第一話 始まりの時間
今、俺たちは神の声を聞いていた。目の前には神・・・の分身?がいる。
「やぁやぁ、地球のみんな。今日はねー、みんなに頼みたいことがあって来たんだよ。」
紫色のおかっぱヘアーの中学生くらいの男子といった見た目だった。ちなみにここは俺たちの高校である。
「まぁふざけんなよって言われるとは思うんだけどね、これよりこの世界はパラレルワールドと一体化するんだ。そこは人類が滅び魔物や魔族が住まう世界でね。ちなみになぜ一体化するかっていうとそこの偉いやつらが獲物を求めててね・・・それでこの世界を見つけて自分たちの世界と合わせる魔法を発動させたってわけよ。」
「ちょい質問いいか?まず俺ら人間は何すればいいんだ?次に何で神様のパワーとかでどうにかできないんだ。答えるのはどっちが先でもいい。」
この状況で冷静に質問したのはクラスのお調子者の花田だ。
「君たち人間には、あぁここ以外にも分身を配置して事情を説明させてるんだが・・・とりあえず魔物どもを倒してほしいんだよね。まぁ復活しつづけるんだけどさ、やつら。んで、僕のパワーでは何ともならないんだよ。直接僕に喧嘩売りに来るんならまだしも自分の世界以外じゃ力をふるえないことになってるんだよね~。」
「もちろん何の支援もしないわけではない。直接的に力を行使はできないけど力をあげることはできる。神の祝福ってやつだね。適正のある能力と武器を各々に与えるからね。基本的に成長はゲーム感覚だから。詳細はいつでも見れるようにしとくね。」
再び花田が質問する。
「結局どうやって俺たちはこの状況から脱出するんだ?」
「敵の戦力をある程度削ってくれればなんとかしてあげるから。そうだねぇ、8割は削ってほしいかな。説明はここまで。この状況で一人なんて厳しいからね、パーティーを組んでもらおう。」
ここで強烈な嫌な予感に襲われる。このクラスは「37人」。パーティーといったらだいたい4か6人だと相場が決まっている。そして俺はだいたい・・・余る。
パンっと神様が手を叩く。
「これでみんな適正能力に目覚めたはずだよ~。」
ここでにやりとして俺のほうを見る。
「じゃあお決まりのせりふを一つ、はい、4人組作って~♪」
案の定俺は余った。基本的にみんな能力など考えずに仲のいい人物と組むようだ。行動をともにするんだから当然といえば当然だな。
とりあえず能力の確認でもしとこうか。
職業は・・・魔王!?スキルはなんだ・・・「サンダー」敵1体を雷で攻撃ね、「メテオストーム」流星が降り注ぐのね・・・最初っからそれかよ。「冥府の門」ステータス大幅アップか。大幅ってのがどのくらいなのか恐ろしいわ。
「あれれ、君余ったんだね?」
「こうなるのは分かってると思ったんですけどね。」
「そりゃぁもう神様だもん。そのくらいはわかるさ。それにしても君のステータスどうなってるんだい?特に精神値が異常だね。ラスボス感が漂ってるよ。」
ちなみにこれが俺のステータス
hp:57
mp:120
攻撃力:43
守備力:45
素早さ:52
魔力:160
精神値:∞
幸運値:39
「他にもmpと魔力もこのレベルにしては異常だね~。ちなみに魔力は魔法の威力、精神値は魔法で受けるダメージに関係するんだよ。」
「ちなみに∞だとどうなるんです?」
「多分地球がぶっ壊れる攻撃でも魔法であれば生き残るね。無論無傷でね。」
「おいおい、チートだなぁ。」
「そういやみんなに最後に言っておくことがあったね。」
「あと23分くらいで敵が出現するよ。建造物の内側には魔物は出てこれないようにちょっと細工をしておいた。ここだったらグラウンドには出現できるから注意ね。どう行動するかは君たち次第だ。せいぜい頑張ってくれたまえ。」