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第百二十八話 「もう少し夜が永ければ」

「おいしい……!」

「それはよかった」

姜椰と申奏は向かい合うように座って夜ご飯を食べていた。

普段の任務の話や学校での出来事、身近にあったことを共有しながら過ごしていた。


「なんかさ……私たち、夫婦みたいだね」

「ゲホッゲホッ……変なとこ入った……!ゲホッゲホッ!」

姜椰の咳が収まる頃には少しだけ涙目になっていた。

「急に変なこと言うな」

「ふふっ……ごめんね?」

申奏はからかうように言った。たしかに夫婦と言われればそうかもしれないが、どっちかというと同棲したてのカップルみたいな感じだ。いや、実際にそうだ。


(色々あるだろうが、いつか大人になった時に彼女と一緒に笑い合える生活を送れるといいな……そう考えると、やはり俺はまだ死ぬわけにはいかないよな)


 ◇


「シャワーありがとね。次どうぞ」

「ああ」

姜椰はニュースの画面をつけっぱなしにしたまま、スマホの画面を見ていた。

「私は今夜はどこで寝ればいい……?」

「……俺はソファで寝るから、申奏はベッドで寝な」


すると申奏は少し黙ったあと、純粋に質問するように聞いた。

「あの時みたいに一緒に寝ないの?」

「あぁ……君はもう少し距離感を調整した方がいい。付き合ってまだ半年も経ってなく、しかも高校生なのに……」

「何言ってるの。別にそういうことするとかじゃなくて、単に私の近くにいてくれないと困るってだけだよ。一応今は危ないし」

「あっ……」

姜椰は「ごめん」と小さく謝り、その場を去った。


その後、俺はシャワーが終わり、寝る準備を始めた。

「セイエイ、寝るぞ」

コイツはさっきからリビングを走り回っている。どうやら最近運動不足で太ったらしい。

「僕は邪魔しない方がいいか?」

「邪魔って……別にどっちでも構わないな。できるなら窓に潜ってほしいところではあるが……」

「じゃあそうする。くれぐれも避妊が失敗しました~、なんてならないようにな」

「や、やるわけないだろ。そもそも(ゴム)無いし……」


(ダメだダメだ。俺は彼女を愛するだけで体の関係はまだ……!)


それから理性と本能の激しい攻防が繰り広げられ、ついに理性が勝利した。

自分の部屋に入ると、布団がもぞもぞと動いていた。

「早く寝よ。明日も学校だよ」

俺はそっと布団を捲り、ごそごそと中に入った。

「明日学校なら荷物はどうするんだ?」

「あぁ……まあ明日は先に家に行ってから学校に行くよ」

「危なくないか」

「ん~……まだお父さんが家にいるかも……」


申奏が俺の右腕をぎゅっと抱きしめる。パジャマに身を包むクッションからはほんわりとした温かみと心臓の鼓動が微弱に伝わっていた。

「明日は学校は休んだ方がいい。セイエイをここに置いていくから、何かあったら頼ってくれ」

「うん。ごめんね……何から何までお世話になっちゃって……」

「気にしなくていい……今まで何も無かった俺の日常に色をつけてくれた……お礼だから」


姜椰は寝息を立て始めた。

呼吸以外では全く動かない彼の横顔をじっと見つめた。

「おやすみなさい__」


申奏は彼が目を開けないことを祈ってそっとキスした。

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