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侵食世界「ヴァリァス」  作者: 弱十七
第三章 「先天奴隷」
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第七十四話 「蒼電剣・厄無」

俺は翌日の朝、黄月さんに例の武器のことを連絡した。

そして今、その返信が来ていた。

(明日の放課後にお伺いしてもよろしいですか?)


俺はそれに了承の旨のメッセージを送った。


「神村殿、おはようございます」

「おはようございます。さ、上がってください」

俺は黄月さんを客間に案内して例の武器を差し出した。

「まさか本当にあるとは……」


黄月は姜椰から剣を受け取ると持ち上げたり刃の部分を指でなぞった。

じっくり見るとその剣を姜椰に返した。

「あなたは本当に運が良いですね」

「俺がですか?」

「『蒼電剣・厄無』はとある武器職人の方が神村殿の父上(古村青叡)に贈ったものです。あの日以来、もうこれを見ることは無いと思っていたのですが」

黄月はスマホを取り出し、何かを検索し始めた。

「黄月さん、この剣の性能とかはわかりますか?」

「性能だけで言えば、あなたがよく使われている電撃剣と大差はありません。ですが最強が使っていただけあって基礎の性能が他とは格が違いますよ」

「基礎……?」


黄月は俺の前にスマホを差し出した。

出された画像には黒い直方体があった。

「そもそも並の武器では当時の彼のパワーに耐えられません。ですがこれは何をしても傷一つつかず、ヴァリァスの侵食も無効化します。そういった点で普通の電撃剣よりも何倍も優れているのです」

「なるほど……」

「そして一番の見どころはこれです」

「この黒い箱ですか……?」

「それは昔の電撃剣のバッテリーです。今より一回り大きいですが、蒼電剣のバッテリーはこれです」

彼は画像をスライドした。

出てきたのは指二本分ほどの小さな直方体だった。

「現代の電撃剣よりも小さく、蓄電量も桁違いです。そしてこれはロストテクノロジーと言って、もう製造方法が失われてしまいました」

「つまりもうこれは……」

「使えません。普通の剣としてなら使えますが、それなら今の電撃剣の方が威力は出るでしょう」

「ちなみにこれの値段とかは……」

「甘く見積もっても0が9個は着くと思いますよ。もし復活したら世界最強の武器になり得ますし、分解してパーツにするだけでも億はすると思います」

「どうしましょう?」

俺は間抜けな顔で黄月さんに助けを求めた。

「盗まれるのが嫌なのであれば任務でも携帯しておき、もし面倒であれば押し入れに封印しておけばいいでしょう」

「……」

「私は機械ですから、生みの親の遺物を渡された時の心情は考えることすらできませんが……お守り代わりに持っていてはいかがですか?」

「お守り……」

俺は蒼電剣を握る手の力を強める。

気持ちに応えてくれるように鞘が押し返してくれたような気がした。


「私も蒼電剣のバッテリーを作れるか試してみます。できたら連絡はしますが、あまり期待はしないでください」

黄月は客間を出て玄関で靴を履き始めた。

俺は彼を見送るために急いで客間から飛び出した。

「いつもありがとうございます」

「いえいえ。こちらこそ色々と学べることがあって、むしろ礼をしたいぐらいです」

黄月は浅く礼をして帰っていった。


「蒼電剣……少し調べてみるか」

俺は自分の部屋に直行し、パソコンを起動した。


「何調べてるんだ?」

セイエイがどこからか顔を出した。

「『蒼電剣・厄無』……とある武器職人が納期を勘違いして、材料を適当に混ぜて作ると全てにおいて万能な性能を発揮して誕生した武器。しかし蒼電剣の製造方法は製造者自身も知らず、それを真似て作られたのが電撃剣である……だとさ」

「でも電気が流れないんだったら普通の剣じゃないか」

「一応切れ味は問題なさそうであるが……実戦では使えないかぁ」

俺は落胆のあまり、息を吐き切って背もたれに身を委ねた。


「ふぅ……」

天井を見上げ、目を閉じた。

肩の力を抜くとさらに体が落ち着く。

「もう十一月か……一年は早いな……」

そっとカレンダーを見た。まだ捲っていなかったので十月で止まっていた。


「もう三十年か……時間は早いな……」

「お前だけは規格外だって」

「相棒が死ぬまで一緒にいるぞっ!」

セイエイがはしゃぎながらペタペタと机の上を走り回る。

「少し落ちつ……」


ドゴォーーーーン____!!!!!


「地震かっ⁉」

窓を開けて見渡した。少し離れたところから煙がもくもく上がっている。

「……ヴァリァスだな。行くぞ」

俺は隊服に着替えて電撃剣を二本取った。


蒼電剣を左腕に巻き付け、電撃剣はいつも通り腰に着けた。

「どこにつけてるんだよ」

「左腕だったら防御にも使えて剣も取り出しやすいだろ」

「なんか動きにくそうだな」

「どうだろうな」


俺は窓から飛び出して着地した。

その瞬間に地面がまた震えた。


「派手に暴れてるみたいだな」


俺は地面を蹴った。

左腕にある蒼電剣のせいで少し体が重かったが、構わず煙の方向へ向かった。

近づくにつれて立ち昇る煙が増えていく。


(黄月さんも来てくれるといいんだが……!)

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