表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
212/216

第二百八話 「時の経ち方」

十一月二十一日午後十一時過ぎ___。


「はぁ……」

「退屈ですか?」

「当たり前よ。一般人の避難は終わったのに、待機なんて」

そう愚痴を零していたのは月海津波(つぐらみつなみ)とその部下だった。彼女は車の荷台に座り込んで待機していた。


「敵出現!!!敵出現!!!」

「隊長!!化け物の大群が現れました!!!」

隊員の一人が声を上げる。全員が警戒して構える中、月海だけは違った。


「ようやく来たわね……」

焦る様子も無く立ち上がると、剣に手を掛けた。

「準備運動には……ちょうどいいかしら」


ウォォォォォォォォン!!!!!!!!


狼のような遠吠えと共に化け物の眼が赤く変わる。その不気味さにも彼女が怖気つくことはない。むしろ部下たちを下がらせて我こそはと先陣を切った。

「行くわよ」

「了解!!!」


相手は一帯を埋め尽くす数、対して月海達は九人。しかし頭数が不利なのは最初だけだった。

「訓練が足りないわ」

月海の二刀流による斬撃が狼の大群を蹴散らしていく。一人で群れの中を突き進む月海とは違い、部下達は各々役割分担して戦っていた。


「あと少しね」

月海は攻撃の手を緩めるどころか、逆に加速して化け物を切り刻んでいった。最後の方は部下達は見守ることしかできず、月海が剣を振る毎に化け物の悲鳴が響いた。


「フッ!!!」

「ガゥゥ……!」

最後の化け物も盛大に切り捨てると、月海は剣を振って血を振り払った。


隊員が月海に拍手を送った。

「流石ですね」

「いつも通りよ」


キィン!!!!


異変に気づいた月海が隊員に向かって剣を振るった。

「何者?溶け込み過ぎてて気づけなかったわ」

「ちょっと……急になんですか。部下に襲い掛かるなんて……」


隊員を名乗る女は月海の攻撃を弾いた。

「アタシの隊にアンタのような顔はいないわ。それにアタシの攻撃を受け止められるのもおかしいわ」

「フフン。自分の腕に自信があるのですね」

「アンタが『互』の刺客なのはわかってるのよ。死ぬ前に名前ぐらい言ったらどう?」

すると女は手で口を隠した。

「フフン。自分の腕に自信があるのですね……」


(気味が悪いわ……存在が空気だったし文脈を汲み取った会話さえもできてない。この女が『互』なら間違いなく特殊能力を持っているはず。それさえ気をつければ……)


月海らが様子を伺っていると、女は突然夜空に向かって両手を差し出した。

時迷巡(ときめいじゅん)……これより最良の未来を選択致します」

「……スピってるのかしら。頭にアルミでも巻いてから来るといいわ!!!」

月海が斬りかかり、刃が時迷に向かっていく。


フィン___!!!!


「?」

月海は硬直した。

「今……何が……?」

「おや……私を斬らないのですか?」

「何したの……もしかして、それがアンタの能力……ッ⁉」


時迷は敵意の欠片も無い笑顔を浮かべた。

「はい、今のは最良の未来ではありませんでしたので……」


彼女の背後には砂時計が三つ浮かんでいた。

お読みいただきありがとうございます!

⇩からブックマーク追加、★★★★★をお願いします!あなたの評価がモチベに繋がります!


できるだけ毎日更新しているので、チェックの方よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ