僕はシスコン
2話目です。
今回は人物紹介がメインです。
ジリリリ......ジリリリ......
(もう朝か......)
僕は暗いなか、手探りで音源である目覚ましを探して止めた。
(もう少し寝よう......)
僕はもう一度暖かい布団の中へ頭を埋めようとした。
......パチン!
頭を埋めようとているとた誰かに頬を叩かれた......
知らない人が乗り込んできたのか?
......そんなわけない......
僕は渋々眼を開いた。
するとそこには自分と年もあまり変わらない美少女が......いるわけないか......
「いつまで寝てんの?早く起きないと遅刻するよ?......ったく......おーい!」
耳元で怒鳴られた。その上窓を開けられ、布団を取られた。なんて寒いんだ......
「はいはい......起きますよ......起きればいいんでしょ......」
起きるとそこには、制服を着た妹が立っていた。
妹。
僕には二人妹がいる。
今起こしに来たのが上の妹で矢島 由紀。
僕の方が10カ月だけ年上で学年も同じ。自分でいうのもなんだが、中々美少女だと思う。スポーツ万能で秀才。だからなのか、実の兄に向かって上からものを言う......
「私、亜紀のこと送ってくから先出るね。下に弁当と朝ごはんあるから適当に食べといて......もちろん皿は洗うんだよ?いいね?」
まるで母親のようなものの言い方だ。
二人目の妹は亜紀。
まだ幼稚園生で、人懐っこい。
このぐらいの年が一番可愛いのかもな......って別にロリコンじゃないよ?
「じゃーね、おにーちゃん!」
と言うと二人は家を出て行った。
僕もそろそろ準備するか......とその前に両親について軽く触れておこう。
父親は、僕が産まれてすぐに死んでしまったらしい。(僕はその時のことをあまり覚えていない)
母親子供三人を養うため夜遅くまで働いている。そのため、今日も家にいない。僕としてはいつか体を壊しそうで心配だ。
.......おっと、もうこんな時間か......僕は急いで皿を洗い、ダッシュで学校へ向かった......走ってる途中視線が集まっている気がしたが、気にしない。
「おーい!光輝~!」
後ろからいかにも運動バカそうなやつが僕の名前を呼びながら僕のダッシュの数倍の速さで走ってくる。
「オッス、光輝!」
相変わらず元気な奴だ。
「おはよう、健。時間結構ヤバいよ?」
走りながら僕は言った。
「え?いつもより速く来たつもりなんだけどな......」
(いつもどんだけ遅いんだよ......)
水田 健。
健とはいわゆる幼馴染みで、幼稚園の頃からの仲だ。僕が受験した学校(近所では一番の進学校)にスポーツ推薦で入学した。父親はスポーツ選手らしい。
「ハァ......間に合った......」
出欠ギリギリで滑りこんだ僕たちは、呼吸を整えながら席へ向か、席についた。ふと、後ろから視線が集まっている気がした。
(なんだろう......笑われてる気が......)
椅子の背もたれに寄りかかると背中に何やら紙が貼ってあるような音がした。背中に手を当てると案の定紙が貼ってあった。その紙には、
『僕は朝妹に起こしてもらわなければ起きることが出来ません』
と、書かれてた。
(これって......明らかに由紀の仕業だよな......?)
その日は皆に散々からかわれた。由紀、帰ったら覚えてろよ......
休み時間は皆でよってたかってシスコン呼ばわりされた。もっとひどいのが、朝礼の後だ。
「あんた、本当にシスコンだったんだ~」
ショートカットの女子が笑いながら話しかけてくる。
西崎 柑那。
柑那とは小学校の頃からの仲で、よく3人で仲良く遊んだ。高校入試の時も一緒の学校に行くために、僕が勉強を教えた。
「......どうせ僕はシスコンですよ......シスコンで何が悪い......」
僕は少しいじけながら言った。
「うわ! ついに言ったよ......引くわ......健~! 光輝が自分をシスコンって認めたよ~!」
と、クラスの教室で叫んだ。この瞬間
僕は終わりだと思った。(案の定、終わりだった)後で聞くと、登校中、健は気づいてなかったらしい。
こうして、新年最初の学校で幸先悪いスタートを切るのだった。
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