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恋(?)の行方〜[デジタルバレンタイン]
「なぁ?ノア、不機嫌じゃないか?」
そういうと弟は呆れた顔をした。
「あのな兄貴。ノアはAIだ。不機嫌になる訳ないだろ。」
しかし俺の勘がそう言っているんだ、間違いない。
「お前と地球から受信したデータを見た後だと思うんだよ。」
それとなくまた確認する。
弟は少し考えながらリストを確かめた。
「いや?ノアに不都合なデータはないが?むしろ小説データが入って喜んでたけどな?」
「ふ~ん?」
でも絶対ノアは不機嫌だ。
小説データが入ったというのも気になる。
「そういや、いつかのラブレターの子はどうしたよ?」
「いや別に俺宛てに書かれた小説な訳じゃ……あ?」
「どうした?」
「いや、その子の話も届いてるなって思ってさ。」
弟はそう言った。
ピンときた。
多分それは、物凄い時差で送った弟の返事小説に対する話だ。
そうか、なるほど……。
「バレンタインの話みたいだ。若い子は楽しそうでいいな。」
無頓着にそう言った弟。
俺はなぜノアが不機嫌なのかわかってしまった。




