第112話
「ロージアン近隣辺境一帯では、この大きさのゴブリンが出没するよ」
ベイセルが淡々とした口調で説明しつつ、ゴブリンの剥製に視線を
向けてそう告げた
その説明を聞いたハインツ達含めた冒険者一同は驚愕の表情を浮かべる
「そのゴブリンは上位種じゃないのか?」
獣人種族の冒険者が徐に挙手し質問を投げかけた
「一見上位種にしか見えないんだが、コレで下位種だ」
ベイセルは首を横に振りつつ言うと、さらにハインツ中心メンバーを
含めた冒険者達は驚愕していた
その反応に小さく溜息をつく
無理もない事だろう
会議室にいるハインツ中心メンバーと300人の冒険者達は多かれ少なかれ、
一般に最下級の魔物と称されるゴブリン討伐の経験はある
それらゴブリンの多くは、いずれも子供並みのサイズと実力で
討伐する事自体はそれほど難しいものではない
1〜2匹であれば何も冒険者でもなく、力自慢の村人でも簡単に倒せる
だが、眼の前にあるゴブリンの剥製は、今まで討伐したことのある
ゴブリンとは別格にしか見えなかった
巣穴のボスや用心棒を務めることも多い上位種と同じ
脅威度にしか思えない
ハインツは上位種の討伐経験こそなかったが、これまでに何度か
上位種と遭遇した経験からそれがすぐに分かった
そのゴブリンの剥製は間違いなく今まで見てきたゴブリンよりも、上位種に
近い存在感を放っていた
「ちびっこ先生、ロージアンではその体格のゴブリンが一般的で、数も多いの?」
エルフ種族の女性冒険者が挙手しつつ質問した
「ちびっこ先生は余計な。 その通りさ
魔境内には、把握は出来ていないが幾つかゴブリンの
集落があると言われている
それらが全てかどうかは分からないが、数は相当多いだろうね
先ほどクロエの姉ちゃんが言っていたけど、その集落が砦化していると
なれば上位種は確実に存在すると思っていい」
ベイセルは苦笑いを浮かべつつ、ゴブリンの剥製に視線を向けてそう答えた
ハインツ達を含めた冒険者達の表情に緊張感が増した




