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第二百三十話 「終わらぬ物語の続きを綴る」

一番隊:宮坂試練(生存)

二番隊:神楽坂紫影【死亡】

三番隊:月海津波(生存)

四番隊:墓庭龍 【死亡】

五番隊:今川晴斗(生存)

六番隊:冬野時雨(生存したが右腕欠損)

七番隊:前野佐代斗(生存)

八番隊:黄月輝  【破壊】

九番隊:城城弥生 (一応生存)

十番隊:救威小春 (生存)

『相田想決の乱』が終わった後、日本政府は街の修復に尽力していた。


想決は『Zランクヴァリァス』を改造し、範囲内の人々をヴァリァサーに変化させる道具を使ったようだ。最終的に被害は中部地方、関東地方、東北地方に及び、合計三百万人が犠牲となった。


慈串帆誉、玖維、アリィなどの優れた隊員もこの世を去った。


 ◇


月日は過ぎ十二月下旬、姜椰は都内のとある病院の屋上で景色を眺めていた。


(誰かが想決の足を引っ張っていたが、前野総隊長が連れて来た空束綾斗とかいう男の能力だったのか。本当に色んな人の世話になったな……)


「いくら死体が処理が不要とはいえ、復興には時間がかかりそうですね。ここ一ヶ月でヴァリァサーが無数に現れて特殊部隊の首が回らなくなってるそうですよ」

「僕も手伝いたいんだけどね……」

姜椰は今川に目を向けた。見た目は大丈夫そうだが、まだ骨に問題があるとかないとか。

「今川さんって意外とタフなんですね」

「まさか。君のおかげだ」


姜椰は戦闘が終わった後、侵食された今川からヴァリァスを吸収した。おかげで仮死状態となっていた今川は一命を取り留めることができた。

風に揺られながら喋っていると、今川が言った。

「そういえば彼女は無事なのか?想決に撃たれたって聞いたけど」

「申奏ですか……?大丈夫もなにも……撃たれたあとに自力で移動して想決の頭を撃ち抜いたんですよ。搬送されるときもずっと俺の手を握って泣いてました」


今川の失笑に釣られて姜椰も笑った。どこか嬉しそうな二人の後ろに誰かが近づいてきた。気配に気づいた今川が振り返った。

「あれ……もう動いて大丈夫なのか?」

「全然。かなり無理してる」

如月が松葉杖をついて現れた。姜椰は「あれ?」と如月の登場に少し驚いた様子を見せた。

「安静にしなくていいんですか?」


如月は姜椰と目が合うと思いっきり睨んだ。

「聞いたよ。私が死んだって報告したって」

「ああ……なんせ鼓動が止まってたので」

すると如月は大きく溜め息を吐いた。

「当たり前でしょ。君、私の懐にあった槍を挟んで鼓動を聞いてたんだから」

「神村も動揺してたんだよ。な?」


姜椰はコクコクと頷く。

「当然ですよ。如月さんが死んだら誰かさんが悲しむじゃないですか」

「はあ⁉」

姜椰の冗談に今川はすぐに否定した。

「僕はそんなこと言ってない!」

「俺も今川さんの名前は出してませんよ?」

姜椰はニヤけながら言うと、如月と今川の目が合った。

「お似合いですよ」


姜椰の一言を聞くと、二人は互いに顔を背けるのだった。


 ◇


それから三か月後、申奏は傷も完治して退院した。そんな彼女は姜椰と同棲を始めていた。

「前食べた時よりもおいしい……!」

申奏は半ばがっつくようにご飯を放り込む。すっかり元気になった彼女を見て姜椰は満面の笑みを浮かべていた。

「退院できたとはいえ、あまり無理するなよ。少しはゆっくり……」

「ごちそうさまでしたっ!」

「お、おお……」

手を合わせる申奏に、姜椰は少し引いていた。まさか彼女がこんな早食いとは思ってなかったようだ。


「食べ過ぎたかな?」

「回復した証拠だ。自然だと思う」

「そうだよね!」

茶碗片手にウッキウキでご飯を盛る彼女の後ろ姿に、姜椰は思わず魅入ってしまっていた。


「姜椰……?どこ見てるの?」

「ん……ああいや。少しボケっとしてただけだ」

「……」

申奏は急に席を立つと、姜椰の横に座った。

「どうかしたのか?」


ぎゅっ__。


申奏は何も言わず寄りかかるように姜椰へ抱きついた。椅子を近づけ、できるだけ体も密着させて顔を彼の胸へこすりつける。

「……」

姜椰も彼女を近づけるように抱き締めた。


十数秒経った頃、申奏は顔を上げた。

「好き……」

「ん?なんか言ったか?」

頬に赤みを残しつつも笑顔な申奏に聞き返す。


「大好きっ!」

申奏は姜椰の膝の上に乗り、全力で抱きついた。

「箸持ってるから危ないって」

「ねえ、姜椰も言ってよ。大好きって、ほら!」

「え……俺も……大好き……」

姜椰が恥ずかしさで目を逸らすと、申奏はニヤけながら姜椰の視界に顔を出した。


すると彼女は微笑みながら元気よく言った。

「これからもよろしくね、姜椰!」

「ああ、こちらこそよろしくな」

姜椰も微笑み返すと、申奏はニヤニヤが抑えられなくなった。

「えへへ!」


二人はもう一度強く抱きしめ合い、互いに深い愛情を示した___。

「侵食世界『ヴァリァス』(サブタイ省略)」作者の弱十七です。

初めにここまでお読みくださった読者の皆様に多大なる感謝を申し上げます。


第一部はこれにて完結となります。完結まで一年弱ほどかかりましたが、最後まで書き上げられたのは皆様の応援のおかげです。本当はもっと感謝の意を書き殴りたいところですが割愛させてください。


さて今後の連載についてです。本作は『第一部』『第二部』『第三部』構成になるつもりです。まだ執筆はしていませんが、どちらも構想はそれとなくできているつもりです(多分)。連載が再開されるのは来年の三月を予定しています。


では改めて応援して下さった皆様に感謝を。連載が再開されたら通知が行くように、下からブクマ追加してもらえると嬉しいです。


最後に。読者の皆様とまたいつか会える日を待っています。一年間ありがとうございました。

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