第二十一話 調教(テイム)
ドラゴンとの戦闘を終えた俺はそのまま2時間ほどそこらへんのモンスターとの戦闘を継続した。
その時点での俺のレベルは34。学校にいる間はここまでハードに戦ってなかったからレベルがこんなに上がるのは最初の日以来だ。
そこで戦闘を終了し俺はビルの屋上でだらだらしていた。最悪の場合暗黒結界の質感とか変えて寝ようって思っていたが普通にショップでベッドを購入していた。
なんとなく遠くを見ていた俺の視界にはとんでもないものが映っていた。
大きな3本足の烏だ。八咫烏というやつだ。サイズはそこらの烏とは比べものにならないくらい大きい。全長20mはあるんじゃないか。
その八咫烏はこちらに向かって一直線に飛んでくる。先程のドラゴンより圧倒的な威圧感がある。戦闘になったら俺は間違いなく勝てない。逃げることはできるかもしれない。
巨体に似合わない速さだ。これは俺死んだな。
烏が俺のいるビルの手前で静止する。見慣れないメッセージがきていた。
「仲間になりたがっています。仲間にしてあげますか? yes/no」
「当然yesだろ。断ったら死ぬかもしれんというのに。」
目の前の烏が消えて和服のイケメンが現れた。腰にはやたらと長い刀を帯刀している。
「仲間にしていただきありがとうございます。私、大八咫烏の九郎と申します。」
目の前の男、九郎は丁寧に俺にお辞儀した。
「あぁ、それにしても仲間にしてほしいってどういうことだったんだ?」
「あなたの戦い様を見て是非我が主君にしたいと思ったのです。」
「ふーん、なるほど。」
「基本的にこの人間の姿で仕えさせていただきます。ちなみにこの姿のときの職業は祢宜です。神官の上位ですね。」
「神官の上位・・・レベルは・・・120?!」
「はい、その通りです。攻撃などには向いていませんがそれでも十分な実力かと。」
「むしろ俺より強いよね。いきなりこんなの仲間にしてもいいんだろうか。」
「あなたより強いなど・・・ありえません。」
「精神値以外間違いなく俺より上だよ。戦闘になったらメテオストームでいけるかどうかってところだな。」
「おお、あれの威力はすさまじいですよね。一応防げるとは思いますが。」
「あ、あれ防げちゃうんだ。やっぱすごいわー。」
「いえいえ、そのようなことはありませんよ。」
「回復役はほしいと思ってたからありがたいよ。これからよろしくな。」
「ええ、よろしくお願いいたします。」
なんとなくだけど松本さんたちに報告しとくかー。以下それぞれの反応
松本さんの場合
「なんか大八咫烏っての仲間にしたんだよねー。」
「石田君って調教師じゃないよね?ちなみにそのモンスターのレベルはどのくらい?」
「なんか仲間にしてほしいって言われて仲間にしたんだよ。レベルは120だね。」
「120ってすごすぎる。まさか石田君もそんなレベルに・・・。」
「なってないなってない。まだ34だよー。」
「34になったんだね。早すぎだよ。」
迅の場合
「なんか大八咫烏っての仲間にしたんだよねー。」
「ほうほう。それ強いん?」
「レベル120だな。」
「あー、カンストは99じゃないんだね。お前やっぱすごいわ。」
「俺たちのカンストは99かもしれないけどな。いやー、何か見込まれたっていうか。」
「調教師以外でモンスターを仲間にするのって珍しいらしいぞ。」
「そうなんだなー。」
神様の場合
「なんか大八咫烏っての仲間にしたんだよねー。」
「あー、それってかなりのレアパターンだよ。普通は調教するしかないんだけど。レベルは160くらいかな?」
「いやー、120なんだけど。人間の時の職業も個体で変わったりするのか。」
「低いねー。職業の差は出るよー。っていうか人間の姿になったモンスターの職業が君たちの職業のもとになってるんだから。」
「俺のは祢宜だったよ。」
「なかなかいいんじゃないかい?君にとっては特にね。」
だいたいこんな感じだ。