第五十話 レイド side松本美月
昨日はアクセスがいつもの倍くらいありました。ありがとうございます。
秋人が行方不明になり冷泉が瀬田たちのパーティーに入ったので今は美月、遥、迅、誠一、九郎の5人でパーティーを組んでいる。このパーティーは冷泉のような大規模な範囲攻撃を持ってはいないが確実にそれぞれの技を組み合わせて倒していく安定した戦いをすることができていた。
「左からワーウルフの群れがきてる。動きが速いから警戒を。」
迅がパーティーに呼び掛ける。ワーウルフは簡単に言うと狼男だ。動きは俊敏だが単純なので読みやすい。
「大氷結刃」
遥が斬撃で敵を凍りつかせる。そこに誠一がサークルスラッシュを放つ。さらに
「アースブレイカー」
迅がトドメをさす。
「右からドラゴン。色は白。スノーホワイトドラゴンですね。ブレスの属性は氷で食らうと数秒凍るだけでなくその後の動きも悪くなるので回避を。」
「ありがとう。助かるよ。」
九郎はモンスターの知識が多く攻略にとても役立つ情報をよくくれる。
「勇気の輝き」
「剣の讃美歌、鉄壁の練習曲」
「周りのが邪魔だな。」
「私に任せて。」
「傾城の一矢」
矢の軌道から半径6mの範囲を衝撃波で吹き飛ばす破壊の矢だ。その威力はミサイルを優に越えている。つまりは一撃必殺の攻撃である。矢はスノーホワイトドラゴンに向かって周りの敵を消滅させながら飛んでいく。そして直撃しhpを半分以上削る。
「天の羽衣」
「妖精王の剣」
「剣舞・六連刃」
「守護神の鉄槌」
「ブレス来るぞっ!!」
全員がドラゴンから離れてブレスを避ける。ドラゴンは続けて前足を地面に叩きつける。衝撃波による攻撃だ。迅以外は回避しきれずにダメージを食らい転んでしまう。
「ラウンドヒール」
起き上がった九郎がすぐさま範囲回復を使う。
「ヤバい、ブレスがまた来るぞ!」
今度は回避しきれずに凍りつく。迅だけはダメージキャンセラーで無効化していたが。
ドラゴンが誠一に噛み付こうとする。それを銀河の咆哮を叩き込み阻止する。
「ラウンドオールヒール」
範囲全回復の呪文だ。
「灼熱の紅刃!」
「クロススラッシュ!」
「妖精王の剣!」
「サジタリウススコール!」
全員の猛攻撃でついにドラゴンを撃破する。
「いやー、最初の傾城の一矢がなかったらまずかったね。さすがは美月さんだよ。」
「結構このパーティー強いよな。最強クラスのアキに普通に付いてける面子だもんな。」
「付いてくってか俺は勝ちたいんだけどな。」
「誠一は無茶言うな。帰ってくるころには果てしなく強くなってんだろ。」
最近迅は誠一を名前で呼ぶようになっていた。
「雑談なんてしている暇はなさそうですよ。」
九郎が見ている先には二刀流の魔族が立っていた。
「へぇ、気配は消してたんだけどなぁ?よく気付けたね。誉めてあげよう。」
「ふんっ、若造が偉そうに言うなよ。」
「俺はこれでも3000歳越えてんだけどなぁ。若造だなんて心外だ。」
「自分より長く生きている者もいると知った方がいいだろう。」
「雑談はこれくらいにして、いくよ。」
目にも止まらぬ速度で九郎に接近し2回切りつける。しかし2回の攻撃はどちらも何でもないような顔をして防がれた。
「あー、楽しそうだけど命令は『できるだけたくさん殺せ』だったね。後でまた戦いたいけど今は周りの雑魚を片付けよう。」
そう言って一瞬で美月の首をはねた。