其ノ弓
*
うっわ、草古先生可哀相だな。そりゃそうか、あんな奴の担任、まぁつまり俺らの担任任されてるんだもんな…。
そんなこんなで放課後になっちまった。俺はあの女のせいで英語を数学だと勘違いして、小テストの補習ひっかかったんだよな(どーん☆
「あー、くそっ!しかも何で俺一人なんだよ!!」
「ワシもおるわい!」
…あ、草古先生居たんだ。こんなキャラだっけか?つか、やべー、気付かなかったよ。この先生、まさか
「幽霊!?」
「んなワケあるかぁ!」
――ガラッ
「たぁーのもぉおっう!先生、なかなか良いツッコミだね。
けどね、陽聖はボケじゃなくてツッコミに育てる予定なのよ!
だから、ツッコミの勉強するんじゃないのなら隅っこで蟻さんと遊んどいてね」
「先生いじめんなよ!?」
うわ、先生固まってるし。ていうか、実は緋緒が叫びながら入って来た瞬間から固まってプルプルしてたけど、なんで緋緒は気付かねーんだろ…。
「あ、陽聖さんよ!地球の割り方について説明するよー。
ちゃあんと黒板見といてねウハハンハン!☆」
うっお、先生からチョーク引ったくって、黒板に色々書き始めた。
悪意がないから、たちが悪いんだよなー…。
「って、わかんねぇわかんねぇよ!なんだよその記号の羅列は!」
「だからねー、重力がこんな感じで引き付けてるから衝撃はこれくらい必要で。ちなみにドーンって感じじゃなくて、グヮバッキンバム宮殿だぁ☆みたいな感じで想像してもらえれば良いから!んでからー…」
やべぇ、ここに変態な天才が降臨(ふるりんじゃないよ、こうりんだよ!)してしまったよ。
後光が見える、その光が草古先生に反射して更に輝きを増し…
「草っ古せっんせー!?」
「なんまいじゃー、なんまいじゃー…ん?何じや近衛くん。ワシは今、神に祈っとんじゃ。邪魔せんでくれるかな!?(くわっ」
「ボケに転向したぁあ!?☆
駄目ですよ先生、老人がボケになったらそこで人生は終了、じ☆えんどですよ!」
ちなみに草古先生が祈っていたのは緋緒だ。見分けがつかないって…本格的にボケか?
んで、俺らのことなんかほっぽったまま、緋緒は式と図を書き連ねている。
すげーなコイツ、本当に神が降臨してる、または前世が神とかじゃ…
「うふふー、これで地球の生死は私の手っのなっかにぃいー!♪」
いや、悪魔だな、うん。