4/4
思考がフル回転
殴ってしまったのは運悪く、あっちのなっちゃん__夏樹だった。
[お前スゲー力。]
[あ...]
しまった。また高校でも一人になるんだ…。
怖いよ…
[空手でもやってみたらいいのに。]
[ええ??]
予想外の展開。
[ウソウソ。冗談だって。]
[大丈夫?ごめんなさい。]
[いいって。]
[えーっと西内さんだっけ?さっきは俺もふざけてた。ごめんな。]
そう言うとなっちゃんは自分の赤くなった頬をさすりながら
[これじゃあお嫁さんになれないわ!]
とふざけていた。
どうしてそんなに明るいんだろう。根は優しいのかな?
...いやいや、違う。男友達なんて作りたくもない。みんな真っ黒な心の持ち主。
思考がグルグルと回転する。頭がパンクしそうだ。
[はーーーい!!!北川ナツコ歌いまぁーす!]
[バカヤロ!!歌下手くそなのに歌うなよー。]
教壇の上に立ってまたバカなことをしている夏樹はこっちを見て
[さっきのこと、先生にいうなよ!]
とそっと人差し指を口にあてた。