第七十六話 再び神社へ
ストックきれました・・・書きためます。というか最終章ですね、かなりコンパクトな感じになってあとは後日談という感じになりそうです。
「まさか団長があそこまで強いとはねー。松本さんのおかげでなんとか勝てたけど。」
「石田君が瀬田さんを抑えておいてくれなかったら勝てなかったよ。冴凪さんの魔法もすごかったしね。」
「とか言っちゃって全部避けてたくせにさ~。」
確かに松本さんは最初の以外全部回避していた。射出して攻撃するタイプのは避けれると思うが座標設定して発動するタイプのも避けれるんだろうか。あ、そもそも座標指定が追いつかないのか。
「まぁいい勝負だったな。また機会があればその時こそは。」
「俺は全然スピードに対応できてませんでしたが。」
「グレートインパクト使ってたら開幕で終わってたんじゃないかい?」
さすがは神、俺のスキルをよく把握している。いつの間に湧いたんだよ。
「松本さん、そろそろ初詣っていう本来の目的を果たさなきゃね。」
一応言っておくがすでに手水舎で穢れを落とすという神社にきたならばしなければいけないことはしてある。
あとは無病息災を願うだけだな。あー、でも本当に無病息災でいいのか?色々願うことあるだろ。
「そうだね。何をお願いするかもう決めた?」
「いや、混乱してる。」
「確かに、色々とあるもんね。」
「うん、どれをお願いしようか迷ってる。」
「別に選ぶ必要なんてないんじゃない?全部まとめちゃいなよ。」
「それもそうだね。」
とは言ったものの・・・全部まとめる?世界がもとに戻るように、健康でいられるように、松本さんとずっとこうして過ごせるように、松本さんが幸せでいられるように色々と願いたいことはあるんだが。
「よし、決まった。」
「そっか、じゃあ行こう。」
二礼二拍手一礼をし、祈る。
「石田君は何てお願いした?」
「松本さんが幸せでいられますようにって。」
結局なぜこういう願いで落ちついたのか。世界がもとに戻る→松本さんは幸せ、健康でいられる→きっと松本さんも幸せなはず、松本さんとずっとこうして過ごせるように→た、多分松本さんも幸せなはず、結局松本さんが幸せでいられますようにでよくないか?という考えだ。ちなみにこの矢印、ひっくり返すと本当にそうか微妙になる。
「偶然だね、私も石田君が幸せでいられますようにってお願いしたんだ。色々考えてまとめたらこうなっちゃった。」
「それは嬉しいな。でもこれってお互いに自分の幸せ祈ってもよかったよね。」
笑いながら俺は言う。
「相手に祈ってもらうからいいんでしょ?」
しかめっつらで松本さんは言う。
「そうだ!久しぶりにあの神社に行ってみない?」
「あの神社・・・ああ、あのドラゴンの?」
「そうそう、あそこだよ。」
なつかしいなぁ。あれからどれくらい経つんだろうか。俺も強くなったな。成長したかは別として。
「九郎に乗っていこうか。」
「うん。」
「ってことで、九郎よろしく。」
「承りました。」
それから約1時間後、無事に神社に到着した。えーっと・・・1時間しかかかってないってこと?九郎速いな。
「あれ見て。」
「お、ドラゴンだねぇ。懐かしく感じるよ。」
以前戦ったものよりは遥かに大きくなったドラゴンがそこにいた。
「戦ってみる?ドラゴンもちょっとは強くなってるだろうし。」
「そうだね。常闇の衣」
「サジタリウススコール」
「ショックブレード」
なんとこの2発で終了。...やっぱり強くなってるんだな。
「ちょっと歩かない?」
「うん!」
元気いっぱいに承諾してもらえた。
「久しぶりに来たよね。俺たちの学校だってあるっていうのに久しぶりなんて変だと思うんだ。」
「確かにね。そういえば私って生徒会長だったよね。」
「すっかり忘れてた。凄腕の弓使いってイメージで固まってるからね。」
「石田君から見た私ってそんなに可愛げがないのかな?」
微笑みながらそんなことを言ってくる。
「いやいや、可愛げで溢れてるよ。」
「ありがとう。実はそんな風に言われるの初めてなんだ。」
「周りの男は見る目なかったんだね。」
「イタリア式の口説き文句?」
「それは『今頃神の国は憂いているだろうな。君という天使を失って』みたいなやつでしょ?松本さんの二つ名は天使だったしぴったりだね。」
「それだね、イタリア式。今の状況が落ち着いたら普通に暮らせるのかな。」
「俺はこのままでもいいけどね。漆黒障壁が便利すぎる。」
「石田君はあれでクッションとかソファーも作れるんだよね・・・。」
「そうそう。意外と座り心地もいいからね。でもまぁ元の世界に戻ってくれた方がいいね。こんなモンスターだらけの場所でデートだなんてイチャイチャできないし。」
「イチャイチャって。遊園地とか水族館とか一緒に行ってみたいな。」
「絶対に行こうよ。」
「そうだね。」
喋りながら境内を歩き、帰りはちょっと京都や奈良なんかを観光してから帰った。途中で「寒いね」なんて言って手を繋ぐのも忘れなかった。