表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編小説集  作者: 加工豚(かこうとん)
6/6

第6話 仮


このお話は未完成です。

内容が変化して、尺も延びていきます。

ご了承下さい(-人-)



母猫が子猫に優しく呼び掛ける声が聞こえてきて、視線をそちらに巡らせた僕の視界に、子猫がトタトタと覚束無(おぼつかな)い足取りで三匹出てきて、尻尾を立てて母猫にすりより、甘えた声で鳴いている光景が見えた。こんな世界になって仕舞(しま)っても、動物達の世界は見ていて和むのだが、今現在(いまげんざい)目下僕(もっかぼく)はそれなりに必死で逃走している身分である。


この世界は今、老人ホームの空き枠が無くなっている問題と似たように、今度は地獄の空き部屋が無くなって仕舞(しま)って、代わりに生者の世界に新しい(わく)を作り始めたのだろうか、理由は判然(はんぜん)とは判らぬが、()(かく)も、世界中で死者の群れが闊歩(かっぽ)しており、死者達が生者を見ると恨めしいのか何なのか、執拗(しつよう)に追ってきては、生者の抵抗が尽きたところを(むさぼ)()っている。そんな世界になって仕舞(しま)った。


弱肉強食(じゃくにくきょうしょく)…とはまた違う社会。強者が弱者を喰うのではなくて、勿論(もちろん)と、そんなパターンもあるのでは有るが…それは生き残った人類達の数少ないそれであって、今現在に()いて主流を占めて仕舞(しま)っているこの現象は、逆に、弱者が群れて強者を間断(かんだん)なく(おそ)い続けて喰らっている。そんな地獄になっている。


強者・弱者の定義にも色々な判断基準は有るのだろうし、この例えが適当かどうかは判らない。他の、僕よりかはよっぽどに分別(ぶんべつ)(まさ)った人間が僕のこの考えを聞いたところでどの(よう)に判断するのだろうか?


まぁ、そんな『他人』が今、僕の周囲には全くと言って良い程に存在しておらずに、僕はもぅ数日間もずっと身を(ひそ)ませて僕以外の生存者とは全く誰とも遭遇(そうぐう)せずに、人類達が遺した『真新(まあたら)しい遺構(いこう)』とも形容すべき荒廃(こうはい)し始めたばかりの、少しだけ前の時間では人間が当然としてこの世の主人の(ごと)くに()()う事が出来ていた、そんな文明社会に僕も身を置いて居たのではあるが、それ()(すで)(かつ)てとなってしまっているこの場所で、奴等(やつら)の気配を探り身を隠しながら、走者(ランナー)投手(ピッチャー)(すき)目敏(めざと)く見て盗塁(スティール)するみたいにして、影から影へと、壁から壁へと、掩体(えんたい)を色々と変えながら移動を繰り返して、真新しい遺構(いこう)の数々…それはコンビニの(あと)であったり、スーパーの(あと)であったり、大型商業施設(おおがたしょうぎょうしせつ)の跡であったりするのであるが、そんなオブジェクトを見出(みいだ)しては、日持ちする缶詰(かんづ)め等の食料品やなにかを探して集めて、また、影から影へと、壁から壁へと、掩体(えんたい)を利用して奴等(やつら)から姿を(くら)まし続けて暮らしている日々だ。


つまりは、平たく言って仕舞(しま)えば、この世界がゾンビパニックみたいな感じになっている。と言う次第(しだい)だ。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ