第102話
「ちびっこ先生みたいに、食い物だと思って食べなきゃ問題ないよ」
『サブ・ギルドマスター』アルヴィンが、茶化すように口を挟む
「『魔石』なんか食ってねぇよ!? そもそも食えるわけねぇし!!
あと、そのちびっこ先生って言うのはやめろ!」
噛み付くようにベイセルが反論すると、冒険者達の中で
爆笑が起こる
そのやり取りも様子を見ていた少数の冒険者は、やはり場の
空気を和ますかのような意図があってのことかと感じ取っていた
「ちびっこ先生が『魔石』を食べてるのかは、この際は置いといて。
レクチャーを続けてくれ」
『ギルドマスター』エンゲルベルトは、笑いを嚙み殺しつつ促す
「『魔石』を食べる奇人みたいに事を言うなよ、
『ギルドマスター』のおっちゃん・・・
こんな馬鹿馬鹿しい会話を続けていたら時間が幾らあっても足りないから、
さっさとレクチャーを続けるよ
続けて、ロージアンを含めた一帯は季節によって獲れる
素材ががらっと変わる。
理由は、季節で出没する魔物や魔獣の種類が違うからだ
短い春先から夏は、その季節でしか活動しない魔物や
魔獣が活発で獲れる素材も希少で貴重だ
特にその時期でしか姿を見せる事がない魔物や魔獣もいるので、
その情報と特徴を把握しておいて損はない
一方、秋から冬になると逆に寒さや雪に強い魔獣や魔物が
活発に動き始める
そいつらを狩れば、秋から冬時期にしか獲れない素材や肉質が旨い
高級食材が手に入る
それで共通しているのは、春先から夏、秋から冬の季節にはそれぞれ
強個体の魔物や魔獣が現れるということだ」
ベイセルが一通り説明をする
「それについて補足だ
腕に覚えがあるなら、銅等級だろうが遠慮なく掲示板から『討伐依頼書』を
引き剥がして受注しろ
他の『冒険者ギルド』支部では、冒険者登録階級に応じて討伐依頼や
採取依頼などのぐたらん制限を決めている様だがここじゃあそんなもんは
無いからな。
魔獣や魔物の部位は、その質にもよるが売ればそれなりの値段になるし、
肉や内臓、血などは食用や薬の材料として重宝するため
是非とも討伐してほしい」
その後に口を挟んだのは、「冒険者ギルド・ギルドマスター」を
務めているエンゲルベルトだった
口調からは、冗談を言っている様子はなく真剣そのものだ
それを聞いたハインツ中心メンバーを含めて、再びどよめさせた




