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十五

 修学旅行が近付いて来て、皆の口からその話題が増えて来た。そんなある日の休み時間に僕は教室の窓から雲をぼんやりと見ていた。

 雲は海の水が蒸発して空で凍るだか何だかして雲になってやがて雨が降る、そんな話だったな。そうなると島国は海が近いから雲が内陸の国に比べて多かったりするんだろうか? 砂漠が多い国ではもしかして空に雲が無かったりするんだろうか? 雲が無くていつもスカッとした空ではたまに雲が恋しくなったりしないのか?

 美守がいつの間にか僕の横に来て雲を眺めている僕を見ていた。

「あれ? いつからいたの?」

「百年くらい前かな。翔は何考えてたの?」

「え、砂漠の国には雲があるのかなって」

「意味分かんない。先生が修学旅行の話するってさ」

 教室が妙に静かな事に気付き周りを見ると、休み時間は既に終わっていて、呆れている先生を含めクラス中が僕達を見ていた。

「え!? あ、すみません」

「ちなみに旅行は国内だぞ」

 先生の一言にクラス中に笑いが起こった。

 配られた修学旅行のしおりには京都、奈良に行って大阪のテーマパークに行くというスタンダードなプランが書かれていた。一緒に行動する班には……。

「もちろん私が一緒だよ」

「そのみたいだね」

「それに見て」

 美守の他には駿助、角田君、戸田里香ちゃんとある。

「助さん角さんが一緒だって。漢字は違うけど」

「なんと」

 しかも美守と戸田さんを合わせたら『みと』になるじゃないか。何か僕だけ仲間外れみたいだ。

「面白い班になったねこれ」

「翔かわいそう」

 先生達はふざけながら決めたんだろうか? 偶然にしてはよくできていた。

 旅行は来月。楽しみだ。

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