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奇妙な冒険者  連載版  作者: 大介丸
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第23話

 休息を終えたハインツ達は、『迷宮道士』カルローラのマッピングで判明した

 未探索領域へと脚を運んでいた

 ハインツは、カルローラのマッピング地図を広げ真剣な眼差しで何かを

 考え込んでいる

 一応一層で、ハインツ達や他の冒険者が踏破した探索領域は若干白くなっており、

 また自分たちがいる座標まで正確に記されている

 ハインツはそれほどマッピング技術については詳しい知識はないが、それでも現在いる座標まで正確に記されるマッピングがどれほど異常なことなのかぐらいは

 分かる


 異常と思うべきなのか、それとも凄まじい技術だと感嘆するべきなのか、

 マップ地図に記されている情報には現在

 この第一層にいる冒険者パーティーの位置も正確に記されているのだ

 そして改めて自分たちの眼の前に広がっているのは、迷宮の常識を覆すほど

 広大な面積が誰もかれもが未だに探索もしていない領域であることを示していた

 を示していた

 国の1つ2つが余裕で入るほどのの広さがあれば、さぞかし強力な魔物や魔獣が

 出現するのではないかとハインツは想像していた

 恐ろしい事にまだ一層でこれほど警戒するとなれば、最下層ともなると

 どうなることやら・・・ 想像することさえできない


 そして、自分の眼の前に広がる、広大な未探索領域を眼にしてハインツは改めて

 驚愕を禁じ得なかった

 全ての未探索領域を制覇しようとは考えられないほどだ

『迷宮道士』カルローラのマッピング地図と技術を始めて見たウルリーカ 

 ヴァレーア カモサワ オオシマは、その技術の高さと正確さに驚きを

 隠せず、臆することも忌避する事もなく色々と楽し気に尋ねていたのが

 印象的だった



 ハインツ達は他の冒険者が踏破した探索領域を拠点に、未探索領域の

 探索を始めたのだが、そこで眼にしたのは石畳や壁が綺麗に舗装されて

 街中の建物の地下と行っても差し支えが無いくらい小ぎれいな空間が広がっていた

 そんな空間は今までに一度も訪れたことがない場所で、ここが迷宮の中とは

 思えなかった

 だが灯りは無く、遠くも見通せないくらい薄暗いため一歩先を進むにも

 一苦労だった

 しかも 時折、通路の向こうから何者かが歩くような音が聞こえてくるので 、

 どうしても緊張が解けない



 だが、優秀過ぎる斥候の能力を持つ『闇狩人』アトリーサと『忍』オオシマが、

 気配を殺し、足音を立てずに先行することで何とかやり過ごすことができた

 そんな中『闇狩人』アトリーサが突然立ち止まり、ハンドサインで皆に

 止まれの合図を送った

 その瞬間、ハインツ達全員に緊張が走った

『忍』オオシマは、まるでアトリーサと長年組んでいる様な相棒の様に

 気配を消して、暗闇に姿を隠している

 そして、ハインツとカーリンは腰に差している愛剣の柄に手を置き、いつでも

 抜けるように構える

 前衛職の虎の着ぐるみを着こんだ『拳闘土』ローザは、いつでも

 殴り掛かれるように準備をしている

 虎の着ぐるみのためか、それは今にも獲物に飛び掛かる前の

 虎のようでもあった


 同前衛職の『侍』カモサワは、静かに精神集中をして腰に差している『大太刀』の

 柄に手を置き、戦闘態勢に入った

 その戦闘の構えは独特で、刀の切っ先が地面に向くように持っている

 この独特な構えは、彼独特の剣術である居合い術の為のもので抜刀時に攻撃の

 威力を上げる為のものである

 同前衛職の『騎士』ウルリーカも、身長の倍はありそうなやや大きめの剣を腰から抜いて戦闘態勢に入る



 かなり落ち着いた雰囲気だが、彼女の全身からは鬼神の様な闘気を纏っている

 そんな3人の雰囲気に飲まれるように、ハインツとカーリンは思わず

 ごくりと喉を鳴らした

 後方には、『迷宮道士』カルロ―サが清めた銭を赤い紐で結び繋いで作られた

 長い細身の剣を右手で構え、左手に黄色の紙に呪文を記した呪符を持っている

 この呪符は彼女からの説明では非常に強力な退魔の法力を宿しており、

 その力をもってすれば魔物はおろか邪な者の侵入を防ぐことができるという

 代物であるらしい


 カルロ―サの風貌も物腰は小型の草食動物を想起させるが、幾度かの

 戦闘で見せた彼女の後方援護は実に見事で 、まるで熟練のパーティメンバーの

 ような息の合った動きを見せてくれていた

 同後方職の『魔導士』タルコットは、いつでもあの強烈な奇行行為で魔法を

 発動させるかの様に臨戦態勢を取っている

 その貌は少しだけ強張っていたものの余裕のある表情を見せていた

 ハインツとカーリンは、一瞬だけタルコットに視線を向けて違う

 意味で鳥肌が立った

 だが、それだけで、ハインツとカーリンもまた気持ちを切り替える

 ことができた

 というのも、タルコットを補助するかのように寄り添っている『回復士」

 テレンスと『運搬人』ヴァレーアがいるからだ


『回復士」テレンスは、見た眼の筋骨隆々から明らかに前衛職を想起させるが、

 これでも後方支援で必要不可欠な回復魔法が

 得意という 見た目とのギャップが激しく、どうにも納得しきれないメンバーだ

 しかし、その彼の治療魔法能力は治癒空間を作り出すほどハイレベルで、どんな重症を負っても高度な治癒空間内であれば一瞬で治療する

 聖属性系魔法や神聖魔法の威力に関しても、神官や僧侶 の最上位職ではないかと思われるほどの魔法能力の高さだ

 ただ詠唱時には、両眼から血涙を流し、左右の手足から血を溢れさせるという

 現象が、強烈な奇行行為で魔法を発動させるタルコットと同じ

 気になるが・・・



『運搬人』ヴァレーアは、『空間収納』から素早く調合した魔力回復薬や

 解毒剤といった補助全般道具を取り出し、戦闘に参加する者達に手渡していく

 このヴァレーアの補助能力の素早さも非常に高く、まるで流れ作業のように

 テキパキと必要な物を手早く配り終えるのだ

 特にヴァレーアが調合した魔力回復薬や解毒剤は、道具屋で販売している

 商品よりも優れて効果が高く、この補助能力が戦闘時だけでなく平時にも

 欲しいと思わせるほどであった

 ローザ、アトリーサ、カモサワ、オオシマ、アトリーサは、ヴァレーアの調合した回復薬類は、その高い効果に感銘を覚えた

 カモサワとオオシマは今まで放浪していたためか、異口同音に

『これほど高い効果のあるものを見たことがない』と言っていた

 テレンスに至っては、『いやはやこれほど回復力の高い、魔力回復薬は初めて見ました』と感心していた

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