忍び寄る影とヘルン先生の魔法授業
投稿するの遅くなってごめんなさい
今話から2章1部【ホワイトベルク城救援作戦編】です!!!
「海風 敵が一人って本当?」
「ええ 兄さま
私の広域探査術ではそう反応が出ています
もっとも、私の探査に引っかからない特殊なのがいればその限りではありませんが...」
「・・・・例えば?」
「創造神とかですね!」
「海風 俺は優秀な妹を持って幸せだよ」
「兄さま・・・」
海風は感動のあまり紅潮し涙を流しつつ、俺に抱き着いてくる
通常なら「離れろ」と言い離れさせるのだが(それでも離れない場合はヘルンに頼んでブラックホールで
強制的に離れされる)今回は海風が大手柄だったのでそのまま頭をなでる
「ってか冷静に考えて海風の広域探査術すごいな
この世のすべての生き物を探知できるなんて」
「そうですよね 私すごいですよね!
兄さま 私の頭をもっとなでてください!!!」
「はぁ~ なんでうみk」
「ワタル~ アイシクル様よりボクの方が
もっと高性能だよ~」
「え?」
俺の言葉を途中で遮り自分の魔法のいつもとは別人のようなハイテンションで自慢してきたのは
ヘルンだった
「へ、ヘルン どうしたんだ?
さっきまで一度も会話に入らないでブツブツ何か言っていたけど」
「えーっと それはボクの【眷属魔法】の【神級死魔法:死霊広域探査魔法〈ゴースト・オブ・リーン〉】でこの周囲の生物の動き、状態、おおよその感情などを見ていたからなんだ
それで、眷属たちに命令を出すために」
「ああ それで独り言を言っていたのか
それで、海風のより性能が良いとか言っていたけど
どういうことなんだ?」
「そ、そうですよ
ヘルンも目立って兄さまにもっと頼ってもらいたいのは分かりますが
嘘はいけませよ」
俺は海風とヘルンの間の目に見えない火花を感じつつ
ヘルンからの言葉を待つ
「ひ、独り言じゃないもん!!!
・・・・それで性能が良いっていう話ですけど
まず最初にワタルは【眷属魔法】と【魔法】の違い分かりますか?」
「・・・・ ごめん分からない
海風は分かるか?」
「いえ、申し訳ありませんが私も存じ上げていません」
女神の海風ですら分からない事なのか
でも、先代の女神であるヘルンが知っているから
人魔戦争の際に文献や教える人がいなくなったのだろう
「い、いえいえ ワタルやアイシクル様が知らないのは当然の事なので謝らないで下さい
それで、違いなのですけど、まず【魔法】は魔力を精霊に渡してその対価に精霊が魔法を放つ
そして、ボクの使う眷属魔法はその名の通りボクが支配した魔物や魔族を使って索敵をしたり
身代わりをさせたり、生贄して魔法を放ったり、戦わせたり、その他もありますが
眷属魔法の最大の特徴は魔力を使わないことです。」
「え?」「はい?」
俺と海風は同時に声を上げる
特に海風は飲もうをしていた紅茶を持ったまま立ち上がった
「海風 魔力を使わない魔法って存在するのか?」
「え、ええ 一応魔道具を使用したり、あらかじめ魔法陣を書いてあれば使いませんが
それ以外は無いと神界で教わりました
ですから・・・・・・・・」
海風は信じられない物を見たような表情でその後も何か言っていたが
俺には聞き取れなかった
「あの~ 続きを言ってもよろしいですか?」
「え ええ」「ああ すまん」
「・・・・では、ワタルやアイシクル様が疑問に思っている眷属魔法がなぜ魔力を使用しないのか
について教えましょう
眷属魔法は先ほども言った通り主に支配した魔物や魔族を使います
ではなぜ魔力を使わないのか?
理由は眷属魔法が魔法ではないからです」
「え? 魔法じゃないって
ならなぜ眷属魔法なんだ?」
「そうですね 例えるなら何が一番良いでしょうか?」
「支配で言うなら 奴隷紋とかか?」
「そうですね・・・・確かにワタルの言う奴隷紋は眷属魔法の下位互換を
魔道具化し物っぽいので大体あっていますね
ですが、先ほども言った通りこの眷属魔法は魔法ではないのです。
理由は魔力ではなく血を使うからです」
「「血?」」
俺と海風はまたも同時に驚く
だが、海風はその後すぐにハッと思い出し納得していた
「確かヘルンはヴァンパイアでしたよね?」
「ええ アイシクル様
ボクら吸血鬼族は数こそ少ないけれど魔国では三大種族と言われるほど
強い力、強い影響力のある種族、そして、その歴史は古く・・・・」
「あ~ヘルン その話はあとで聞くから」
「そ、そうですか
・・・・と、とにかく我ら吸血鬼族は長い歴史の中で主食の血を用いた血魔法というものを
独自に発明し発展させ、その過程の中で自分の血を下位の魔物、魔族などの血に混ぜ
自分の配下にする・・・・これが【眷属魔法】のすべてです。」
ヘルンはハァハァと海風よりは小さい(それでも普通に大きい)胸を上下させ
吸血鬼なのに喋りすぎで酸欠になったのか顔を真っ青にして若干前かがみに立っていた
そこに一人、手を上げる者がいた
「あの~ ヘルンさん?」
「はい なんで・・・・しょうか?」
ヘルンは海風をの方を向き戦慄した
海風の表情はいつもどうりなのだが、その声・・・・いや声音からは
怒りの感情がとめどなくあふれている
ヘルンもその声音から悟ったのか土下座をする体制に入るがワンテンポ遅かった
ちなみにその感情は荷物をまとめるために少し離れていた俺にも届いていた
「あの先ほど・・・・というかヘルンが仲間になった時から思っていたのですが
吸血鬼族は一日に何回か血を吸わないと生きていけないのですよね?」
「え、ええ
最低でも一日5回は吸わなければ 吸血鬼族は貧血で死んでしまいます
そして・・・・ボクは特殊だから一日に七回血を・・・・」
ヘルンは顔を真っ青にして今にも倒れそうになっていた
その時、俺は悪魔的な考えを思いついてしまった
「ヘルン 顔真っ青だけど大丈夫か?」
「え、あ、あの」
「血いるか?
今ならいくらでも飲んでいいけど」
「ちょっっ ワタル!
本当にやめて お願い
ワタルはボクを殺したいの?」
ヘルンは俺の方をじっと睨み すぐに海風の方へ振り向いたかと思うと
その場にへたり込んだ。
おそらく海風が睨んでいたのだろう
ヘルンよ 強く生きてくれ
「兄さまの血を貰うとはどういうことですか?
もう、羨ま・・・・兄さまの体調に何かあったらどうするのですか?
ヘルン、あなたはこれから絶対に血を吸わない事
良いですね?」
「え、いや、あの
そんなことしたらボク死んでしま」
「良いですね? ヘルン」
「ふぇ ふぁはい」
ヘルンは涙ながらに頷いてしまった
ヘルンにはこの拠点に来て、仲間になったその日に毎日6,7回血を吸わせてほしいと
お願いされていた
俺も最初は若干の抵抗があったが、思いのほか痛くないし
終わったらすぐに治癒魔法?で治してくれる
しかも、嬉しいことに血を吸う見返りに毎回、キスと膝枕をしてくれるのだ
こんな嬉しいことはないだろう(海風ならお願いしなくてもむこうから強引にしてきます)
「まぁまぁ海風もそこらへんにしてやってくれ
俺の体調は大丈夫だし、俺が血を与えないとヘルンが死んでしまう」
「それは・・・・分かりました
でも、ヘルンさすがに一日七回は多すぎます
せめて二回にしなさい」
「ふぇ~ 無理ですよ」
その後も二人の会話(喧嘩?)は続いていた
この瞬間にもある辺境伯家の騎士団長が迫ってきているとは知らずに....
どうも こんにちは 2章に入ってもうすぐ出てくるホワイツ=フォン=ソフィアです!!!
春休みも、もうすぐ終わりですね
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