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奇妙な冒険者  連載版  作者: 大介丸
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第118話


 ハインツ一行は深い森林をさらに進むと、またもやマイティーオークに

 遭遇した

 今度は3頭だったが、先程と同じ様に余裕で撃退すると

 剥ぎ取り作業に移った

「・・・本当に凄いな

 カモサワとウルリーカの剣技は速くて正確で、ローザなんか

 接近してくる魔物に備えては接近戦で無双だ

 そしてオオシマとアトリーサは3人をうまく援護し、アトリーサは

『罠土』の固有技能でマイティーオークを効率よく足止めをする」

 カーリンは、ただ感嘆の声を漏らすしかできなかった

「ローザ達の戦闘能力の高さは否応なしにわかってはいたが、以前よりも

 予想を遥かに超える勢いで呼吸を合わせた様に連携攻撃しているぞ」

 カーリンの呟きにハインツが答えた

 表情は少し引きつり気味だったが、感心した様な声だ

 今の所、後方のタルコット、ヴァレリーア、テレンス、カルローラは

 一度も魔法や道具を使っていない

 カーリンもハインツも戦闘に参加する前に、あっという

 間に終わっている


 ハインツ一行が採取ポイントまでもう少しと言う所で、再び茂みを

 かき分ける様に魔物が姿を現した

 それは身長2mほどの人型の魔物で、肌の色は緑がかった黒色、全身は

 人間種族の骨格を彷彿させるような硬質な骨で形成されていた

 人間種族に近い頭部から牛のような大きな角が生えている

 ロージアンで棲息するゴブリンだ

 醜悪な貌には大きな口が付いており、そこから言葉とも鳴き声ともつかぬ

 音を汚らしい唾液と共に悪臭を撒き散らしていた

 手には悪質な短剣や剣、粗雑な棍棒や石斧で武装し、ボロ布の様な

 服を身に付けている

 そんな異様な体格のゴブリンが軽く100を超える群れで

 押し寄せてきたのだ



「ゴブリンかよ!」

 カーリンが舌打ちしつつ声を上げた

「気をつけろ!! 数が多い!」

 だが、『魔境』の環境が良いのか、体格が良く筋肉の

 付き方も異常なゴブリンを目の当りにしても、ハインツとカーリン以外の

 メンバーは誰一人慌てる様子もなく、むしろ落ち着いた雰囲気でいた

 そうしている内にもゴブリン達は、ハインツ達を敵と見取った様で

 四方八方から奇怪な声で吠えて一斉に襲い掛かってきた

 しかし、その行動に反応するのが先だったのは前衛の3人、ローザ、カモサワと

 ウルリーカだ

 辺り一面見渡すかぎりゴブリンの中、まっすぐ突進した一匹の虎―――

 つまり虎の着ぐるみのローザは、俊敏な動作で体格から似合わぬ凶悪な重量級の

 打撃を繰り出した


 足元、喉、手首、指・・と狙いを絞って打撃を打ち込み、瞬く間に数匹の

 ゴブリンを倒した。

 その隙を狙って飛びかかってきた数匹を、ローザは身を捻ってかわすと

 横薙ぎの回し蹴りで迎撃した

 鋭く速いその一撃だけで十数匹を巻き込んで吹っ飛ばした

 虎の着ぐるみなためか、それはまるで野獣の如き凄まじい格闘術だ

 全身から殺気を滲ませ、肉食獣特有の鋭い眼光で威圧しつつ閃々と

 牙と爪を振るい薙ぎ倒す光景は、まさしく獲物を屠る肉食獣そのもの

 いや、虎の殺し屋か。

 それでもゴブリンの群れは突き進んでくる様子は、まるで

 個々のゴブリンの抱いた恐怖心を群れの圧力が消し去ったかのようだ

 ローザが地面を蹴る度に足下の草木が弾け飛ぶ



 風の様に疾走し、一気に間合いを詰めると喰うためではなく、ただ

 ひたすらに殺すための拳をゴブリンの頭部に打ち込む

 そのたびに鈍く重い音が響き、頭部が爆ぜ、吹き飛んだ

 ゴブリンの優位を崩すのには充分過ぎる効果があった

 群れ全体の足並みが乱れたその隙を逃さず、電光石火の様に

 飛び込んだのはカモサワとウルリーカの二人だった

 カモサワの大太刀が閃光のような斬撃で、動きを止めずゴブリンを斬り続ける

 振り下ろされた刃は、次々とゴブリンを一刀両断、または斬り裂く

 僅かな予兆を読み取り、回避を成し遂げようとするゴブリンもいる事はいたが、

 避け切れなかった



 カモサワが大太刀を振り下ろすと大気を震わせ、空気が破裂するような音と

 共にゴブリンの肉体が切り裂かれていく

 ガードしたにも関わらず、ゴブリンは防具ごと斬られていく

 一方、 ウルリーカの眼にも止まらぬ速さで縦横無尽に繰り出される

 連撃は数多のゴブリンを斬り刻んでいる

 愛用の大剣を軽々と使いこなし、繰り出す斬撃が大気を揺らすほどの

 威力で放たれていた

 カモサワの剣戟は、相手の動きと間合いを見極めて放つ 最小限の無駄のない

 動作でゴブリンを屠っていく

 明らかに様々な実戦を繰り返して培われた戦い方だった

 一方でウルリーカの剣舞は、一撃一撃が相手は防御か回避の行動を

 取らせるよう仕向けられ、ダイナミックかつスピーディーな剣技を披露し

 一撃必殺の斬撃でゴブリンを葬っていた

 カモサワとウルリーカの連携はまるで呼吸をするかのように

 滑らかかつ息のあったもので、ハインツとカーリンは傍観するだけだった

 後に続くのは、アトリーサとオオシマの2人だった


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