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奇妙な冒険者  連載版  作者: 大介丸
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第117話

 ハインツ達は魔獣や魔物の鳴き声が響く中、依頼票に書いてある

『光の特薬湯』の素材となる華の採取ポイントへ向かう

 警戒しながら慎重に進んでいると、不意にガサガサと大きな

 音を立てて茂みから何かが飛び出してきた

 それは樹木に擬態した魔法植物属のマイティーオークと呼ばれる魔物だ

 顔の部分が人間の女性の形をしており体全体は樹皮で、木の枝が人の

 腕の形に変形して指が五本あった

 その先には鋭い爪が伸び、手には剣と盾を持っている

 この魔物は主に『魔境』深部に生息する魔法植物の魔物の一種だ

 並外れた耐久性とその攻撃力もかなり高い


「さっそくかよ!?」

 カーリンが舌打ちしつつ声を発して素早く反応し、戦闘態勢に入る

「気をつけろよ!!」

 ハインツは、腰に差した剣を抜き放ちつつ油断なく構えた

 マイティーオークは二頭も現れ、同時に襲い掛かってきた

 それにすかさず反応したのは、虎の着ぐるみのローザとカモサワだ

 真っ先に勢い良く向かっていたのはローザだったが、虎の

 着ぐるみのためかそれはまるで獲物に飛び掛かる虎のような突進の仕方だ

 その動きは速度、それも地を這う如く姿勢を低くしたローザは

 マイティーオークの側面から距離を詰めた

 マイティーオークも負けじとばかりに迎撃しようと、迎え撃つ体勢で

 盾を前に突き出し待ち構える

 次の瞬間ローザの身体がぶれたかと思うとマイティーオークが

 構えた盾ごと鋭く蹴り出された脚先によって、胴体部分を

 貫かれ粉砕される

 さらに続けざまに、ローザの両腕が振るわれる

 右の拳がマイティーオークの顔面に打ち込まれ、左のフックが

 マイティーオークの腹に突き刺さる

「はあああッ!!」

 ローザは裂帛の気合いと共に強烈な回し蹴りで、1頭の

 マイティーオークの首から上と下腹部を分断し上半身を消し飛した

 カモサワの方は、大太刀で素早くもう1頭のマイティーオークを

 迎え撃っていた


 大太刀の強撃は集中の極みで、数十数百にも及ぶ連撃を

 繰り出されている

 マイティーオークは、剣と盾で何とか応戦するが防ぐのが

 精一杯だった

 しかし、徐々に押し込まれついにマイティーオークの顔の部分から

 血飛沫が噴き出し、頭部の半分以上が切り落とされた

 そこへ身長の倍はありそうなやや大きめの剣を構えて予め

 詰め寄っていたウルリーカが、横薙ぎの一閃でマイティーオークの胴を

 真っ二つに切り裂いた

 胴体が左右に分かれて崩れ落ちるマイティーオークの後ろでは、カモサワが

 悠然と立っていた


「・・・余裕で倒したぞ?」

 カーリンは改めて、新メンバーの実力を見て唖然とした声を発した

「それもかなり連携できるまで成長してる・・・」

 ハインツも少し震えた声でつぶやく それは自分達のパーティーの

 危なげない勝利に驚いたからではない

 ローザ達が自分より遥か高みの強さを持っている事に戦慄していたからだ

 それも前よりもさらに連携良く強くなっている

 戦力は格段に向上している証でもあるのだが、尋常ではない戦力だ

 戦闘が終わるとすかさず動き出していたのは、ヴァレーアだった

「よし、じゃあ、解体作業をはじめるわよ」

 眼を輝かせたヴァレーアが、マイティーオークの亡骸を調べつつ

 剥ぎ取り作業を始めた

 その様子を見て、タルコットとカルローラがいそいそと近づき手に

 持ったナイフで素材となる部位を切り取っていく

「おいら、『魔石』取ったよー」

 タルコットが嬉しそうに報告した直後、そこに新たな魔物が姿を現した

 その魔物は巨大ムカデのような外見をして全身が黒く、体長は

 5メートルはあるだろうか

 胴体は太く長く、鋭い無数の牙を生やした口が複数ある

 その口からは、赤黒い液体が絶えず流れ落ちていた

 巨大ムカデが俊敏な速度で近づいてこようとしたが

 ―――それは叶わなかった

 なぜなら、巨大ムカデの頭部が地面から突然飛び出してきた

 巨大な槍によって串刺しにされたからだ

 その槍が引き抜かれると同時、巨大ムカデの身体に縦に大きな亀裂が走り、

 左右に分かれて倒れた

 それはアトリーサの『罠土』としての固有技能によるものであった

「その魔物の解体作業しなきゃね」

 ヴァレーアは冷静な言葉で告げた

(なんつーか、本当に新人冒険者とは思えないんだが)

 ハインツはテキパキと解体作業に取り掛かるタルコット達を

 見ながらそう思った

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