第四十一話 ダンジョン攻略 2
それにしてもあのボスは動かないのか?それとも条件を満たすと動くようになるとか。
「嘆きの狂詩曲」
その歌声でウィル・オ・ウィスプが一瞬停止する。結構すごい破壊力だ。さらにそこににぃなさんの氷魔法が炸裂する。少しだけウィル・オ・ウィスプがわずかに膨らんだ。そこから0.3秒、ウィル・オ・ウィスプは爆発を起こす。
「さっきよりダメージが減ってる。残りダメージ依存のダメージじゃないかな?」
「うん、だろうね。ついでに自爆のタイミングもバッチリ把握したよ。もう自爆食らわないで大丈夫だね。」
「今度は30か。面倒だ。」
「大氷結刃」
「ニブルヘイム」
ウィル・オ・ウィスプたちがわずかに膨らむ。
「ホームランスイング」
自爆をミスすると消滅するのか?普通にダメージで死んだだけだろうか。
「次は40だよー。」
いきなり自爆しそうになる。
「ホームランスイング」
やっぱり消滅するのか。
「おー、ボスが動き出したね。」
全員が電撃を食らう。魔法のようだ。俺はダメージを受けない。雷脚を使って攻撃を繰り出す。
俺の足下に魔方陣が発生するが何も起きない。
気にせずに攻撃を続行していた俺の周りに八方から槍が飛んでくる。
回避しきられに2本の槍が俺に当たる。
「ホームランスイング」
「よっしゃー、詠唱終わったよ~。」
「シヴァフレイム、インフェルノハウル、ブラックホール」
シヴァフレイムはインフェルノハウルを超えるどす黒い焔の魔法だ。ブラックホールは超重力の球体で敵を抑えつける。
「おっ、倒せたね。」
「本体はあっさりだな。」
「私ほとんど何もしてないよ。」
「いや、松本さんの歌がなかったらもっと苦戦してたはずだよ。それにしても1階層でこの強さって一番下はどうなってるんだ。」
討伐報酬があるみたいだな。どうやら炎耐性の指輪のようだ。みんなはスキルの秘伝書やポーションをもらっている。ランダムなんだろう。
「お、団長からチャットきてるね。どうやらあっちのボスは弱かったみたい。鬼みたいなのが2体だったってさ。ドロップは身代わりになる藁人形とかだって。」
「ほうほう、こっちの報告済んだら言ってくださいね。」
「よーし、報告終わったよ。次の階はよいこ!」
次の階ではロゥ・ドッグという犬のゾンビのようなモンスターと人型のゾンビの2種類のモンスターたちがいて炎の攻撃が有効だった。不思議なことにこの階にはモンスターはおらずすぐに下の階に行くことができた。
「ねぇお兄ちゃん、人が2人いるみたいだよ。」
「うわっ、本当じゃん。2人でここまでこれるのか?」
「パーティーメンバーが亡くなったってことも有り得るしね。」
「松本さん、その2人に追い付きたいから子鹿のマーチお願いできる?」
「子鹿のマーチ」
「さぁ、れっつごー!」
「お兄ちゃんハイテンション!」
そりゃそうだろ。たった2人でここまでたどり着いた猛者がいるかもしれないんだぞ?テンションも上がるっての。
この階層にいたのは鎧と剣と盾で武装した骸骨、スケルトンソルジャーと弓を持った骸骨、スケルトンアーチャーだった。
スケルトンアーチャーは松本さんとにぃなさんで処理し、スケルトンソルジャーは俺と遥、九郎で片付ける。
合計34のモンスターを倒した俺たちの目の前には白い鎧を着た2人組がいた。