第六十八話 クリスマスとお正月
試練も1段落し俺たちはあと数日でやってくるクリスマスについての話をしていた。
「やっぱりクリスマス会しましょうよ!」
と、言っているのは澪だ。クリスマス会・・・かぁ。
「クリスマス会いいよね!私もしたいよ!!」
遥も乗り気のようだ。女子ってこういうのが好きなのかな。松本さんも乗り気なように見える。
「ってか、クリスマス会って何やんだ?」
そういえばここにいる面子を紹介していなかった。松本さん、澪、迅、遥、そして俺だ。つまりはいつものメンバーの学生組ってことだな。それで今の質問は迅がしたものだ。
「プレゼント交換したり料理を食べたりじゃないかな?」
松本さんが答える。
「あー、プレゼント交換かぁ。俺やったことないんだよなぁ。」
そうだ、俺はプレゼント交換なんてことをしたことがない。
「えー、澪さんと付き合ってたときにしなかったのー?」
「そういえば私がもらってばかりだったわ。」
「あー、そういえばそうだったな。まぁそれはおいといて。」
「ちょい、お兄ちゃん話そらさないでよ。」
「まぁいいじゃん遥ちゃん。」
松本さんが諌める。
「そうね、まずはいつ具体的にどんなことをやるか決めましょう。」
「なぁ澪、喋り方変わってないか。」
「うん、中学のときと全然違うよな。ていうかちょっと前まで昔と同じような喋り方だったよな。」
「ほら、少しは女らしくしないといけないかなと思ったのよ。」
別に前のでも問題ないとは思うんだが。
「とりあえず何するか考えようか。俺は固有能力の考察している方が楽しいのだがな。」
「もー、石田君そんなこと言わないでよ。クリスマス会といったらプレゼント交換だね。日程はクリスマス当日でいいかな?」
「ふむ、何やら楽しそうな話をしているね。」
「固有能力の話か?」
「いやクリスマス会だよ。真顔でボケないでよ怖いなぁ。」
「おぉ、神様も来るか?料理食べるんなら神様いると便利だろ。」
「そっか、神の宴セットだね!」
これを知ってるのは松本さんと迅と俺だけだったか。
「僕って料理出す係認定なのかい?」
「あぁ、雰囲気を楽しむ対価だ。どうせクリスマスを一緒に楽しむ相手なんていないんだろう。」
「いや、リリィとかセレンとかいるからね?」
「その2人だってもっと気のおけない人たちと楽しみたいでしょ。どこの世界に上司とクリスマスを過ごしたいと思う部下がいるんだよ。」
「辛辣だねぇ。まぁ料理くらいなら喜んでださせてもらうよ。」
「主ー!私も迅君とクリスマス会したいです!迅君とクリスマス会!!」
これは・・・誰だ?
「・・・セレンさんお久しぶりです。」
「こんにちは~。私もクリスマス会参加したいのですがよろしいですか?!」
「えーっと、皆どうする?」
「私はいいよー。」
いきなりちょっと怪しい天使さん来ても受け入れる松本さんマジ天使。
「私もー。」
遥は・・・便乗したんだろ。
「私もいいわ。」
澪は自身もぶっ飛んでるし引いたりしないだろう。
「あー、俺もいいよ。」
「と、いうことで大丈夫だそうです。」
「じゃあまとめると12月25日にクリスマス会、神様は料理、その他はプレゼントを用意するってことで。他に呼びたい人とかいれば呼んでもいいかしら?私はいないけど。冷泉副団長とか同じパーティーでしょ?」
「確かにあの人は呼ばないとぷんぷんしてそうだね。」
遥の言う通りの性格だ。
「んじゃ、解散ってことで。」
という俺の言葉でそれぞれその場から離れた。ただ1人を除いて。
「あのっ、石田君!」
残っていた1人、松本さんが俺に話しかけてきた。
「ん、どうしたの?」
「その、お正月に2人で初詣いかない?」
「2人で?みんなじゃなくていいの?」
「うん、先に聞いたんだけどみんな用事あるみたいだったから。もし嫌ならいいんだけど。」
「いやいや、そんなことはないって。ぜひ一緒に行かせてよ。」
「うんっ!いい新年を迎えたいね。」
「それにしても初詣、あのネタ装備とか役に立ちそうだね。」
「あー、神様ああいうの好きだよね。じゃあ私はこれで。」
「うん、またねー。」
よしっ!2人っきりで初詣キタぁぁ!!