第三十四話 魔族討伐 side 花田迅
佐々木が出て行った少しあとこの俺花田迅も洋館に向かっていた。仲間は連れていってない。下手したら目をつけられるかもしれないしな。そういうのは俺だけでいい。
洋館に着くとすでに佐々木と槍を持った魔族が戦っていた。風属性のスキルで有利に戦っているようだった。
魔族の槍が輝き出してから流れが変わった。投擲を目的として作られた武器だったようだ。投擲されてもすぐ手元に戻り再び投擲される。あれでは手も足もでないんじゃないだろうか。そんなことを考えてはいたが無用だったらしい。槍が飛んでくると同時に高速移動のスキルで接近し再び投擲される前に2発の突きで勝負をつける。
その後の勝負も順調なようでなかなかの実力があったんだなぁとしみじみと思った。
しかし武闘家のような男によって一瞬で殴り飛ばされ逆転もできずに負けてしまった。一言二言会話したあとその男が手を振り上げ手刀を繰り出そうとする。あれを食らったら佐々木は死ぬだろう。
ところで俺の武器光魔剣シャイニングスライサーはただの光の剣ではない。mp消費によって光をジェットの様に使って飛ぶことができる。その機能を最大限に使って俺は飛ぶ。・・・間一髪手刀を止めることができた。
「ほう、面白い武器だな。次はお前が戦うか。」
「うーん、ぶっちゃけな話松本さんの救出はアキに任せておけばいいと思うんだけどなぁ。あんたは強そうだしちょっと戦ってみてもいいかもしれんな。他のやつらはパスで。そろそろ着くころだと思うし。」
「では、準備は良いかな?」
「あぁ、いつでもいいぜ。」
「烈風掌!」
「ライトボム」
掌底によって起きた烈風をライトボムで相殺する。
「双竜脚!」
オーラを纏った2発の蹴りが飛んでくる。それを俺はダメージキャンセラーで無効化する。
「七つの大罪『嫉妬』」
奪えたステータスは素早さだ。武闘家って素早さ高そうだもんなー。
「ぬっ?!動きが鈍くなっている!」
「守護神の鉄槌」
このスキルには使用制限がある。残りhpの量によって与えるダメージが変わるスキルだ。俺のhpは満タン、大ダメージを与えたはずだ。
「くそっ!動けないとこうも戦いづらいものなのか。」
「クロススラッシュ」
「クロススラッシュ」
「クロススラッシュ」
スキル名を言うのもめんどくなったので無言でざっしゅざっしゅし続ける。まるでただの的だ。たまに反撃してくるがダメージキャンセラーで全部無効化される。
「くそっ!わしの負けだ。」
「うん、じゃあ俺はこれから起こることを見ておきたいし一応ここにいさせてもらいたいんだがいいか?」
「まぁそのくらいならいいんじゃないかな?」
まだ倒されてない弓使い風の魔族が言った。
「あぁ、感謝するよ。」
もう少しでアキが来るだろう。成長したあいつの戦いっぷりを見てみたいな。