第六十七話 神様たちの反省会
いつもの場所で神とリリィとセレンは集まっていた。
「さて、僕たちみんな試練終わったね~。意外とあっさり終わったよね。」
「申し訳ない。まさか松本美月があそこまで強いとは。」
あっさりと松本に負けたリリィが申し訳なさそうにしている。
「まさかリリィ以上の弓使いになっているなんてね。僕の予想を上回ってるよ。」
「いやー、私もあんな古典的な手にやられるとは・・・。」
「あー、あれはひどかったね。珍しく小技を使ったと思ったら・・・集中力増やしてるだけじゃん。」
セレンは迅との戦闘の最中に迅の聴覚を奪っていた。しかしそれは全く意味をなさなかった。
「うーん・・・自分に自信を持てたってことじゃないですかね。試練を通して新たなステージへ導くことが目的ですし成功ってことで~。」
「それにしても2人とも結構ひどいスキルに目覚めたよね。松本さんとか完全に兵器じゃん。迅君もあの文言良くみたらイカれスキルってわかるからね。使いにくいけどさ。」
「それにしても主、あのスキルは何なんですか。」
「あぁ、能力開花かい?あれはどういうわけなんだろうね。固有能力はその人の戦闘スタイルに影響されるからねぇ。常に上を目指してる彼だからこそのスキルだろう。」
「迅君も向上心は秋人君並みだと思いますけどぉ。あの眼・・・もうたまらないっっ!!」
「全くセレンは・・・。恋でもしたんですか?」
「あれー、セレンってそんなキャラだったっけ?まぁ迅君の向上心もすごいよね。でも彼の場合は仲間を守りたいという気持ちはすごいからね。」
「秋人君を盾にしたりしてますけどね。」
「それは信じてるがゆえの行動なんですー!」
「はぁ、セレン重症だねぇ。天使と人間ってさすがにありえないと思うよ?」
「天使と大魔王もどうかと思うんですが。」
間違いなく松本美月と石田秋人の話だ。
「彼らは一応人間だよ?2人とも化け物じみてるんだけどね。」
「あれ本当に人間なんですかね。私からしたら機械か何かかって感じだったのですが。」
「あの命中精度と投射速度は異常だね。それにしてもアキト君に1発で負けるなんて思ってなかったよ。九郎君のスキルを使っててあんなにあっさりと負けるってどんだけ強いんだい。原罪も侮りがたいスキルだったね。あれって初代魔王のスキルに酷似してるよ。」
「あ~、覚醒の闇でしたっけ?なつかしいですよね~。今秋人君に勝てそうなのって誰かいるんですか?」
「唯一負けなそうなのが不死者の義仁君だよね。彼を殺すことができるやつなんていないでしょ。まぁ彼に秋人君が負けるかって言われると負けないだろうね。」
「それは過大評価でしょう。リンクを使われたら勝てないかと。」
「常闇の衣があるからね。多分義仁君のポーションが切れるのが先でしょ。」
「そういえばあれは有効な攻撃を持っていない職業でしたね。ふむ、現状最強が大魔王とは。勇者にも頑張ってほしいものですね。」
「あれはあれで頑張ってるでしょ。ただ少々隙が多いよね。あれさえなければ迅君くらいとは張り合えるはずなんだけどなぁ。」
「迅君の方が強いんです!大魔王よりも強いんです!!」
「悪魔降下『マモン』抜きだったらいい勝負かもね。相殺無効の黒乃波動シリーズもあるけど。」
「うーん、冷静に考えると誰も秋人君には勝てませんよね。神々でも負ける方いるのでは。」
「鍛冶神とかかい?」
「せめて戦闘系の方にしてあげてください。理不尽です。大魔王というよりは邪神ですからね、あれは。何なんですか真・形態変化って。」
「あれは・・・やばかったよ。」
「せめて先に九郎を潰してればよかったんじゃないですか~?」
「あぁ、それはありだね。だけどそれを彼が許すと思うかい?修羅の月閃が使えるようになってやっと倒せたんだよね。あれくらいしないとすぐ回復されちゃうし。」
「そういえば先代大魔王が回復もできる生物兵器に進化してしまいましたね。」
「あそこまで強くなればもうちょっとでラスボスいけるんじゃないかな。期待しておかないとね。」