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肆天の守護者-虎軍奮闘記-  作者: 藤沢蓮
12/12

再会

今回短いです許してください

音虎の怪我から音虎は怪我が回復し、ある程度任務をこなせるようになってきていた。今日も晴と二人でゲート周辺の怪威狩りとパトロールをしている。


 「音虎ちゃんも慣れて来たわね、そろそろ一人でもこなせるんじゃない?」

「そぉ?まだ晴姉さんに助けてもらってばっかだよ。」

「次のとこは音虎ちゃん一人でやってみない?そうしたら大丈夫かどうか分かるわ。大丈夫、危なくなったら助けるわ。」

「わかった、やってみる。」


 小高い丘の麓に怪威が何体かいる。二人は近くの茂みに身を潜め、様子を伺っている。


「どう?行けそう?」

「これくらいなら何とか?」

「そう、いってらっしゃい。」


 晴はそう言って音虎を茂みから押し出す。目の前には怪威の群れ、全員こちらに気づいている。音虎は心の中で晴に文句を言っているが、怪威はそんなことお構いなしに攻撃をしかける。音虎はタイミングを合わせ地面を蹴り高く飛ぶ。


 (怪威は…8体。)


 数を把握し、手元に意識を向ける。


「雷球」


 そう呟くと手元でバチバチと音を立てながら3つほど雷の球が生成される。落下の勢いに合わせて一体の怪威に投げつける、砂煙が舞い怪威が隠れる。音虎は迷いなくその中へ突入する、その直後雷鳴が空気を切り裂く。砂煙を掻き消して現れるは真っ二つになってた3体怪威と、腕を振り抜いた音虎だ。他の怪威は萎縮することなく音虎に向かって行く、蟷螂型が鎌を振り下ろす。音虎は構わず怪威の懐に潜り込む、鎌は地面に突き刺さり音虎に掠りもしない。そのまま音虎は首元目掛けて腕を突き出す、体液が飛び散り首が落ちる。人行き着く間も無く後方から飛蝗型が突撃してくる、超スピードの体当たりは喰らえばひとたまりもない。音虎は雷の玉を作り怪威に向かって投げつける、しかし、怪威のすぐ横を通り外れてしまう。その時だった、一瞬音虎の体に電気が走ったかと思えば次の瞬間には音虎は怪威の後方へ移動している。そこはちょうど玉があった位置だ。


 (実践じゃ初めてだったけど…うまく行った!)


 音虎独自オリジナルの術、『雷玉』。当初分かっていたのは自身の魔素を用いた攻撃の威力を増幅させるものだった、しかし、もう一つ判明した効果があった。それは、“自身の魔素を含んだ物体、及び魔素そのものを吸い付ける”効果だ。つまり、音虎は『雷玉』を怪威の後ろへ放りその位置へ擬似的にテレポートしたのだ。そして、当然ながら威力増幅の効果も発動する。つまり、怪威の背後から放たれる次の一撃は残りの怪威を蹴散らすには十分すぎる威力を発揮する。雷鳴が轟き、右腕が青白く光る、威圧感を放ち、怪威は死を覚悟する。突き出された腕から放たれる雷は全てを穿つ槍となる。


雷槍らいそうッ!!』


 放たれた槍は目の前の怪威を地面ごと抉り取る、地面は黒く焦げ、焼け焦げた匂いがあたりに漂う。怪威の群れは灰になり跡形もない。それを見て、茂みから晴が出てくる。


「晴姉さーん。」

「やるじゃない、これなら1人で…」


 その時、音虎の真後ろにはボロボロの怪威が鎌を振り上げていた。音虎が気づく間もなく、晴が声を出す間もなく、怪威が動く。


 標的目掛けて鎌が振り下ろされる、空気を切り裂き真っ直ぐに。切り裂いた軌跡は燃え盛り炎の刃と化す。刃はまっすぐ標的へ向かう。


 次の瞬間、怪威が縦に両断されその場に崩れ落ちる。


「は?」


 晴は戸惑いの表情を見せる、音虎も状況が飲み込めていないようだ。地面には大きな亀裂が走っており、それは丘の上から斬撃が飛んだことを理解させる。


「あっちに誰か居たみたいね、行ってみましょう。」


 2人が丘の上に登るとそこには誰も居なかった、ただ足跡だけがそこにあった。協会に戻り調査をしてもらったが、怪威では無いという事以上に分かることはなかった――



 ――一カ月後、そんな事をそろそろ忘れる頃に用心棒協会にとって重要なイベントが行われる。新しい用心棒の選定試験だ。音虎は守護者であり肩書き上は組織のトップなため、試験官を務めることになった。


「でも、実際何すればいいの?」


 音虎は泰西に聞く。


「候補生と俺が模擬試合やるからそれ見て行けそうか無理そうか判断してくれ。」

「えー難しくない?」

「まぁサポートに晴が着くから困ったら聞いてくれ。」

「はーい。」


 試験の会場は協会の地下にある模擬戦闘室で行われる、長方形のコートを覗ける形で1階層上に観覧席が設けられている。コート内部からは一切観覧席は見えないように一面ミラーガラスが貼られている。音虎は評価シートを人数分持って観覧席に座る、評価シートには各評価項目、受験ナンバー、軽い経歴、所見欄があり各模擬試合終了後書いて提出する形式だ。なお、公平を記すために氏名は書かれていない。音虎は一通り評価シートに目を通す。


「みんなこの“用心棒養成学校”ってところに通ってるんですね。」

「そうね、用心棒に成るならだいたい通うわね。まぁ偶に行かなくても成れる人はいるけど5年に1人いればいいくらいね。」

「ふーん…あ、今回は1人だけ行ってない人いる。」

「そうね…あんまり期待しない方が良いわよ、毎回まともなの居ないから。」

「そっかぁ。」


 試験は順調に進んで行き、残すは養成学校に行っていない1人を残すのみとなった。


「どう?見てきた感じ。」

「あんまり自信ないけど2、3人はやれそうな感じする…かな?」

「そうね…あと1人は流し見でいいわよ。あんまり期待はできないし。」

「厳しいですね。」

「養成学校行ってないのは基本的入ってきても活躍しない人が多いのよね。ちゃんと養成学校で元用心棒に教わってないと基礎が無いままになっちゃうのよね。」

「なるほど…。」


 そう話していると最後の受験者が通路を通って現れる。性別は女性、女性にしては長身である。髪は腰に届くかというほどに長い。その姿を見て音虎は思わず立ち上がる。


「宗ちゃん!?」

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