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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

命狩道

作者: 黒宮
掲載日:2026/04/23

家の前の道路はなにかがおかしかったんだ。


私は都内に住む27歳独身OLです。今のアパートに住み始めもう5年になる。きっかけは彼氏との同居の為に引っ越したのが始まり。駅やスーパー、銀行などが近く利便性に優れていた。さらには家賃が他のアパートなどに比べては安かったのが決め手だ。そこは2階建ての1階、2階ともに3部屋。他の住民は3人、私たち含め全員1階を借りており、建物正面から髪を染めてピアスが沢山開いてある大学生ぽいチャラそうな男性1人、定年を過ぎてそうなお爺さんお婆さんの2人、そして私たち2人の計5人が住んでいた。

真夏に暑いなんて文句をたれながら荷解きをしていた。

住み始めて数日が過ぎ荷解きも終わり、のんびりする時間が出来た頃、彼氏が不意に事故物件じゃね?なんて笑いながら言っていた最初は怖かったが3ヶ月経ちご近所付き合いも良好そのもので、疑念だった事も結局は何も起こらず、どうして安かったのか疑問は残りながらも日々を過ごした。


住み始めてから半年が経った頃の早朝、家の前で交通事故が起こった。新聞配達の自転車と軽自動車の正面衝突。自転車に乗っていた男性は即死だそうです。

ここいらは住宅街で時速30キロ制限なのだが自動車は50キロで走行しておりお酒も飲んでいたらしい。

出勤で外に出た時には多くの車の部品が散乱していたのとべっこり凹んだ車と車輪が歪んでしまった自転車、それと警察官が数人おり、野次馬が結構いた。窓からは見えなかったがかなり大きな音がなっていたのはこれが原因かと思いながら出勤した。

会社につき同僚に「朝さー家の前で事故が起こってたんだよね凄く怖いわー」なんて話を怖いねーなんて言い合いながらその日は過ぎ帰宅した。家の前に通った時には車や自転車は無かったが事故のあった辺りを見ていた時不意になにか影を見た気がし、朝のこともあり怖くなりすぐ部屋に入った。夜ご飯も済ませ、彼氏と事故の話になった時知ったことですが事故にあわれたのは道路から手前の部屋に住んでた大学生だそうです。

顔合わせた時には挨拶するぐらいの仲でしたが悲しかったです。


半年たった頃また死んだ。

その日は祝日で私も彼も仕事が休みで久々に二人でお出かけをしよう思ったがニュースで観測史上最も暑い夏と言っていたのと気温は40℃超える猛暑日だったのでやめにした。例年同様暑いなんて文句を垂れつつお昼ご飯にそうめんを茹でてた時に外から悲鳴が聞こえた。

慌てて、彼と外に出て道路の方へと走るとそこに隣のお婆さんが血まみれで倒れてて、すぐ近くに小学生らしい男の子と女の子がいた。彼には部屋に戻って救急車を呼ぶよう伝え、私はその場でその小学生達から話を聞こうとしたがパニックを起こしており上手く話せていなかったが断片的な言葉から話を察するに買い物を終えたお婆さんが熱中症で倒れ、倒れた先に電柱があり頭を打ったということらしい。

彼がタオルを持って戻ってきた頃には近所の人も声を聞いて集まってきた。通行の妨げになっていた事、日光が強かったこともあり日陰に場所を移した。血の匂いが強く意識が遠のきそうな中、私はタオルで傷口を押さえ救急車の到着待つ。十数分待っていた時、不意に電柱に目線を移し少し凹んでるのを見て案外人の力でも金属はすぐ凹むんだななんて現実的な事を考えていた時に何かと目が合った。ずっと見ていた。怖くなりお婆さんに方に視線を戻した頃に救急車が到着した。その日はいつもよりも早く寝た。

翌日警察が尋ねてきた、お爺さんが亡くなったと。電柱の近くで腹部に刃物が刺さったまま無くなったと。

私たちは知ってることを全て話した。昨日お婆さんが倒れ、病院に運ばれたこと、それにお爺さんも着いて行ったことを。

その後聞いた話ではお婆さんは病院につき数時間で命を落としたということ、お爺さんに刺さっていた刃物は他人の指紋が検出されなかったこと。恐らく自殺だったのだろうと。

私は偶然にも同じ場所で人が亡くなったこと、何かを見た事を彼に告げ、引っ越したいと彼に話したがオカルトなどに否定的な彼は偶然だと一蹴し、引っ越すことは叶わなかったです。


それから3年が経った。その間も新しく引っ越してきた人がいたが尽くそこの道路で亡くなるということが何度もあった。その都度、私は何かを見て怖くなり引っ越したいと言ったが彼は聞いてくれない。


ある日、彼女が死んだ。

またあの道路で亡くなった。

僕は後悔している。

引っ越していれば死ななかったのかと。

そういえば彼女がこんなことを言っていた。

他の住民の人も何かを見たと。

その人も亡くなった。

僕には何も見えなかったのに。

そして僕はある法則に気付いた、道路から手前の順に人が無くなることに。

今は僕以外住んでいる人が居ない。

僕は部屋を変えた。

引っ越し作業は全部自分でやった。楽だった。

今は道路から手前の部屋にいる。霊なんている訳がない。

道路からいちばん遠かった今までの部屋よりも近い方がいいに決まっている。

彼女との思い出の詰まったあの部屋よりも。

もう半年は経った。彼女を失って以来ずっと独り身だ。

近頃何かが僕にも見える気がする。

彼女を信じていればよかったと思う。

ごめんなさい。

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