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侵食世界「ヴァリァス」  作者: 弱十七
第三章 「先天奴隷」
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第八十七話 「部屋の主」

「B_R……!」

部屋の主はこちらにギロリと目を向ける。


剣が部屋の主の首の寸前まで近づいた時、セイエイが叫んだ。

「相棒、左から何か飛んでくるぞッ!」

「左ッ⁉」

俺は咄嗟に電撃剣で飛んできた何かを弾いて身を引いた。


床に刺さったのは無造作に破られた段ボールだった。

「段ボールだと……⁉さっきの手応えからして金属系のものだと思ったんだが……」

俺が剣で段ボールを突くと、カチャンとガラス片のような音が鳴った。

「これ本当に段ボールか……?どう考えても強度がおかしいような……」

「もしかしたら固い段ボールを操る能力なのかも……」

「なんで段ボールに拘るんだ?」

「僕じゃなくてアイツに聞けよ」


「$D_Q"……!」

部屋の主が背後から襲い掛かる。

暗闇の中から繰り出される攻撃を見切りながら隙を伺った。


「また段ボールが飛んできたぞッ!」

俺はもう一度適当に弾いて、段ボールのゴミを床にばら撒かれた。

「攻撃にしては殺傷能力が足りないな」


ホワァ……!!!!


段ボールが宙に浮き始める。

床にあった段ボールだけでなく近くにある段ボールの山からもいくつか浮いていた。


(何か来るッ!)


俺が床を蹴った直後、周囲に浮いていた段ボールが俺のいたところへ一斉に集まり一点に凝縮した。

そしてその一点から全方向へ鋭くトゲが生えた。

「これはただの段ボールなんかじゃない。この部屋の主の技だ。どういう仕組みで浮かせてるかはわからないが……」

『加速』を使用してヤツとの間合いを詰める。


「こんなところで時間を潰してる暇は無いッ!」

俺が剣を振るもヤツは微動だにしない。

そして剣がヤツの体に当たった。

「きッ、斬れない……ッ!」

手が震えるほど力を込めても、段ボールを切れない。


「段ボールをどかせばいいんだろ⁉これでも食らえ!」

セイエイは床から結晶を作り、ヤツにぶつけた。

ホコリが大量に舞っても攻撃の手を止めずにひたすら結晶をぶつけまくった。

「これでもか!これでもか!おらぁ!」

「いったんやめてくれ。倒せたかどうかも確認できないから」


俺は剣を構えたまま煙が消えるのを待った。

「……」


そのとき、部屋の電気が点き、俺の視界は一瞬だけ眩んだ。

俺は反射的に両目を覆った。

「ぐっ!」

腹に段ボールが重くぶつかる。

意識が一瞬だけ混乱の嵐に誘われた。


「大丈夫か⁉」

俺は手汗のにじむ冷え切った手をローブで拭いた。

「はぁはぁ……ゲホッ!……っはぁ、お前はヤツの動きだけ見ていろ。これから俺はアイツに猛攻を仕掛けるが、防御はお前に丸投げさせてもらう。準備はいいな?」

「お、おう!任せとけ!」

「ふぅ……行くぞッ!」


(『加速』ッ!)


姜椰が部屋の主に猛スピードで近づく。

繰り出される剣技を段ボールが余裕そうに捌いていく。


一方で、防御から流れるように襲ってくる段ボールをセイエイの結晶が華麗に撃ち落とす。

互いに一歩も引かない戦いが長く糸を引く。


「D"7JR>U……!」

俺が正面から突撃すると、ヤツは段ボールの弾幕を放った。


(大丈夫だ。今の俺達なら、倒せない相手なんかじゃない!)


俺はセイエイを信じて、ただひたすらに直進した。

目の前に生成された結晶の柱を避け、部屋の主と決着をつけるために俺は走る。


向かい風が汗を冷やす。

体温がちょうどよく冷えていくこの感覚がすごく心地良い。


(『加速』……最高倍率ッ!!!!!)


段ボールで防がれる前に斬る。ただそれだけだ。


「この一撃で……!」

電撃剣の刀身が青く光る。

段ボールがゆっくりと動き始める。

「……終わりだッ!」


電撃剣が部屋の主の頸を斬った。

頭は後方に転がり、体は力なく床に倒れた。

「はぁはぁ……!」


頬を伝う汗を拭った。

剣をしまったとき、右手に段ボールが突き刺さっているのに気がついた。

「ふん……」

躊躇わず抜いて床に捨てた。


「やっと倒せたな」

「段ボールを使う化け物か……どんな理屈で動かしていたのやら……」

俺は出口があったところへ向かった。


「……セイエイ、破壊できるか?」

「やってみる」

結晶が壁にぶつかったが何も変化はなかった。


アアァ……!!!


「まだ……生きてたのか」

俺はゆっくりと振り返る。

部屋の主の体部分が段ボールを掴んだ。

「……何か来るぞ」

俺は剣を抜いた。


しかし部屋の主は俺の予想の斜め上を行った。

掴んだ段ボールを自身の体内に取り込み……否。元に戻した、という方が正しいかもしれない。

積み上がった段ボールが全て部屋の主の近くへ集まり、余すことなく部屋の主の一部となった。

「今は何時かわかるか?」

突然、部屋の主が理解できる言語を話し始めた。


「今度はちゃんと話せるのか……」

「……今は何時かわかるか?」

部屋の主は同じことを繰り返す。

「今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?今は何時かわかるか?」

「……セイエイ、もう一度やるぞ」


俺は部屋の主にもう一度斬りかかった。

「今は何時だ……!」

「⁉」

部屋の主がこちらを睨んだ途端、床がカーペットのように捲れて俺を吹っ飛ばした。

吹っ飛ばされた俺は、頭を天井に斜めからぶつけ、床に着地した。


「なんだ今のは……⁉」

困惑する俺を差し置いて部屋の主は攻撃を開始した。

俺のいる床だけがまた捲れ始める。

床はみるみる傾き、俺は身を引いた。


「相棒、前を見ろ!」

「!」

俺が床を見ている間に次の攻撃が開始されていた。


ガチャン!!!パリーンッ!!!


天井から勢いよく飛んできた電灯が俺を襲った。

ぶつかったものは全て粉々に割れ、壊れ際に盛大な破壊音を叫んでいた。


(床……電灯……消えた出口……部屋に置いてあった段ボール。無生物であるはずのこれらがこんな都合よく俺を襲うはずが無い……)


「……!まさかコイツの能力は……」


部屋にあるもの全てを自由に操作できる能力____ッ!!!!!!

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