第二十話 旅立ち
ついに学校を出て行く日がやってきた。と、言っても1日経っただけなんだけど。
とりあえずはここから遠く離れたところに行こうかと思っている。
「石田君、じゃあね。本当に迎えに来てくれるよね?」
「あぁ、絶対に来るよ。じゃあまた会おう。」
あっさりと挨拶をすませて学校を去る。そして俺はモンスターが密集しているところを目指して走っていく。
やはりまずはレベルを上げていくことが重要だ。1人でいる分明らかに他のパーティーとは実力の差がある。それをレベルで埋めるしかないんだ。
「うおおおおおおおおおおおっっっ!!!!」
雄叫びをあげてモンスターの大群の中に突っ込んで行く。今日1日は狂気に身を任せてみてもいいだろう。
リポップする度にモンスターを切り刻む。ギロチンブレード零式の移動速度低下はモンスターの密度が高いこととモンスターが自分から寄ってくることによってあってないようなものになっていた。
今俺が戦っているのはリザードマンやイビルビーなどの気持ち悪くなりそうなモンスターばかりだ。
体液や血を浴びつつも笑いながら殺戮を繰り返す。hpが減ったらポーションで回復だ。
「GYAAAAAAAAAAA!!!!」
ドラゴンの咆哮だ。ドラゴンというのは稀に現れるようで神社での一件以来見ていなかった。
今回のはあの時よりも遥かに大きく色も黒だ。
「さぁ、かかってこいよ。」
恐ろしい速度で爪が迫ってくる。
「雷脚」
「冥府の門・開」
「闇の衣」
ブレスによる攻撃・・・当然俺には通用しない。
ギロチンブレードを振り回して攻撃する。怒濤の連続攻撃だ。時折ドラゴンの反撃が来るが致命傷を負わない程度に避けて攻撃を休めることはない。
「GYYYYY!!!!」
噛み付き攻撃だ。
「暗黒結界」
1秒経つかどうかというところで破られる。間一髪俺は空中に逃げていたが。
「ホームランスイング」
巨体が吹っ飛ぶ。さらにホームランスイングを連続で発動する。
攻撃の手を休めた瞬間ドラゴンはジャンプしその衝撃で俺はダメージを受ける。それによってできた隙に頭突きを腹にかまされる。
口から血が溢れてくる。これは・・・まずいな。
「最高に燃えてきた。やっぱ戦いっていうのはこうじゃなくちゃなぁ!!」
興奮してきちまった。
「おらああああああああ!!!!!!!!」
雷脚による加速で突っ込んで行きそのまま剣を叩き付ける。ドラゴンがブレスを吐こうと口を開く。
奥には炎の塊も見える。そこに俺は左手を押し込み・・・
「魔力拡散砲」
魔力拡散砲を体内にお見舞いしてやる。
予想以上の大ダメージだったようで悶え苦しんでいる。体内には魔法も効くんだな。炎は効かないだろうけど。
「んじゃ、とどめね。」
「ギィンっ!」
剣が竜の鱗を砕く。少なくなっていたhpを最後の一撃で削りきった。
「よっしゃぁぁ!!!やってやったぜ!!!!」
学校を出て初めての快挙であった。