第七話 襲撃3
主人公の異常さがちょっとでも伝わるといいな
俺たちの前に現れたのは魔術士風の男。魔法使いってとこかな。
そいつは無言で火の魔法を松本さんに撃ってきた。そこに俺が立ちふさがる。無論無傷だ。
「ったく、こいつ。無言で撃つなよ。怖いじゃん。」
「魔法食らってノーダメージなのも十分怖いから。」
「っていうかこれ勝ったな。魔法系で俺に勝ちたいなら地球くらいは破壊できなきゃだめだもん。」
「え、それ本当?」
「俺の精神値は∞だからな。」
「ひどいほどにぶっ壊れだね・・・。」
この間とんできた魔法は11発。属性などを変えてはきたが無意味だ。とりあえずギロチンブレードで叩いてみる。魔法系は総じて紙装甲だ。もう虫の息。
「そういえば拘束するようなアイテムなかったっけ?」
「あ、私持ってるよ。バインドチェーンってやつ。」
「じゃあそれでこいつ拘束してくれるかな。」
「うん、わかった。」
ここで俺は花田にチャットする。文面はこうだ。
「こっちにいたモンスターは全滅したよ。魔法使いっぽいプレイヤーもいたけどそいつは拘束しておいた。」
返信がはやい。
「じゃあすぐ校舎内に来てくれ。校舎に敵が侵入した。」
「松本さん、校舎に敵が侵入したみたいだから急いでそっちに向かおう。」
「佐々木君も同じこと言ってた。どうやら屋上からみたいだね。」
「それは知らなかったな。さすが生徒会。」
俺はギロチンブレードのせいで移動が遅いので雷脚で駆け抜ける。めっちゃきついよ。
「今の敵の位置って分かる?」
「えっとね、現在5階の西階段にいるって。敵はプレイヤー5名とゴブリンエリートみたいなちょっと強いモンスターたち。」
「そういうのも調教してたか。厄介だね。それにしても5階って俺にはきついよ。」
「冗談だよね。」
「mpがやばいね。戦闘入っても魔法使えないかも。」
「ちょっ、私はあんまり戦闘向きじゃないんだからね?!」
「ポーション飲んでるから大丈夫だよ。mp節約しなきゃいけないけど。」
「ちょっと待って。足音が聞こえない?」
そこにいたのはゴブリン系のモンスターでつくられたパーティーがいた。
「魔法使いっぽいのと騎士っぽいのが2体ずつか。」
「とりあえず魔法使いっぽいのを石田君が引き付けてる間に騎士っぽいのを石田君が倒すってのはどうかな。」
「それ全部俺に押し付けてるよね。」
「石田君は魔法のダメージ受けないし私は鎧貫通するような攻撃力じゃないんだもん。」
「じゃあ全力で援護頼むわ。」
「あ、やってくれるんだね。」
「剣の讃美歌」
これは攻撃力上昇の歌だ。相変わらず綺麗な歌声だ。などと、聞き惚れていると火の玉がとんできた。
「なんつーか品がないやつらだなぁ。人が松本さんの歌に浸ってるってときに攻撃なんぞしやがって。」
「戦場で隙だらけなのが悪いんじゃないかな。」
「まぁね~。敵は敵で隙だらけなんだがな。」
一瞬で魔法使いゴブリン(仮)2体の首を斬り落とす。
そして騎士ゴブリン(仮)の鎧に力いっぱい剣を叩きつける。2体とも吹っ飛んだ。叩きつけた方の鎧は変形している。しかしまだ平気なようで俺に剣で攻撃してきた。
鈍重なゴブリンなんぞの攻撃にあたる訳がない。ギロチンブレードで防御しそのまま力任せに押し返す。
そこに松本さんの矢が飛んできて騎士ゴブリン(仮)は絶命する。
「テレッテテーン♪」
なつかしいレベルアップの音だ。さらに暗黒結界というスキルを覚えたらしい。俺が許可した者以外は出入りできない結界で外から中は見えない。壊すことはできるらしい。
松本さんも22レベルになったようだ。
「松本さんは生徒会のやつらと合流して指揮とかした方がいいんじゃない?」
「それはそうだけど石田君は大丈夫なの?」
「俺はそう簡単には死なないよ。それに松本さんには人殺しなんてしてほしくないから。」
「最後の方聞こえなかったけど・・・絶対に死なないでよね。」
「あぁ、大丈夫だよ。」
さて・・・くそ調教師を始末してくるか。