第四十三話 ダンジョン攻略 4
妖気を纏った斬撃を迅は正面から受け止める。
「ダメージキャンセラー」
ダメージキャンセラーはタイミングよく発動することでダメージを無効化するスキルだ。しかし攻撃そのものは消せないので吹っ飛ばされる。
「全く、びっくりしたじゃねぇか。」
「すごいねー。それを使いこなせる人なんて初めて見たよ。」
「七つの大罪『嫉妬』」
「あれっ、どのステータスも奪えてないぞ。レベル差があると無理とかそういうことか?」
「それは面倒だな。嫉妬が効けば簡単に戦えたのにな。」
「とりあえずあの剣砕けないかな。あれさえなければ攻撃力をかなり削れると思うんだけど。」
「敵の装備の破壊は可能だとは思うけど。ボスのものとなると少し大変じゃないかな。」
「じゃあ俺と迅と篠原さんで行くぞ!各自最大の攻撃を。」
「死刑宣告、雷神の怒轟」
狙うはもちろん敵の剣。必中だからよけられない。
「銀河の咆哮」
迅の新しい必殺技だろう。銀河を思わせる煌めきがビームのように骸骨に向かっていく。
「妖精王の剣」
篠原さんの剣が銀色の光に包まれる。そしてその剣を全力で振る。
合体技、そう呼ばれるテクニックだ。物理版の連鎖なんだが「連鎖ってやっぱ魔法っぽいよな」という意見によって合体技と呼ばれている。各自の最大の攻撃を受け呆気なく剣は砕け散る。
「ぜぇ、はぁ・・・。」
あぁ、さっき言ってた使うとバテる技ってこれだったのか。っと、攻撃がきそうだな、篠原さんに。
「ダメージキャンセラー」
迅が回り込んで無効化していた。グッジョブ。口を開いて噛み付きか?
「暗黒結界」
噛み付き攻撃を阻止された隙に松本さんのサジタリウススコールとにぃなさんの魔法が飛んでくる。
骸骨は壁を蹴って移動しだす。三角跳びってやつだ。行動が読めないな。
「きゃぁぁ!」
くそっ、にぃなさんがターゲットだったのか。さらに追撃しようとしているようだ。
「灼熱の紅刃」
よし、遥もナイス!このパーティーであれに追い付けるのって篠原さんと遥くらいだからな。
「黒之波動」
九郎の黒之波動によって骸骨がこちらへ飛ばされてくる。
「ほれ、勇者さんやもう一発妖精王の剣を。」
「全く迅君は鬼畜だね。」
「妖精王の剣!」
「...守護神の鉄槌」
「ホームランスイング!」
よし、意外とあっさり倒せたな。やっぱり2人増えるのって大きいよなぁ。
「討伐報酬は片手剣だな。やった、装備強化。」
「私は首飾りだね。攻撃してきた相手をたまに麻痺させるって効果。」
「おお、松本さんそれあたりじゃん。俺なんか素材だよ?鍛冶に骨って使えるんだろうか。」
「俺も片手剣だがやっぱ今のがしっくりくるし使うことはなさそうだ。」
ここもランダムで報酬配布か。っていうかダンジョンそのものがそうなんだろうな。
「あっちの方は2階でも鬼がでてきたってさ。ただちょっと守備力が高かったって。3階ではかえるの化物だったとさ。」
「うーん・・・そういえばここって狐封じの祠っていう名前ですよね。やっぱりここの最下層のボスは狐なのかな。そこまでのボスは全部侵入者を排除するために配置されているとか。」
「だとしたら2つに分かれてるのは何なんだろうね。2匹いるってことかな。」
「ここのボスってリポップするみたいだけど最下層のやつもそうなのかってことも気になるよな~。」
「それを確かめるためにもはやく先を急ごうか。」
「ええ、早く最下層にいるやつと戦いたいですね。」