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眠れる女王と常冬の国  作者: 調彩雨
序章 問題提起
1/8

冬の童話祭2017の期限に間に合わなかったのですが

「季節廻る国の童話」のネタを使ってしまったので

お蔵入りにしない為

企画が温かいうちに投稿して弔います


期限内完結が出来なかったため

開き直って童話縛りをやめました

なにか問題があれば消します

 

 

 

「……今日も、雪」


 小さな窓から外をながめて、魔女はため息をつきました。


 ここは、春の城。

 春の女王が、塔に入らない夏から冬のあいだ暮らすお城です。

 うす桃色のレンガで造られ、本当ならばいつでも春の花に囲まれた常春のお城。けれど今はお城の中庭まで雪が積もって、一輪の花ですら咲いていません。


 しばらくのあいだ、色をなくした庭に冷たく降り続く雪を悲しげに見つめてから、魔女は部屋のなかへと振り向きました。


「いつまで、眠っているつもりですか?」


 静かな問いかけに、答えるひとはいません。


 魔女が見つめる先にあるのは、大きな天蓋付きの寝台です。大人が何人も眠れそうな寝台では、小さな女の子がぐっすりと眠っていました。


 彼女こそがこのお城の主。この国に春を呼ぶ、春の女王さまです。

 彼女が本来の姿を失い、眠り続けるようになってからもう二年も経ちましたが、春の女王が目を覚ます気配は少しもありません。


 交代の相手がいなくなってしまった冬の女王は季節の塔を出ることができず、季節はずうっと冬のまま。厚く空をおおう雲からは、絶え間なく雪が降り続きます。


 春の女王が眠り始めたときはまだ花で溢れていたこのお城も、とうとう一輪すら花が咲かなくなってしまいました。

 お城の外の草木も、寒さと雪に、日差しをさえぎる厚い雲でどんどん弱ってしまっています。


「このままでは、この国が滅びてしまいますよ?」


 だから早く目を覚まして下さいと、魔女は眠ったままの女王に言いました。けれど深い眠りに閉じ込められた女王に、魔女のお願いは届きません。


「……季節の塔に、行って来ますね」


 しんと静まり返ったお城のなかで、魔女の声だけがさみしく響きました。




 四季の国と呼ばれるこの国には、ひとりの王さまと、四人の女王さま、それに、魔女と魔法使いがひとりずついます。国王が治め、女王たちが回し、魔女が支え、魔法使いが監視します。ずっと、ずうっとそうやって、七人で協力して国を栄えさせて来ました。


 民をまとめ、まつりごとを行う、国王さま。

 春を呼び、誕生をつかさどる、春の女王さま。

 夏を招き、成長を司る、夏の女王さま。

 秋をともない、交代を司る、秋の女王さま。

 冬に寄り添い、死を司る、冬の女王さま。

 あまたの知恵を手にし、助言と手助けをする、魔女。

 すべてを見通し、法と秩序を司る、魔法使い。


 それぞれみな民から愛されていましたが、なかでもすべてのものの始まりである誕生を司る春の女王は、とりわけみなから愛されていました。


 そんな平和が崩れたのは、ある年の秋のこと。

 魔法使いが国王に反発し、姿を隠してしまったのです。国王はあわててお城の兵に魔法使いを捜させましたが、誰ひとりとして、魔法使いを見つけられたものはいませんでした。


 皆が不安に染まりつつも季節はめぐり、翌年の冬の終わり。

 季節の塔を訪れるはずの春の女王が姿を見せず、終わらない冬が始まりました。春の女王が大人の姿を失い、子供のまま眠りに落ちてしまったためでした。春の女王が来ない限り、冬の女王は季節の塔を出ることが出来ません。


 季節の塔は、時間を動かす塔。女王たちは季節の塔にいるあいだ、一日も休まず時間を動かし続けます。女王が仕事を休んでしまうと、国中のときが止まり、昼も夜も来なくなってしまうのです。


 国王は魔女に春の女王を起こしてくれるよう頼み、冬の女王は魔女と春の女王を信じて待ち続けました。しかし、それから二年たっても、春の女王が目を覚ますことはありませんでした。なぜ、春の女王が眠り続けているのか、魔女ですらわからなかったのです。


 終わらない冬は国中を凍えさせ、厚く立ち込める雲や降り続く雪は国から植物の姿を消して行きます。休む間もなく働き続ける冬の女王はだんだんとやつれ、終わらない冬に困り果てた民は次第に冬の女王を怨むようになってしまいました。


 途方に暮れた国王は、国中にお触れを出しました。


 春の女王を目覚めさせ、冬の女王と春の女王を交代させたものには、褒美を取らせよう。ただし決して、二人の女王を傷付けてはならない、と。


 たくさんのひとが知恵をしぼり、春の女王を起こそうと努力しましたが、いまだ誰ひとりとして、春の女王を目覚めさせられたものはいません。魔女も諦めることなく万策を尽くしましたが、やはり春の女王を起こすことは出来ませんでした。


 このままでは、国が滅びてしまう。

 状況を憂いた国王は、ついに周りの国に助けを求めました。


 国王が助けを求めて上げた声はたちまち広まり、四季の国の危機は、遠く離れたとある国の、賢者さまの耳にまで届きました。

 

 

 

拙いお話をお読み頂きありがとうございます


童話縛りを吹っ切って気付くこと

わたしに書けるのは童話風が精一杯です…っ (ノД`)

易しい言葉だけで頭の中身を書き出せるほど

日本語に秀でていません

童話作家さんってすごいですね……( ´-ω-`)


続きも読んで頂けると嬉しいです

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