第七十九話 決戦
「あれが神の兄貴でついでにあれも神だって?」
「ああ、だからね、あいつは本当に強い。」
「さぁ、お喋りはやめて始めるよ。そしてすぐに終わる。」
そう言った瞬間突風が俺の胸に風穴を開ける。一瞬で俺のhpは0になり最終形態が適用される。さすがに早すぎるだろ。会話しながらも全く油断はしてなかったんだがな・・・。
「冥府の鎖・縛、常闇の衣、羅刹の闘気、九郎・クズノハ、吸収、闘気武装」
強化を最大にする。同化では1体としか同化することができなかったが吸収には制限がないらしい。九郎の固有スキル、闘気武装を使用した俺のオーラは固まりまるで鎧のようになる。剣もオーラの装甲を纏い強度を増す。おそらくこれなら全力で振っても壊れることはないだろう。
今までは最終形態で本気を出していたら剣が壊れていた。一度それなりに強度のある剣で試したことがあるから間違いない。
「グレートインパクト」
明らかに効果はあった。もはや奴の体は原形を止めていない。
「うん、すごい衝撃波だね~。でもそんなんじゃ僕は倒せないよ。ま、体はぐっちゃぐちゃだよね。仕方ないしこの体捧げてもらうかー。」
輝く神々しいオーラが憐れな闘将の体を包み込み覆い隠す。
「神気解放か。これやる前に倒すべきだったねー。って、言っても遅いか。まぁこっからは全力でやりなよ。」
「わかってるよ。」
神と瓜二つの容姿の男が立っていた。違いといえば髪が血のような赤だったということくらいだろう。
動く前に潰す!
「雷神の怒轟!!!!!!!」
「あのさー、グレートインパクトが効いてないのにそんなのが通用すると思ってんの?舐めてんの?」
眼付きが、変わった。
手元に小石を創り出す。そしてそれを俺に向けて指で弾き飛ばす。それを狐火が防ぐ。勢いのあまりに粉末と化していた小石だったがなんとか防ぐことができた。
「神の七つ道具『神の御劔』」
「さぁさぁぶっ潰すよ。いや、その前に俺の目的って話したっけ?」
「いや、聞いてない。」
「全ての生物を俺の世界に相応しい強いやつらにすることさ。君たちの世界にちょっかいかければそこの弟が対応してくれるかって思ってね。そうなれば強いやつらを量産できるのさ。復活するたびに強くなっていってんだよ、モンスターども。知ってたかい?」
「まぁ、興味ないんだけどさ。それにしてもかなり全力の攻撃だったんだけど、それ。」
話の最中に悪魔降下『マモン』で増えた俺に後ろから同時に攻撃させていたのだが。あっさりと流されてしまっていた。
「じゃあ次こっちのターンね。神の御劔は全てを切り裂くから。ご自慢のその剣もずったぼろだよ。」
なんとか認識することができるくらいのスピードで攻撃をしてくる。こっちの限界に合わせているのかスピードは大したことがないのか。そしてその攻撃を俺は全て剣で受け止める。むしろ逆に神の御劔とやらが折れている。
「何が起きた!?その剣デュランダルだとでも言うのか!!」
「九郎の闘気武装はあらゆる異能を無効化する。さらに対象の強度を増しその特性をも強化する。つまりお前の斬撃は普通の斬撃に、俺の剣は半端ない耐久力と切れ味を持っていたってことだ。殴らないと俺は倒せねぇよ。」