【サイドストーリー6】 ラーモンドの処遇
少し長めです
評価お願いします
はあああああ どうすれば良いんだ!
先ほどハンスが一人でルーズ王国三大ダンジョン【氷神の山脈】に入っていったという報告が
入った。
俺の命令ではあと三日後だったんだが、気を利かせて今からやってくれたのだろう
正直、レイビスを連れて帰ってくることが一番嬉しいのだが
それ以上にハンスが無事に帰ってきてくれる方が嬉しい
今回の問題はこの俺 アルス家の当主ラーモンドが悪いのであって
ハンスは何一つ悪くない
ただ、アルス家に仕えているだけ ただ、アルス家で騎士団長を務めているだけなのだ
そんなハンスが俺の命で難関ダンジョンに潜り 魔物に襲われ落命となれば
数年前に死んだハンスの親父になんと言えば良いのだ
それと正直言えば ハンスにはこれから楽しい生活を送ってほしい
俺が言えた義理ではないが、ハンスはレイビスに本気で好きだったと思う
別に恋とか愛とかではないと思うが親友、あるいは幼馴染のような間柄だったと思う
だからもし、仮にレイビスを見つけたなら俺の所に連れてこず
そのままレイビスと行動を共にしてこの領を出て行き、冒険するなり商売を始めるなり
してくれた方が良いと思う・・・・いや、すべきだと思う
まぁそうなりゃ我がアルス家は 俺は、俺の家族には残酷な結末が待っていると思うが
それも因果応報、自業自得よ
「フフッ ハハハ さぁ王様御一行をもてなそうではないか
そして、華々しく 汚く死のうではないか
・・・・まぁ出来れば死ぬのは俺だけで良い 家族はせめて命だけは取らないでいただきたいと
助命嘆願でもしようか」
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数日後
「国王 レイル=フォン=ルーズ様 ご到着~」
アルス領に入る城門の前で騎士の一人が声高らかに叫んでいた
「しょ、承知しました。 開門せよ開門せよ!」
ゴゴゴゴゴと重厚感ある音を鳴らし
高さ7メートル 横10メートルの巨大な木製の門が開いた
俺はその瞬間を門の内側でレイル王をもてなすように待っていた
不思議と怖い、悲しい、逃げたいなんて気持ちは無い
ただ今は、少しでも家族に掛かる負担を減らしたい、少しでも部下に掛かる負担を減らしたい
そんな気持ちしかない
ハハハ 悪役が言う言葉じゃないよな
でも、今ぐらい許してくれ もうすぐ俺は死ぬんだしな
「遠路はるばるアルス領へレイル陛下自らお越しくださり誠にありがとうございます
この度h」
「おお! ラーモンド殿ではないか
余は会えて嬉しいぞ! 」
「・・・・は、はは
私もレイル陛下に会えて至極にございます」
俺は片膝を着き 王に向け忠誠の儀を行った
少しでもレイル陛下の機嫌を良くして刑を軽くして貰わないといけない
もちろん機嫌が良くなることでそこまで刑が軽くなるとは思わない
だが、少しでも、ほんの1ミリでも軽くして貰わなければ
せめて、家族と部下だけは情けを掛けていただきたい
その気持ちで俺は頭を下げた
「して・・・・ラーモンド殿」
「は、はい」
背中に冷たい汗が流れてくる
これが冷や汗というものなんだろうか?
怖い、怖い もう次の言葉を聞きたくない
「レイビス殿はどこかな?
見たところここにはいないようです・・・・」
「あぁ そうなんですよ
朝、連れてこようと思ったのですが、恥ずかしいやら、外に出たくないやら言いまして
家に置いてきています
・・・・もし、良ければ今から連れてきますが、いかがいたしましょうか?」
やばい、とっさにレイル陛下の言葉を遮って話してしまった
しかも、嘘を言ってしまった
・・・・でも、もう良いよな
後、数分か数日かの命だ 少しでも長く使おう
レイル陛下は一瞬驚いていたが、すぐに優しい顔に戻った
「そうでございましたか
まぁ、子供というのはそいうものですよ。
でも、勇者様も同じなんて、人間みんな一緒なんですね」
「ハハハ そうですね」
「あ、勇者様の所まで行きますよ
さすがに魔王を討伐いてくださる勇者様に来ていただくなど無礼です
余の方から向かわさせていただきます。」
「い、いえ そんな」
「いえいえ 良いのですよ
もし、そんなことをして逆に機嫌を損ねてしまいましたらそっちの方が問題ですから
余が少し苦労するだけで世界が救われるならそれ以上のものはない」
そう言いレイル陛下は馬車に乗り込む
俺も後を追いアルス家の馬車に乗り込んだ
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アルス領に入り、領都アレスを通り、我が城へと着くには約4時間掛かる
俺はその間にハンスがレイビスを連れてくる事を心のどこかで期待していた
正直、ハンスに「レイビスを探して俺の所に戻らずにそのまま一緒に過ごしても良い」と
言った手前、あまり言いたくないのだが出来れば連れ戻ってきてほしい
もちろん、矛盾していることなんか俺が一番分かっている
その上で言っているのだ
だから、だから、出来れば・・・・・・・・戻ってきてほしい・・・・レイビス・・・・
「ラーモンド殿 ラーモンド殿 起きてくだされ
アルス城に着きましたぞ」
「・・・・!!!
これはレイル陛下 お見苦しいところを見せてしまい申し訳ございません」
・・・・やばい 緊張のせいか寝てしまった
ってかこの4時間、ずっと寝てたということはハンスからの報告はなかったのだな
見つからなかったのか、見つけて一緒に行ったのか・・・・分からぬが出来れば後者のほうで
あってほしい・・・・・・・・
「いや、良いんだ
それより、遅くなったが突きてしまい申し訳ない
おそらく準備も大急ぎでしたのだろう
ラーモンド殿済まぬがそちのメイドや騎士によろしく言っておいてくれ」
「ははっ 承知しました」
そして、城門にいた兵士が門を開ける
レイル陛下一行、アルス家の順番で入っていく
我が城は平山城だ 一歩、一歩と石畳で整備された道を登っていく
そこまで急ではない むしろ緩すぎるだろう
カツ カツ カツ 馬が馬車を連れて一歩ずつ登っていく
俺にはその足音が地獄への迎えの狂騒曲にしか聞こえなかった
「さて、ラーモンド殿 着きましたな
出来ればさっそく連れてきてほしいのだが 頼めるかのう?」
「はっ 少ししたら戻ってきます」
「頼んだぞ」
俺は屋敷に戻った
俺はとりあえず 家族を集めた
理由は最期に会っておきたかったからだ
もしかしたら家族全員 激高したレイル陛下によってすぐにあの世にいくかもしれない
だが、どちらにしろ俺は死ぬのだ
その場で殺されるか 王都で見物客の前で処刑されるか どちらかのこと
「みんな 最期にありがとう
そして、ごめんな 俺のせいで」
「いいのよ 私もあなたの賛同したのだから同罪よ」
「「・・・・・・・・」」
「大丈夫だ 一応俺以外の助命嘆願はしてみるつもりだ
もしかしたらそれでも無理かもしれないがその際は死に物狂いで逃げてくれ
無理だったら・・・・・・・・知らん」
「ふふふ」
「「・・・・」」
「じゃあな みんな」
俺は屋敷を出てレイル陛下のもとへ向かった
俺は少しでも生きる時間を伸ばそうとレイル陛下に従い
レイビスを連れてくる役を務めたが
当然、いないのだから行きも手ぶら 帰りも手ぶらだ
そんな俺をみてレイル陛下含め その配下はざわついていた
「ラーモンド殿 勇者様は?」
「すみません 私の勝手な都合・・・・いや欲望で追放しました」
「「「は?」」」
みんな固まっている そりゃそうだよな
俺はここまで陛下を来させた挙句、それが嘘だったんだ
もしかしたらこの瞬間に切り殺されているかもしれないな
「ラーモンド殿 それはどういう
面白くない冗談ですぞ」
「冗談ではありません陛下
本当です 私がレイビスを追放しましたのでこの場にはいません
今、部下に創作させていますが、今現在見つかったという報告はありません」
「・・・・ラーモンド殿 自分が何をしたのか分かっているのか?
貴様は人類の頼みの綱である勇者を追放したのだぞ
これでもし・・・・いや確定か 勇者のご気分を害して助けて下さらない
・・・・いや 敵側にでもついてしまったら
もう、人類滅亡待ったなしですよ」
「はい 分かっています
私はどのような罰も受けます なんならこの瞬間に首を切り落としても良いです
ですが、家族と部下だけはご容赦を」
「なんだとこやつ 陛下の面子を潰しておいて助命嘆願だと
何を考えてやがる」
「こんな奴殺せ」
「殺せ」 「殺せ」 「殺せ」
周りからそんな声が聞こえる
だが、当然だ
俺のせいで勇者が逃げてしまったのだからな
「静まれ アルス=ラーモンド
お前に早速だが処遇を伝える」
あぁ 俺は処刑か
まぁ様子なら家族や部下までの命は取らないだろう
後、もう一つ思い残しがあるのならレイビスに謝って
ハンスをを仲間に加えてもらえるよう言いたいのだが・・・・その辺ハンスなら自分でもやれるか
「アルス=ラーモンド お前の処遇は
3年以内にレイビスを見つけることだ もしこれを成し遂げられなかった場合
処刑といたす」
「・・・・はい?」
「お前を殺しても意味が無い
勇者を見つけてもらえねば人類は勝てない 滅亡してしまう
お前の処刑はそれからでも十分だ
・・・・分かったなら今すぐ 探してこい」
「はっ 」
俺はよくわからないが、処刑は免れた?
おそらく、俺にレイビスと謝る機会をくれたのだろう
俺は、絶対に見つける 絶対に
そして、見つけたら今回の事件の責任を取って死ぬ
だから、絶対に・・・・・・・・
はい! どうもこんにちは!! ソフィアです!
もう少ししたら私が登場します
そいて、ワタルさんとのラブラブ生活が始まります(ウフフ)
ってか思ったのですが読者の皆様はどのキャラクターが好きなのでしょうか?
とても気になるますので出来れば感想(コメント欄に書いてください(ログインしなくても書けます
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by ホワイツ=フォン=ソフィア公爵令嬢




