第103話
討伐に関して『冒険者登録階級関係なし』とは、ありえない話だ
幾ら冒険者の生死は自己責任だとしても、『冒険者登録階級』に
応じで受けられる依頼は決まっている。
少なくとも新米の銅等級冒険者が高難度の魔獣討伐は出来ない・・・
というより受注する事はできない
本人が何が何でも受けると抗議しても『冒険者ギルド』が認めるわけが無い
それは当然の事であり、魔獣や魔物の生態や特性などを詳しく把握し、
魔獣や魔物の特徴や性質、習性、攻撃手段、弱点などを正しく
分析して攻略方法を見つけなければならない
それを理解したうえで、なおかつ実績を積んだ冒険者でなければ
危険過ぎるのだ
銅等級冒険者にとって高難度の依頼を達成すれば昇級に大きく近づき、
その分収入も増える事になり生活水準は向上する
が、その逆の最悪命を落とす可能性が高い
『冒険者ギルド』が規則で、昇給するため必要としている『冒険者等級査定』
もそれなりに意味はある
それは、冒険者ギルドに所属する冒険者の命を守る為の
制度でもあるからだ
エンゲルベルトはその制度を無視すると言っている様なものだ
「さすがにそれはちょっと問題ならないか!?
『ギルドマスター』のおっちゃん?」
ベイセルも、今初めて聞いたためか驚いた表情だ
「この事については、予めご領主様ともご相談して了承を得ている」
エンゲルベルトが口元に笑みを浮かべつつ、ロージアン領主ギルベルトに
視線を向けながら即答で応える
「辺境に暮らす領民たちの暮らし向きが良くなるのならば、それに
越したことは無い
むしろ積極的に取り組ませて貰うつもりだ」
領主の返事は至極当たり前の様に応えた
ハインツ中心メンバーを含めた300人の冒険者達までもが、一斉に
領主の方へと視線を向けた
その言葉を聞いて、皆、信じられないと言った面持ちだった
「辺境地域には辺境地域なりの考えやルールってもんがある
中央諸国の『冒険者ギルド』支部の様に階級により制限したり、昇級に関する
『冒険者等級査定』を厳しいままでは、
辺境では冒険者1人階級昇級させる頃には、ゴブリンが大群化してるぞ?
時間的余裕がない」
エンゲルベルトが、自分の考えを語るように言い切った
「子供の俺が言うのもなんだけどさ、死んだじいさんから
聞いた事あるけど『冒険者階級』にもそれなりに決まりがあるんだろ?
んな無茶な事をすると、後々問題にならないか?」
その事は誰もが懸念しているところだ
「・・・ちびっこ先生が言う通り、少しまずくないですか?
『冒険者ギルド』総本部が知れば、黙ってはいないでしょう
他の支部や国からの横槍もあるんじゃあないでしょうか?」
『サブ・ギルドマスター』アルヴィンが、懸念じみた表情で意見を言う
「そんな横槍をいれる余裕がはたしてあるのか?」
エンゲルベルトが何か意味ありげな表情を浮かべながら言うと、
『サブ・ギルドマスター」アルヴィンは心当たりがあり過ぎるのか、
「・・・無いな」と短く呟く




