を浮かべる

「それなら良かったんですが、複数の弱小国家群や都市国家群が

 入り組み睨み合いを続けているため、容易に魔境の未開拓地域が開拓は出来ず、

 資源の確保が思うように行っていない状況なんですよ

 また、弱小国家群や都市国家群が被害の深刻さを表沙汰にしていないため

 こちらの地域にはあまり聞こえてないと思いますが・・・

 ここ1、2年西部辺境内の弱小国家群や都市国家群全域で

 天候不良による暖冬と旱魃、洪水で作付けが出来ずに酷い飢饉に陥りつつあり、

 餓死者や難民、疫病の発生等で、国力の疲弊が激しく、弱小国家群や

 都市国家群とも自国を守る事で精一杯の状況です」

 続けて口を開いたのは、赤みがかかった髪をオールバックにした

 細身な体格の若い青年、サブマスのアルヴィンだった


 彼がそう言うとハインツは、その言葉を聞いて驚きを隠せなかった

 ハインツは元々大陸東部を中心に活動しており、他国の情報について

 は余り入ってこなかった

 ましてや、弱小国家群や都市国家群の窮状等ほとんど聞いたことがなかった

 なぜなら、ハインツが率いる冒険者パーティーは基本的に依頼は受けずに、

 東部各地の迷宮に潜り希少なアイテムの回収をする

 いわば、素材収集専門の冒険者パーティーだった

 そのため、あまり依頼の達成報告をしなくても良いと言う利点もあり、

 それにパーティーのメンバーはハインツとカーリン、そして冒険者を辞めた

 フランカを入れて3人という小規模パーティーだったため、依頼の達成回数も

 少なかった


 そんなこともあり、大陸西部の情報は余り入ってくることが無かったのだ

「あまりそういう情報が入っていないのは仕方ありませんよ 弱小国群や都市国家群

 は自国の安全が第一なので、情報を漏らさないようにしているのは

 当然の事だと思いますし、国同士の問題にも発展してしまいますからね・・

 ・・・そのロージアンという場所はどの辺りにあるのですか?」

 ハインツは気を取り直して、エンゲルベルトに質問する



「大陸西部の最果てに位置したロージアン地方は、大陸中央部の高地地方と

 北部山間部の寒帯地域との境界線に位置する山岳地帯の麓の地域なんだ

 他の地域と比べて気温が低く、一年中寒いのが特徴的だ

 冒険者ギルド支部が置かれている場所は小さな村の様なもので、

 人口は 数百人程度の集落みたいな場所だ

 国合わせても人口400人ほどの弱小国だな

 農業には適した肥沃な土地に恵まれているんだが、これが広大な

 魔境が広がり、そこに強力な魔獣や怪物が棲息しているため

 生活圏を広げるための開拓がままならない状況が続いている」

 エンゲルベルトがそう説明すると今度は、女性ギルドマスターが話し始めた



「比較的低い山が多くロージアンへ向かう街道や峠道が幾つかあり、

 そこを利用する旅人や冒険者も多いけど、一部の街道や峠道が土砂崩れで

 通行できなくなって物流が滞っていたり、警備隊の眼が届かない

 街道や峠道では、物騒な事に度々山賊現れるらしいわ」

 女性のギルドマスターはそう言って、ハインツを見つめる

 彼女の瞳は何か言いたい事がありそうな眼差しをしていた

 それを察したのか、ハインツは少し険しい表情を浮かべつつ

 問い掛ける

   何故なら、ハインツの勘が警告を発していたからだ

 だが、それが何なのかはまだわからなかった



「地域の安全度がかなり落ちているようですね

 それでは冒険者への仕事の依頼が多いと思いますが、それなら

 何も専属パーティーの誘いをしていただく事も無かったのではないでしょうか?

 我々の冒険者パーティーは、まだ名前も知れていませんよ

 確かに冒険者は冒険をする事が本分です

 依頼を受けて活動するのは、冒険者の義務でもあり

 冒険者の権利でもあります

 今は、まだ冒険者として培ってきた経験を冒険者の為に活かす

 事ができれば幸いと考えています

 冒険者が受ける依頼の内容や条件によって、報酬額が大きく異なります

 あえて無名の我々パーティーに『冒険者ギルド支部』専属パーティーへと

 誘っていただいたのは、正直何か裏があるのではないかと

 正直思うのですが、お聞きしてもよろしいでしょうか?」

 ハインツは表情を引き締め真剣な眼差しでエンゲルベルトを見る

 同じ視線をギルドマスターの女性からも感じていた

「ふむ 何を聞きたい?」

 エンゲルベルトはハインツの言葉に笑顔を見せて問いかけた

 まるでハインツが何を言い出すのか、既に予想がついているような

 雰囲気だった


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