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10.オールホークの町3

 宿屋に帰ったら昨日と同じくラーチェルが調合をしていた。

 相変わらず笑顔である。デルイ村の連中がラーチェルから薬を奪った後、どれだけ激怒したのか想像できる。

 

 既に夕方だが転移で廃村に行くことを伝えた。

 部屋の中で転移を使用し、魔方陣展開後1分くらいした後に魔法が発動した。

 

 景色が変わり鬱蒼と木が茂った森の中の廃村にいた。

 廃村から山頂側に歩き、表面に出ている大岩に対して精製を使ってみた。

 まずアダマンドを思い浮かべ、精製。何も出来ない。

 次にミスリルを思い浮かべ、精製。何も出来ない。

 岩や地面に対して鉄を思い浮かべ、精製。少量だが鉄抽出。

 

 やり方は間違ってなさそうだが、アダマンドやミスリルが存在しないだけか。

 場所を移しながら今度は地面の深い場所の岩を土操作で持ち上げ精製を行う。

 鉄は順調に増えていった。だがミスリルはアダマンドは増えなかった。

 

 精製は土魔法のLV5である。

 ドルグ氏の話では滅多に使い手はいないという感じだった。

 今まで話から各魔法のLV5はほとんどいないようだ。

 あのジジイ、火魔法LV5が使えたから実はすごかったのか。

 

 そのまま歩いていたら魔物の犬が近くにいたのでウィンドカッターで処分しておく。

 あの馬鹿でかい熊が出たら逃げよう。

 再び精製の作業を行った。

 

 手ごたえがあったのは完全に日が落ちてから。

 発光を使いつつ精製をしていたらアダマンドが一つの岩でインゴッド5本分半取れた。

 白っぽい光沢のある岩だ。

 同じ岩を探して精製をするとアダマンドが取れた。

 大喜びで精製を繰り返しアダマンドをインゴッド120本分確保した。

 面白いように取れるので途中で止まらなくなってしまった。

 ミスリルは結局取れなかった。

 次精製しに転移する時はここに直接転移しよう。

 あまり遅くなると心配・・・調合して出来た薬で笑顔のラーチェルが頭に浮かんで、たぶん心配してないなと思いつつ転移で宿屋に戻った。

 

 戻るとラーチェルが薬を眺めながら横になっていた。

 下で食事をし、その後外の貯水池で暗い中一緒に水浴びをした後寝た。

 

 次の日は一緒に商業ギルドに行った。

 ドルグ氏にアダマンドで装備を頼みたいのとラーチェルは薬を卸しに来る予定があった。

 商業ギルドの館にいたギンド氏に挨拶した後さっそくドルグ氏の店に行き、篭手の他にアダマンドを使って胸当てとラーチェル用に同じく胸鎧を頼んだ。

 それと投擲用の投げナイフを20本、パチンコ玉のような鉄の礫を袋で3つくらい購入した。

 材料のアダマンドを出したら驚いて製造の代金もアダマンドでくれないか?と言われ了承した。

 

 ドルグ氏の店を出てラーチェルが時々薬を卸している薬屋に寄った。

 今までのラーチェルの行動から薬を手放すなんてありえないと思っていたが、村でも薬屋をやっていて金を稼がなきゃならないからよく考えると当たり前かと思うようにした。。

 薬屋の店主はマルコムといい初老の男性だった。

 

 爺さんはお茶を飲みながら

 「村は残念じゃったなぁ」

 と事情は既に知っていたようで話をしていた。

 

 ラーチェルが

 「もし村の人に会ったら。」

 

 「会ったら?」

 

 「毒薬でも飲ませてください。」

 

 ゴフゥ。爺さんは盛大にお茶を吹き出した。

 その後、店には今までどおりハイポーションとマナポーションと今回少量できたマナポーションプラスを数個売った。

 それと無言で毒薬を置いていった。

 爺さんの顔色が悪い。

 毒盛る前に心臓止まって爺さんが先に死にそうだ。

 しかも解毒薬は売っていかないのか・・・

 

 

 

 商業ギルドに露店を出すために戻ると鎧が待っていた。

 姫さんじゃなくアーダンが来たのか。

 サイフの中身は既に空だろうに大変だな。

 「おはよう。姫さんに頼まれたのか」

 と笑いながら声をかけたら

 

 「それどころじゃない。ガブの町が竜によって落ちた」

 と鎧は深刻な顔をして言った。

 

 ガブはここから東の町でテュポンとの国境沿いにある。

 

 「地竜1体と飛竜1体合わせて2体が現れて町を破壊したらしい。地竜は町の防壁を少し越えるくらいのサイズだが突進して壁を破壊してそのまま町に侵入、飛竜は空を飛んでブレスを吐いて町を燃やしたと。この町の防衛隊から様子を見に数名見に行っている。それと王宮にも既に報告が魔法で行っている。おそらくフォール老師がすぐに戻ってくるはずだ。

 今ガブから避難民が到着してきている。けが人は教会に集めてもらっているが正直手が足りない。それであなたにはヒールと状態異常解除とラウンドヒールの付与がかかった道具を何個か用意してもらいたい。」

 「商業ギルドの皆さんには食料と薬類を用意してもらいたい。突然で無理なお願いだがよろしく頼みます。」

 

 「分かりました。急いで集めます。」

 とギンド氏。

 

 「分かった。教会に行けばいいんだな?」

 と俺。

 

 「頼む。教会にはアイシャさんも行っている。皆MPが切れて魔法の使用者は今は一人でも多いほうがいいんだ。」

 

 ラーチェルに教えられて2人で教会に向かっていた。

 町の防壁の高さが5mくらいだからこの間の熊より一回り小さいくらいか。

 それでも充分でかいな。

 そのサイズで壁を破壊できるのか。竜の特性か何かだろうか?

 

 ラーチェルに教会に祭られている神について聞いたら冷たい目線が返ってきた。

 神は全部で29柱で町では一つか2つの教会でまとめて祭られており王都だと29それぞれ別の教会になっているとか。

 1ヶ月は30日で日にちごとにそれぞれ神の名前の日がついており、それプラス魔族の神で30日になっていて12ヶ月360日で1年となっているらしい。

 ラーチェルが信仰している神は知恵の神ルーデで信仰心が篤いとスキルが与えられ、ラーチェルは知識の書というスキルを得られていた。

 

 そうこうしている間に町の中央近くにある教会についた。

 入り口は避難民でごった返していた。

 おっぱい僧侶を探し、なんとか教会の奥にはいった。

 おっぱい僧侶はMP切れで休憩していた。

 さっそくミスリルの欠片にヒール、状態異常解除、ラウンドヒールをそれぞれ2つ付与して渡した。

 こっちもMP切れで休憩モードに入る。

 ラーチェルも薬を取り出して近くの僧侶のお偉いさんに渡し、ラウンドヒールを4回使用した。

 ラーチェルも休憩モード。

 MP回復待ちで休んでいる人が多くて少し間抜けな感じだ。

 

 手持ち無沙汰ななので教会の外に出た。

 東の門の方向からは避難民が続いている。

 しばらく眺めていると亀のような騎獣を連れている女性が回りに対して声を出していた。

 

 「誰か、すみません。タロスの足を治してください。お願いです!」

 

 女性の頭には短い鹿の角のような物が生えていた。

 そして女性が連れている亀は前足が1本なくて今も血が滴っていた。


フォール老師:ジジイ

アイシャ:おっぱい僧侶

ロンド:アーダン

名前を忘れそう


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