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1 「何を願う?」
「ねぇ。もし一つ何でも願いを叶えてもらえるなら、何を願う?」
「んん...迷うけど、飴の雨を降らせてほしい!」
私が言うと、君はふっと優しく笑う。
「何それ絶対痛いじゃん(笑)」
「ええ~全部食べればいい話じゃん」
君はスルーして、話を続ける。
「...うちはね、この夜がずっと続けばいいなって思うんだ、」
君と私はこの時間だけ、一緒にいられる。
幼い私はそれを何故だか知らなかった。
「?でも何で朝は一緒にいられないの?」
この言葉が、どれだけ君を傷つけたのだろう。
どれだけ、君を苦しめただろう。
それでも君は笑った。
悲しくなるほど、君の笑顔は美しかった。
「いつか一緒に外で遊ぼうね」
「うん!」
やっぱり、悲しくなるほど貴方の笑顔は美しかった。