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侵食世界「ヴァリァス」  作者: 弱十七
第三章 「先天奴隷」
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第九十五話 「何も知らぬハインドランス」

1月8日同刻__。


俺は家でのんびりしていた。

「お前最近太った?」

「ん……そうか?相棒が作るご飯しか食べてないんだけどな」

「出会った時よりも腹が膨らんでる気がする」

「僕だって成長するんだからお腹だって大きくなるに決まってるだろ!」

セイエイはエアコンが効いている俺の部屋を飛び回った。

「ふぅ~……いい運動した。少しは痩せたんじゃないか?」

「腹動かしてないのに痩せるわけないだろ」


ビビビビビビビビビ!!!!!!!!


「セイエイ、任務だ」

俺はすぐさま着替えて家を出た。


今回指定された場所は『ヴァリァスデータ集約所』というところだ。

俺は今日初めてこの名前を聞いたし、こういった施設があることも今知った。


無線からの伝達によると、ヴァリァスの化け物が大量に出現したらしい。

しかもヴァリァスは発見できていないのに、化け物だけが突然現れて周囲の人間を襲っているのだとか。

「化け物……まさか想決が動いたのか……⁉」

俺が走っていると目の前に化け物がひょっこりと現れた。

「言われた場所からはかなり離れてるのに……まさかここまで行動範囲が広がっているのか」

「ウウウウゥ……!!」

「甘く見てもCランクか。行けそうだな」


俺は『加速』を使って化け物の頸を斬った。

辺りを見渡すと、出現したであろう化け物たちがそこら辺に蔓延っていた。

「やれるだけやるか……!」


俺は『加速』を使用したまま突き進み、道中にいた化け物に通り魔のように襲い掛かった。

そしてひたすら走ってようやく集約所に到着した。

その光景を見た時、俺は思わず何回か瞬きしてしまった。

「一体何があったんだ……ッ⁉」


風邪ひいた時に見るような、何を言いたいのかわからないような悪夢みたいだった。

「ガァ!!!!」

俺は反射的に『加速』を発動して背後から襲い掛かる化け物を斬った。

斬られた化け物が倒れると、その後ろからさらに別の化け物が襲ってきた。

「数が多すぎる……!」

俺以外にも駆けつけた隊員はいる。しかしそれでは対処しきれないほど化け物がいる。

今もさらに応援に来てくれた隊員はいるが、山火事に唾液を垂らしたようなものだ。


ボォーーーーーン!!!!!!!


「また化け物の仕業か……⁉」

爆心地の方を見つめ、煙から出てくる者をこの目に映した。

「黄月さんか……!」

俺は彼のところへ駆け寄り、今起こっている状況を尋ねた。


「ここには私を制御するシステムがあります。ですのでそこを乗っ取られないように私自ら出向いたのですが……」

彼は周囲の敵の数を確認した。

「見ての通り、いくら私の機構をもってしても少しばかり多いです。ですから私の方で強力な助っ人を呼ぶように本部の方へお願いをしておきました」

「助っ人……今川さんですか?」

「あそこにいらっしゃいます」

俺は黄月が指す方を見た。


ポニーテールの少女が両手に拳銃を持って戦っている。

彼女は化け物に囲まれていた。

「申奏……!」

俺が助けに行こうと足を踏み込んだその時、黄月は俺の隊服を引っ張った。

「必要ありませんよ。こういうのは彼女が一番得意ですから」

「しかし拳銃は近距離戦では……!」

俺は黄月の言うとおりに戦闘の成り行きを見守っていた。

もし一瞬でも彼女の身が危険に晒されたのなら制止を振り切って助けに行けるように準備はしておいた。


すると申奏は全方位から襲ってくる化け物の弱点を一発ずつ正確に撃ち抜いた。

化け物が血を流して地面に倒れる。


しかし彼女は銃を下ろさなかった。

「ふぅ……」と静かに深く息を吐き、目を見開いた。

そして銃弾が光線のような速さで発砲され、周囲で戦っていた隊員に一切当てることなく化け物を殲滅してしまった。


「これだけの数を一人で……」

たった今地面に転がった亡骸の数は少なく見積もっても八十近く。しかも彼女は弾切れした瞬間にリロードして次の射撃に移っていた。


(何をどう訓練すれば片手でリロードしながらもう片方の手で精密な射撃ができるんだ……⁉)


俺は感心よりもその技術に驚いて固まっていた。

黄月は隣でコクコク頷いていた。どうやら申奏の射撃にご満悦のようだ。

「やはりいつ見ても彼女の射撃は見事なものです。彼女の本領は味方を一切巻き込まない集団殲滅……しかもこの数ならまだ余裕でしょう」

「ソロSランク筆頭ってこんな強いのか……」

俺は申奏のところへと走った。


申奏はマガジンの確認をすると、顔を上げた。

「よし、残ってる敵は……」

「申奏!」

彼女に俺の声が届いたのか、俺の方を見るなりすぐに駆け寄った。

「姜椰も来てたんだね」

「大丈夫か?怪我は無いか?」

「うん、大丈夫。あの程度で怪我するようじゃSランクの名が廃るからね」

そう言うと申奏は空に向かって二発発砲した。


それから五秒ほど経つと、地面に何かが激突した。

「今は何を撃ったんだ?」

「空中から私達を狙ってた化け物だよ。さっきからいつ撃とうか見極めてたの」


(真の化け物ってコイツだよな……)


そこに黄月もやって来た。

「門のところにいる化け物は大方片づけました。残党の処理は臣桜殿に任せてもよろしいですか?」

「はい、わかりました。またね、姜椰」

「ああ、気をつけて」

申奏は向こうの方へ行ってしまった。


黄月は門の方へと歩き始めた。俺の急いでその後を追う。

「集約所内へ向かいましょう。侵入者を止めるために、すでに何人かの隊員が中へ送られているはずです。ひとまず彼らと合流できればいいのですが……」


二人が門のところへ行くと警備員が無惨な姿で倒れていた。

「神村殿、見てはいけません。見るのは前だけにしてください」

「すいません……」


辺りには血の匂いが濃く漂っていた。

門をくぐると、それはさらに強くなり向こうに見える建物の玄関は大きく穴が開いていた。


そこら辺に化け物の死体が転がり、その死体は崩れている最中だった。

玄関まで来ると壁に血飛沫がついていた。

その壁に寄りかかっている女の警備員は頭の上半分が無くなっていて、男の方は胴体に斬撃を食らって倒れていた。

「ここの見張りもか……」

男の方の首に手を当てたが脈はすでに止まっていた。

「おそらく侵入者にやられたのでしょう。相手は相当な手練れのようです」


黄月は建物内へと足を進める。

俺もゆっくりと立ち上がり、殺気が漂う建物内に身を投じた。

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