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奇妙な冒険者  連載版  作者: 大介丸
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第26話

 ―――ハインツと カーリンは、麦酒を飲みながらテーブルに突っ伏している

 他のメンバーは、食事を終えるとそれぞれがやりたいことをするため

 散っていった

 二人は、今後のことを話し合うため酒場に残っていた

 もちろん、話し合うといっても、カーリンが一方的にハインツに

 文句を言うだけだ

 ハインツは、それを聞き流しながら酒をチビチビ飲んでいる

「聞いているのか、ハインツ!」

 カーリンが何処か疲れた声で言ってくる

「聞いている・・・金貨1万8千枚だ

 恐ろしい事に、まだ査定中の素材があるそうだ」

 ハインツが冷静な口調でそう言うと、またもや カーリンはテーブルに

 頭をぶつけて項垂れる



「・・・ここは中級冒険者向け『アルスター』迷宮だぞ?

 しかも一層の未探索領域でこれだ・・・・ヴァレーアの素質が恐ろしいぞ」

 カーリンはボソッと呟くと、頭を左右に振りつつ起き上がると溜息をつく

 その顔には疲労の色が見える

 一方、ハインツはというと、何やら難しい顔をして考え込んでいる

 それに気づいたカーリンは、何時もの調子に戻り

「何か気になることでもあるのか?」

 そう尋ねてくる

 それに対して、ハインツは顎に手を当て考える素振りを見せると

 おもむろに話し始める

「ああ、まず第一に今後も長期で『アルスター』迷宮の

 未探索領域を続けるか? と、いう事だ

   そして第二にタルコッサ達は、今後どうするかだ」

 タルコッサ達は、『冒険者ギルド』の言い分を信じるなら、間違いなく

 新人冒険者だ

 明らかに実力が凄まじくても、文化の違い、年齢の違い、性別の違い、

 彼ら彼女らの共通項は冒険者であること だけなのだ


「うーん・・・確かにそれぞれ等分した報酬が、今回1人金貨1800枚だ

 仕事をせずに食事と酒にありつき、買い物を楽しみ干し草ではなく

 寝台で眠る様な休暇を二週間ほどは過ごせるだろう

 平民の質素な暮らしをするなら、三か月ほどか・・・

 カモサワなんか『冒険者とは、これほど稼げるのか!』と

 大喜びしていたくらいだからな」

 カーリンが真剣な表情で話す

「・・・そういえば、タルコットやカルローラ、テレンスなども

 似たような驚きをしていたなぁ」

 ハインツは何やら呆れたように肩を落とす

 そんなハインツを気にせずカーリンは話し続ける

「普通はそう稼げねぇ事を説明はしたがな

『迷宮』の魔物と交戦し倒しても、全部は解体し剥ぎ取りはできねぇし、

 回収するとなれば重量や運搬手段の問題もあるからな

 さらに、戦闘中に他の敵が現れれば、戦っている仲間を放置しなければ

 ならない事もある

 そういった諸々の理由から、中堅クラスの連中でさえ、金貨

 3~5千枚ってところだ

 それに、いくら実力者とはいえ、常に万全の状態でいられるわけじゃない

 怪我だってするし病気にもかかる」

 そこまで言うと、カーリンは静かに言う



「・・・つくづく新メンバーの実力が凄まじい事がわかるよ

 あれで新人冒険者だからなぁ・・・ それも、まだまだ冒険者としてはまだまだ成長途中だ」

 そう言って、またテーブルに突っ伏すハインツだ

「これからどうなるんだろうな

 間違いなくあちらこちらから、勧誘がくるぞ? あと、それだけじゃない

 ギルドは、『迷宮』に関しても大々的な発表するんだろ? 大騒動になるぞぉ」

 そう言うと深いため息をつくカーリン

 それを聞いたハインツも、同じ様にため息をつく

「・・・まぁ、なるようにしかならないさ

 それより今日は飲もうぜ! 」

 ハインツはそう言って、目の前に置かれたジョッキを持ち上げる

   それをみてカーリンは苦笑しつつ ハインツと同じようにジョッキを手に持つ

 そして、二人同時に口をつける

 中身は麦酒だが、その味がいつもより数段美味しく感じられた

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