第二十八話 パーティー結成2
目覚めた俺の隣にはにぃなさんがいた。まだ眠っているようだ。俺はにぃなさんを起こさないようにそっと起きて顔を洗いにいった。俺がいたのは医務室として使われているところだったらしい。基本的に回復魔法して安静にさせるだけの部屋ではあるが。
「おっ、起きていたのかい秋人君。」
この人は確か第三席の放浪者春川学さんだ。
「ええ、もう普通に起き上がれます。」
「それはよかった。酸欠で意識失うと模擬戦であっても実際に影響でるんだね。普通のダメージだとピンピンしてるんだけど。」
「酸欠恐るべし・・・。」
まじで模擬戦で酸欠とかやめてほしい。
「冴凪さんやっぱおっそろしいよね。あの人実はソロなんだぜ。理由は強すぎるからなんだけどさ。」
「ニートのくせに強すぎでしょ。」
「ニート関係なくねーか。俺もここに入るまでには強い方だと思ってたんだけどね。」
「あなたも三羽烏の1人でしょう。十分すぎるほどに強いと思いますけど。」
「いやー、そうなんだけどね。」
あっさり認めちゃったよこの人。
「朝食を食べ終わったら団長の部屋に来てね~。色々と話があるみたいだからさ。」
「わかりました。遥も連れていきますね。」
「うん、よろしくね。」
朝食を食べ終わった俺はなぜこのギルドが日本最大規模を誇っているのか悟った。飯だ。飯がめちゃくちゃうまいんだ。調理技能を持つ人たちが食堂をやっているおかげでかなりうまい。最初の方からサブ職業に注目していた人が多いらしい。
朝食を食べ終わったので遥とついでに九郎も連れて瀬田団長の部屋に行った。
「わざわざ来てくれてありがとう。色々と話すことがあるんだがまず一番大事なことから話そう。」
「大事なこととは?」
「パーティーについてだ。残念なことに現在北風の騎士団に枠が余っているパーティーはないんだ。君たちには今まで通りに行動してもらうことになる。」
「そんなことでしたか。血の繋がってる妹との方が息も合いますしね。」
最近笑えない冗談が「コロセコロセ」ってうるさくて動きが以前よりも悪くなっている。他人と組むと迷惑かもしれない。
「ん?1人余ってなかった?」
「おい、冷泉。それはまさかお前のことじゃないよな?」
ちょっと団長の声が震えている。
「私以外にいないじゃん。にゃんすけ君とのパーティーなんて楽しそうじゃん。これでも昔は息ぴったりだったんだよ?」
「こう言っているが冷泉とでも問題ないか?」
「俺は問題ないですね。実は元々1人分席を空けておきたかったんです。」
「私も問題ないです。冴凪さんいい人ですし。」
いつのまにか仲良くなったんだろうか。
「やった~!これで決まりだね!!」
「じゃあこれからよろしくお願いします。」
「お願いします。」
「では注意することについて話そう。まず本部を出るときや帰ってきたときには出入口にいる受付の人に報告してからにすること。いないメンバーがいるかどうか確認できるからな。」
「なるほど。」
「それと長期間いなくなる場合はあらかじめ知らせること。これも先程のものと同じ理由だ。これは仲間の中での信頼の問題ではあるんだがギルド本部にいるときはレベルと職業だけは公開の制限を無くすこと。別にスキルまで公開しろと言っているわけではない。」
「まぁそれくらいなら・・・いいですよ。」
こんな感じで色々と注意事項を聞いたのだが・・・。覚えられたかな。