第十二話 宴
だらごろしていたら7時になっていた。
「石田くん、花田くん、神様ー!7時なったよ~。」
元気いいなぁ。あとそこの2人こっちみてニヤニヤすんな。
「そういえばどこで食べるか決めてなかったねー。」
「じゃあ屋上でいいんじゃない?」
「おい、屋上って風とか強そうじゃないか?」
「いや、そうでもないみたいだねぇ。」
「じゃあ屋上へれっつごーだね♪」
なんかだいぶ昔とテンションが違う気がするよ。
「こんな松本さん見たことない・・・。なんかこうもっと凛々しいイメージだった。」
「いやいや、そんなことないってば。もとからこんな感じだったよ。」
「松本さんの言ってることは間違ってないね。世界の記憶がそれを証明しているよ。」
大げさだなぁ。
「世界の記憶って・・・そういうの調べるのには魔力使わないのか?」
「いい質問だねアキト君。これは僕の世界で調べたことをこっちの分身に喋らせてるだけだから。必要最低限の魔力しか使ってないんだよ。」
「そういえばいつどこにでも在りいつどこででも消えることができるっていうのはどういうことだったのかな?」
迅がさらに質問をする。
「あぁ、こっちの世界だと自由自在にでも分身を出せるって意味で自分の世界だと文字通りの意味だね。」
「さぁさ、そんなこと言ってるうちに屋上に着いたよ。」
少し疑問だったんだが普通鍵開いてないんじゃないかね。
「あれっ、鍵締まってる。」
「そりゃそうだろうねー。鍵開けるスキルとか誰ももってないでしょ。」
「俺は騎士だしなぁ。」
「魔力拡散砲でふっとばす?」
「冗談だよね?アキト君。」
「あぁ、サンダーくらいならいいかね。」
「それもよくねーって。」
「じゃじゃーん!秘密の鍵ー!」
秘密の鍵・・・?
「何ですかそれ?」
「どんな鍵でも開けることができる万能の鍵だよ。僕の所有物さ。再現するのはめんどかったから転送してみた。」
「「1ついいか?最初から出せ。」」
「おぉ、息ぴったりだね。感激したよ。」
「以後気を付けよう。」
「じゃあさっそく始めようか。」
「これを生きている間に見れるなんてすんごい珍しいよー。神の七つ道具『神の宴セット』」
その瞬間俺の目の前には美味そうな食べ物がたくさん置いてあった。
「ふふふ、僕は料理好きとして有名でね。神が持つ七つ道具も料理向けのが多いんだよ。戦闘に応用可能なのも多いがね。」
「それでなぜ完成品が出てくる。料理好きなら最初から作れよ。」
「うむ、そういう方法もあるけどね。はやく食べたいんだよ。」
なるほど、反論はできん。
「さぁ食べよっ!」
「「「「いただきまーす」」」」
「おっ、全部うまいなこれ。」
「うんうん、大げさな名前なだけあるよ。」
「本当においしいね~。」
「さすがは『神の宴セット』だねぇ。」
「私も料理したいなー。サブ職業は料理人にしとこうかな。」
「それはアキト君に料理を作るためかい?」
「え、なんでそうなるんですか?!」
「あぁ、ちなみにアキに料理作りたいんだったら同じサブ職業でもメイドをおすすめしよう。そっちのほうがアキは好きだよ。」
「いや、そうだけど俺の好みとかどうでもいいだろ。」
・・・こんな感じの会話をしていたらあっという間に時は過ぎていった。
※キャラ紹介・閑話以外の話が何話かわかるように作業中です。今日はここまで