第七十三話 模擬戦後の雑談
7対500という勝ち目のなさそうな試合にあっさりと勝利した俺たちは元いた部屋に戻って喋っていた。
「みんな本当にすごいですよねー。」
「俺は美月ちゃんが地味に恐ろしいと思うんだが。」
俺も春川さんに同意だ。
「遥のユニークって結局何だったんだ?」
「自己強化だね。5分間だけステータスを越えた動きをすることができるようになるんだ。強化の度合いは使用者の意志の強さに依存するらしいんだよね。限界なさそうだよねー。」
「意志の強さとはまた微妙だなぁ。折れちゃったら使えないスキルかよ。」
「いやいや折れないしね。」
「じゃあ瀬田さんのユニークって何ですか?」
「修羅解放っていって攻撃力とすばやさのステータスを10倍にする。慣れるのに時間がかかったよ。」
「10倍っていうと凄い違いですよね。それじゃあ慣れるのに時間かかって当然ですよ。」
と、松本さん。
「まぁ俺の形態変化でもそれなりに厳しいからね。そういえば冷静に考えてみると最終形態では攻撃力が約10倍になってるんだなぁ。」
「お兄ちゃんも大概おかしいよ。お兄ちゃんの固有能力も知らないよ?」
「能力開花っていうやつなんだけど習得時に覚えていたスキルを上位変化させるっていうスキルだったよ。もう使えないけど。」
「1回だけ発動するってことか。そんなものがあるなんてなぁ。そもそもアキのスキルはやばかったよな。」
「まぁな。ステータス上昇率が半端じゃなくなってるよ。しかもバ火力だったのに使いにくかったメテオストームも衝撃波の発生のみになって使いやすくなったからな。レイドにおいて最強だと思う。」
「石田君、それはレイドにおかなくても最強だと思うよ。」
「というかここに集まってるみんなのユニークって異常な強さなんだよね。」
「みんな異常ってそれは言いすぎなんじゃないの神様ー?」
今日はみかんを持っているにぃなさん。
「いやいやステータス強化で10倍ってのも異常だしスキルの上位変化とか多重詠唱とか色々ひどいよー。普通は全ステータス1.5倍程度だよ?」
「それって冥府の鎖と大差ないじゃん。」
「だからおかしいって言ってるんだよ。誠一君の全能なんて最高のステータスに全ステータス揃えるって効果だからね?」
「それ俺欲しかったわ。」
「アキト君がとってたら全ステータス∞だね。もう1人で地球壊せるんじゃないかい?∞個の流星がぶつかった衝撃波とかどうなるんだよ・・・。」
「アキって理不尽な強さだよな。火力高いし攻撃通らんし魔法通らん。レベル差あるから嫉妬も効かないって攻略法が見つからんよ。」
そう言われてみると自分の攻略法は思いつかない。グレートインパクトで吹っ飛ばすくらいだな。最終的に原罪でどれを引くかにかかっていると思う。
「そう言う迅はどうなんだ?」
「俺はガード特化だしお前ほどではないぞ。」
「ジャストカウンターのスキル持ってるのは迅君だけだからね?他はやっと2割くらいダメージキャンセラーが成功するようになってきたところだから。」
「まぁ迅は昔から何でもできるしな。」
「そういうお前こそ昔から本気でやりこんだ時はすごいだろ。」
「俺は松本さんの破格の強さが本当に恐ろしいんだが?」
「確かになー。装備の性能もあるだろうけど強すぎんだよね。エンジェリックハートの移動速度上昇とか傾城の一矢とか必殺技みたいなのも持ちつつ汎用性の高いスキルもたくさんだからな。貢献度だと圧倒的に松本さん。そして試練のときの天使さんを圧倒してたあれはすごかった。」
「2人とも強いくせに。私は大したことないからねー。」
「うーん・・・強いて言えばみんな異常なんだよ。」
「「結局はそこか。」」
戦闘能力について語りだすと止まらないと思う。