第三十七話 吸血鬼
「さて、説明してもらえるか?」
「私も掲示板で見ただけだからよくは知らないんだけどさ、どうやら吸血鬼に血を与え続けると吸血鬼になることがあるみたい。」
「うわー、定番のやつだね。」
「詳しい条件はまだわかってないらしいんだけどそんな人もいるらしいんだ。私が知ってるのはこれくらいだよ。」
「じゃあ詳しく知っていそうなやつに聞くとしよう。」
そういって俺は神にチャットを送る。
「聞きたいことがあるんだがチャットだと面倒だからこっちに来てくれないか?」
「はいはーい、呼ばれて飛び出て神様だよ~!」
うおっ、早いな。
「うわ、神様なんて久しぶりに見た。」
「お久しぶりです。」
「む、大変久しいですね。」
澪、松本さん、九郎のセリフだ。
「間宮さん、松本さん、九郎君久しぶりだねー。あと冷泉さんも。」
にぃなさんはもうぐったりしている。ちょっと動いただけでこれか・・・。ニートとかいう問題じゃないだろこれは。
「おい、俺は?」
「たったいまチャットしたじゃないか。」
「俺から一方的にだけどな。さぁ、本題に入ろう。吸血鬼になる条件を教えてもらえるか。」
「うーん・・・まぁいいかな?幸運値50未満だとなっちゃうんだよ。」
「わりとあっさり答えてくれたな。それにしても幸運値か。確かに望まずに吸血鬼になるって不幸だな。」
「それにしても吸血鬼とは。狩りの効率が悪くなりそうですね。」
「九郎君の言う通りだね。ただでさえ移動速度が悲惨なのにさ。さらにそれが下がるなんてね。」
吸血鬼になると昼間は移動速度が下がりステータスも低下する。この感覚に体を慣らさないといけないのだろうな。
「ぐ、最近は歩く災厄のレベル上げのためにレイジサーベル使ってるし。」
「そういえばそうだったね。黒明燐火もあるしそこまで困らないのか。」
「いやいや神様、吸血鬼で一番大変なのは吸血衝動ですって。まず喉が渇く。最初は水を飲めば渇きはおさまるけど徐々にどうしようもなくなって最後は立っていられなくなり精神値や耐性無視の狂乱に襲われるんですよ。」
「うわぁ、吸血鬼って苦労多そうだね。」
「うむ、知り合いの吸血鬼はワインを飲むことで渇きを鎮めていましたな。水では無理でもワインなら鎮められるとのことです。」
「さっすが九郎くん、博識だね。僕は知らなかったよ。」
「実際ワインなんて飲んじゃだめなんだけどな。」
「あー、未成年だからってことかい?」
「私もワインは苦手だなー。コーラがいい!」
「にぃなさんそういう話じゃねーって。」
「まぁ秋人君なら吸血鬼も使いこなすさ。それとそろそろバザー機能、つまりアイテムの売買ができる機能を実装しようと思ってるからアイテムは取っておいたほうがいいよ。」
吸血鬼は仕方ないしバザー機能実装にむけてアイテム収集でもするとしますか。