第六十九話 クリスマス会
ついに迎えたクリスマス、俺たちは北風の騎士団本部の1室に集まっていた。メンバーは松本さん、迅、遥、澪、誠一、にぃなさん、セレンさん、神、俺だ。
「じゃっじゃーん!神の七つ道具『神の宴セット』~!!」
久しぶりにこれ見たなぁ。
「さぁさぁ始めましょ。みんなプレゼントの用意はいいかしら?」
「どうやってプレゼントを振り分ける?」
「みんなのプレゼントに番号振ってくじ引きね。」
松本さんが1、迅が2、遥が3、澪が4、誠一が5、にぃなさんが6、俺が7だ。1番欲しいな。
「とりあえずくじ引きは最後にして料理を食べないかい?お楽しみはとっておこう。」
「メリークリスマ~ス!いっただっきま~す。」
遥のテンションの高い声で食事が始まった。
「石田君この七面鳥おいしいね。」
「うんうん、こんなにおいしい七面鳥初めて食べたよ。」
「にゃんすけ君七面鳥食べたことあったの?私はないんだけど。」
「お兄ちゃんも食べたことないと思うんだけど?」
「へへっ、バレたか。」
「このポテトサラダもうまいぞ。」
「ベジタリアンかよ。」
「迅はベジタリアンだな。植物系のレア泥ゲットすると大歓喜してるもんな。」
普段パーティーを組んでる誠一は迅のベジタリアンな面を知っていたようだ。俺でも知らなかったぞ。
「今度サラダいっぱい作ってきますねっ!」
「ん?ど、どうも。」
このセレンさんという天使は迅のことが好きなんだろうか。分かりやすいんだがまさか一目惚れってやつか?
「そういやアキト君の周りって女子ばっかだよね。」
「あー、言われてみるとそうだよな。」
「そうだよなっていうか今まで認識してなかったのかい?」
「妹に同級生にゲームのフレンドと元カノだぞ?別に意識するようなもんでもないんじゃなかろうか。」
「いやー、ラノベ1冊は書けるくらいのボリュームはあると思うよ。」
「それは大袈裟だろ。実際そんなんじゃないしな。」
松本さんは例外というか何というか好きなんだが。
「ねぇ、今思ってること言っていいかい?」
「それだけはやめてくれよ。」
「よかろう。」
「さぁて、そろそろプレゼント交換をしましょう!」
澪が言った。
「「いっいぇーい!」」
遥・・・は、まぁいい。にぃなさんはテンション高過ぎだろう。
みんな順番にくじを引いていく。松本さんは4、迅が7、遥が5、澪が1、誠一が3、にぃなさんが2、俺が6を引いた。なるほどにぃなさんのプレゼントか。
「わぁ、手袋だぁ。あったかくていいねこれ。」
どうやら澪は手作りの手袋をプレゼントにしていたようだ。松本さんもすごく喜んでいる。手袋を手にはめてその手で自分の頬を触っている。
迅は俺のだな。レイドの際に手にした珍しい鉱石類を用意していた。迅は鍛冶をサブ職業として選んでいるから喜ぶだろう。
「おー、いいチョイスだなこれは。でも女子にあたってたら喜んでもらえなかったんじゃ・・・。」
「まぁ、その時はその時だな。」
誠一と遥はちょうどプレゼントを交換したような形になった。誠一は刀身が黒い護身用の小刀を、遥はすばやさを上げるアクセサリーを用意していた。
「うん、すばやさは上げたかったし嬉しいな。ありがとな。」
「護身用と言わず普段使いにしてもいいくらいの小刀だね。ありがと。」
そういえば松本さんと澪も交換みたいになってるな。澪は手作りのクッキーをもらったようだ。
「あれぇ?あっくん羨ましそうな顔してどうしたのかしら?」
「いやいや、羨ましいとかそんなんじゃないよ?」
「ふぅん、そうなんだぁ。」
にぃなさんは迅のプレゼントを受けとっている。迅のプレゼントは最初の所有者のステータスをコピーするからくり人形だ。これは誰かに譲渡しないと使うことができない。使用は1回のみだ。っていうか珍しいやつだったはずなんだが。
「これにゃんすけ君のコピーしてたらすごいだろうねぇ。」
「そうでもないねー。ステータスが10倍以上の相手と互角に打ち合えるのはアキト君の技術ありきのことだからね。あれもう固有能力に近いでしょ。ちなみに迅君のジャストカウンターも人形が完璧に使えるかというと微妙なんだけどね。みんな能力が高すぎなんだよ。」
そして俺はにぃなさんのプレゼントなんだが、
ポテチの詰め合わせセットだ。ある意味1番クリスマスプレゼントっぽいかもしれんな。
「ほら、メジャーなうすしお、青のり、コンソメ、サワークリームに加えてみかんやら梅かつおやら色々あるんだぞ!すごいでしょ。」
「うん、味がすごいな。ポテチとして食べると微妙すぎるわ。みかんのサクサクしたお菓子だと思えば幾分かはましになる。」
「それの旨さがわからんとは・・・まだまだだな。」
意味わからんし。そろそろお開きの時間だろうな。だけどまだ、やることが残っている。