表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
131/230

第百二十七話 「一夜の同居人」

「さっき、私の家に誰かが入ってきたの。とりあえずその場は隠れてやり過ごしたんだけど、とりあえず姜椰に相談したくて……」

「俺よりも先に警察に言うべきだろ」

「それはそうなんだけど……」

彼女はファイルを抱きかかえるように持っている。それにまだ周囲を警戒しているようだ。


「今持ってるそれが俺を呼んだ理由か?」

「うん。あ、でも内容が内容だからちょっと……ね?」


(というか他人を自宅に入れるのって彼女が初めてなのでは……?しまった、最近は忙しくて掃除とかまともにできていなかったんだ……!)


俺は気づけば家の前まで来ており、我に返らなければ通り過ぎるところだった。

「ここが俺の家。とりあえず上がって」

「うん。お邪魔します……!」

申奏をリビングまで案内して適当にお茶菓子を出した。

彼女は怪しいファイルをテーブルの上に置いてお茶を一口飲んだ。


テーブルにはセイエイが毛づくろいしながらファイルの中身を見ていた。

「他人の家だから落ち着かないと思うが、その用件とやらを聞かせてくれないか」

「あぁ……これなんだけど、ちょっと読んでみて」

「……ヴァリァスの活用による………死者の蘇生ッ⁉」

多分近隣住民にも聞こえたであろうほどの声量が出てしまった。

そして俺は半分投げ捨てるように紙っぺらをテーブルの上に置き、背もたれにぐったりと寄りかかった。

「申奏、これはどこにあった?」

「私の……お父さんの部屋。お父さんさ、いつもリビングで寝てて、だからもう半年は誰も部屋に出入りしてないはずなの。それで今日は久しぶりに掃除しようと思ったら、それが机の上にあって……」

「なるほどな……ならきっと、部屋に入ってきたのは父親なんじゃないか。これを回収したくて自分の部屋に戻ってきた……とか」


するとセイエイが口を開けた。

「一応僕から解説するとだな、ヴァリァスが出現した時に化け物も同時に現れるだろ。あれは時代こそ不明だけど昔に存在していた生き物を再現しているんだ。これも似たようなことをして死者蘇生なんて馬鹿げたことを謳っているんだ」

「で、申奏の父親がこれをしようとしているってことか……」

彼女の方を見ると、表情が強ばっていた。

「どうしたんだ?」

「お父さんから電話が……!」

「はぁ……確定だな。おそらく『ARL』や『互』も絡んでるだろうし、こういう人間救済措置的なことは想決も一枚嚙んでそうな気がする」

「こ、これ無視してもいいよね……?」

申奏は怯えながら俺を見つめる。俺は自分一人で解決できるほど簡単な問題ではない気がしていた。


(今川さんや弥生に相談した方がよさそうだな。今の俺一人ではあの連中から彼女を守れる気はしない。それに報連相は大事だしな……ただ一番の問題は……)


「その……今日はどこで一夜過ごすつもりだ?」

「!」

申奏はハッと何かに気づいたようだ。

それからお互いに目が合い、そして変な方向に視線をやることになった。


(年頃の娘に聞くようなことじゃなかった……!でも一応恋人ではあるから……だからこそ聞かない方がよかったのかも……)


「二人とも暑いのか?顔真っ赤だぞ」

「うっ……」

お互いに少し気まずそうな顔で目を合わせる。

「泊まって……いくか?」

「あなたさえよければ……」

「わかった。じゃあ夜飯の用意するからゆっくり待ってて」

俺が台所に立つと彼女も席を立って隣にやってきた。

「私にも手伝うよ。こう見えても料理はできるし」

「女子力高いんだな」


「……」

二人がイチャイチャ(?)する様子をセイエイは後ろから見ていた。

「相棒ってば、デレデレしちゃってさ。普段はあんなんじゃないのに」

ご愛読ありがとうございます!

この作品が気に入った方はブックマークや☆5をつけてくれると嬉しいです!

毎日18時に投稿するので、チェックの方よろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ